『まんがタウン』2023年9月号、発売されました。表紙は『新クレヨンしんちゃん』。映画『しん次元!クレヨンしんちゃんTHE MOVIE 超能力大決戦』かつクリクラとのコラボ表紙となっています。手前には3D CGで描かれた映画のしんのすけ。そして奥にはクリクラの水を手にしたいつもの漫画のしんのすけ。冒険と日常、両方面にリーチする、そんな表紙でありますよ。
『押しかけギャルの中村さん』
見てしまった中村さん。秋山の買ったエロ同人誌。こういうの苦手な中村との協定で、この手のは仕舞っておくと約束していたはずなのに、うっかり机の上に置いたまま出掛けてしまった秋山。帰宅したらば混乱極まった中村が待っていて、もう大変! 理解ある風な対応しながらも、ふとした瞬間に怖れ、こわばりが見てとれて、これはちょっと大変なことになりました。
それでふたりともに相談持ち掛けるのが榎本なんですね。榎本はクールそのもの、対し中村は今日もまだ引き続き混乱中。秋山は秋山で、うっかり中村がいないものだと思って話しかけたもんだから、思わぬ遭遇に焦りを見せて、いやもう感情の大渋滞ですね。
しかしここで中村が気づくんですよ。同人誌のヒロイン、榎本に似てる! 秋山の好み、榎本なんだろと詰め寄るくだりなんて、完全に嫉妬じゃん! なんで秋山が好きなのは私じゃないのかって白状してるも同じじゃん!
いやもう、榎本のいうようにただの痴話喧嘩案件という理解でいいのかも知れません。
最後の好きのどうののくだりもですね、痴話喧嘩の決着じみた雰囲気をかもして、これでふたりつきあってないっていうんですから、もう不思議でなりません。
『ホントはダシたい山車さん』
山車さんと一緒に食事をすることになった佐藤。ごちそうするという佐藤に対し、山車が決めた店というのが駅構内の立ち食いそば。まさかの立ち食いに驚く佐藤ですが、だしの匂いにずっと魅かれていたという山車の表情。そこに嘘もいつわりも、遠慮も気づかいもないと理解するくだり、実によかったです。
山車が選んだのはコロッケそば。油ものはそばにあうらしいですよね。ポテトチップスとかフライドポテトなんかもいけるとかなんとか。そしてここからの山車によるめんつゆ解説。その会話のはしばしに、佐藤のぎこちないアプローチが差し挟まるのが面白かったです。
で、ですよ。一緒にだし素材を買い出しにいって終わるのかと思ったら、まさかの本当においしい干し椎茸をごちそうしますから展開! しかも一週間待ってくださいとかじゃなく、今からウチにきてください!
思わぬことで思わぬ展開に踏み込んだ佐藤類。ああ、これはどうなる。心の準備もできぬままにお母様に御目通りでありますよ。
『兎なりのウサギさん』
ようし、シエルママのいずみさん、再登場ですよ! 青枝と同じ学校に通う男子高校生ながら、自宅では可憐な衣装に身を包んだいずみさんとして生活していて、素晴しい。偶然、青枝と学食で隣りの席になってしまうも、バレてはいけないと顔を必死で変える泉少年。ああ切ない胸のうち。自分がいずみだとうち明けて、心ゆくままにウサギの話をしてみたい。
そんな彼が、自宅に紅詩はじめ青枝にふく丸ママのさとうさんを呼ぶこととなって、優雅なウサギを囲むお茶会でしょうか!? と思ったら、高校の制服がバレてしまいそう! ああ、みたらしが掘っている! この非常事態にうろたえてみたり、そしてなんとか誤魔化してみたりと、大変な心の揺れ動き。そこに見える隠したくない気持ちと、受け入れられなかったらと怖れる気持ちのせめぎあい。切ないなあと共感するも、きっと青枝なら大丈夫だよとそうした気持ちになれるのは、きっとこれまで見てきた分だけ、この人に対する信頼が育ってきているからなのだと思います。
しかし、それでも泉少年の選んだあのキャラづけ! なんでそっちの方向にいっちゃったかな。無理してる感がものすごい! ええ、あくまでも自然体でよかったんですよ! はやいうちに、方向修正できるといいですね。
『あの世で猫になる』
海にいった朝倉さん。留守番は嫌とダダをこねたら、依代のぬいぐるみを持って海につれていってもらえました。
しかも水着まで作ってもらって、ああ、夏らしい健康美。と思いきや、海には入れないのか。いや、そりゃそうだよな。ぬいぐるみだもんな。海の水かぶったら後々大変だもんな。
みたいに思ってたら、ビーチにひとりはつまらんといってたタマ自身が、塩気や日焼け対策しないでも平気ということにメリット感じてしまってて、いやあ、いいですね。ポジティブはいいですよ。からのセルフ砂潜り。ちょっとした怪異ではないですか! あ、いや、そもそもが霊か。怪異でしたわ。
つまらなそうにしていたら、朝倉さんがビニール袋を使ってタマを海に連れていってくれました。一緒に遊べてよかったね、と思いきや、なんとまあ海の低級霊に絡まれるのか! こりゃかなわんなあ、からの、なんだかんだで姿がはっきりしてるからか、タマ強い! 雑霊なんて一網打尽だ、と思ったら、思わぬ逆襲受けて、いやもう大変。でもなんだかんだで楽しんだ一日みたいで、よかったですね。
- 『まんがタウン』第24巻第9号(2023年9月号)
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