2023年8月19日土曜日

『まんがタイムきららMAX』2023年10月号

 『まんがタイムきららMAX』2023年10月号、発売されました。表紙は『ぼっち・ざ・ろっく!』。浴衣姿で一緒に花火をする喜多ちゃんと後藤ひとりであります。喜多ちゃんは三つ編み、ひとりはお団子に髪を結っていて、それが実に可愛らしい。満面の笑みの喜多に、曖昧ながらも確かに笑顔浮かべるひとり。ふたりともに、この夏の風物を楽しんでいると感じられるところ、とてもよかったです。しかしひとりちゃん、やっぱり美少女ですよね。自己肯定感情がちゃんと育ってたら、誰もの目を引く、そんな存在になっていたのかも知れませんね。いや、その場合、ギターヒーローの可能性は絶たれてしまう。難しいものです。

『アイドルビーバック!』

アイドルグループが解散。それで流浪の身となっていた桜井あんじゅのもとに現れたボカロP。プロデュースをさせてもらえないかとの申し出があったものの、逃げるようにして去っていった彼女が、なぜあんじゅのもとを訪れたのか。その出会い? あんじゅたちを知るにいたるまでが語られたのが今回だったのですね。

しかし、就職活動中のトモコ様、めちゃくちゃ可愛いな。最高だと思う。と、そこまではいいのだけど、あんじゅが話す天才12歳美少女ボカロP、ブラックカメリアのことを妄想と断定する朝子! そしてそれを否定できないあんじゅ。どんだけ認識がふわふわしているのか、あんじゅよ。時を経るごとに、どんどん認識が危うくなっていくところ。この子、本当に大丈夫なのか? という心配と、同時にこういうメンタリティなら大抵のことは乗り切れたりすんじゃないかなという妙な安心感と、不思議と共存するようでおかしく面白かったです。

さて、あんじゅとブラックカメリア椿の再会。あんじゅが椿に送ったオーディション風の動画。そこに語られたあんじゅの本心。真逆、正反対ともいえるあんじゅのキャラクターと、ブラックカメリアの作風。しかしそこに確かに同調し反響するものがあったとふたりが確かに感じられたという瞬間。その描写の豊かであったこと! 素晴しかったと思う。

ただ言葉が、プロットが、それを伝えるのではなく、キャラクターが、その表情しぐさ、言動、一挙手一投足でもって表していく。そこに浮きあがる感情、思いの確かさあって、より一層に広がりを持って胸に届く。その力、圧倒されるものあったのです。

『マグロちゃんは食べられたい!』

キハダ、クロ、カジキの3人、いやさ3匹が一緒にピクニック。それぞれのお弁当を前に、いろいろ語りあうというのですが、マグロ同士の腹を割った話しあい。というか、和気あいあいとした茶話会的情景が愛らしい。

とか思っていたら、結構この漫画の本質に迫ってきましたよ。釣られたならばその相手に食べられることこそ本望。そう信じて疑わないキハダまぐろの問い掛けに、クロ、正直よくわからないっていうんですよ。これ、マグロはマグロでも種が違うから常識も違うのか? あるいは群で違うのか? などなど、思っていたら、養殖と天然の違いなんてのが提示されて、養殖マグロには掟なんてなかった。なにも考えず、ただその日その日を過ごしてきた。でも天然自然の世界で生きてきたキハダまぐろには、守られた養殖環境とは違う過酷な毎日があったはず。そこで出くわす理不尽にも耐えしのぐことのできるよう、独特の文化、思考を持つにいたったのではないか。

なるほど、そう考えればキハダのあの覚悟ないし達観めいた感情は、過酷な生をまっとうするためのバックボーンとして機能していたものなのかも知れませんね。

まさか、こうしてまぐろの信条が深掘りされるされるとは予想もしなかった。それだけに衝撃は大きくて、そうなのか、そうだったのかと驚かされるばかり。そして掟に、自分の気持ちに、過去に、未来に、迷えるカジキが出してしまった結論。

ああ、こちらはこちらで不幸なすれ違いが生じてしまった。さあこれからどうなる。カジキの明日は、そしてなぎさの気持ちやいかに。

ええ、カジキとなぎさ、ふたりの絆の語られることになりそうです。

『さうのあっ!』

フィンランドはコーヒー大国! って、知らんかった。コーヒーというとドイツとかフランスとかってイメージがあったけれど、上位に両国は入っておらず、特別な事情のあるルクセンブルクを除くと、上位はフィンランド、スウェーデン、ノルウェーといった北欧諸国が並んでいます。

リューディアも自分でいれたコーヒーをポットで持ち歩いていて、実際そのコーヒー、マイルドで飲みやすく、というのも浅煎りだからなのかも知れませんね。アメリカなんかも大量にコーヒーを飲む印象がありますが、いわゆるアメリカンも浅煎りだそうですよね。しっかりと濃いコーヒーを少量飲む文化と、浅く飲みやすくしたコーヒーをたくさん飲む文化と、一口にコーヒーといっても大別するとふたつに分けられるのかも知れません。

さて、今回はサウナについてはほぼスルー。サウノアの後はリューディアのコーヒー、ということで、こかげたちだけでなく常連のお客さんたちにもコーヒーが振る舞われることとなって、もう大賑わいです。コーヒーのおともはチョコレート。フィンランドにニンジャっていうチョコレートあるのん!? なんともいえないセンスですが、調べてみればNinjaならぬGeishaがあるのか!

いやほんと、今回は読んで面白い、調べてまた面白い、そんなエピソードでした。

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