『まんがタイムオリジナル』2023年10月号、発売されました。表紙は『ラディカル・ホスピタル』。これは、なんだ、すごいな。目にも鮮やか、サンバがテーマ!? 華麗な衣装に身を包み、ダンスとともに登場の山下さんであります。同じく『らいか・デイズ』らいか、『小森さんは断れない!』しゅりもサンバ衣装で登場。なんだけど、らいかさん、それ本体は学校の水着だね? 上の方で小さく、マツケンサンバよろしく和装でポーズ決めてる榊先生がちょっと面白い表紙です。
今月は新規ゲストが1本です。
『我、持てざるを得ず』
なんかえらい意味深な表紙がきよったぞ!? これは、男と男が出会って恋に落ちる系の話だな。そう思ったら、冒頭1本目から違うって明確に告げられて、柔道一本硬派な男、伊吹充。しかしその内心は、女子にモテたい一色だーっ! っていうんですね。
そんな伊吹の恋模様。浅尾さんなる女生徒に声をかけようとするも、鬼の形相、相当な気迫で迫るもんだから逃げられてしまって、そんな浅尾はというと青井雪春なる美青年に心を寄せている。学内屈指のプレイボーイ。けしからんやつと難癖つける伊吹ですが、なんと、青井はリアル女子に興味がないのか。ということは、男子が好きなの!? と思ったら、違うんか! そうか、二次元女子。アニメやゲームの女子専門だっていうんですね。
しかしめちゃくちゃ面白い。かなり身なりに気をつけてる青井だけど、それ、プレイヤーである自分に好意を寄せてくれるゲームキャラに恥じぬよう、相応にカッコよくすべくつとめているんだ! そうした事実を知らされた伊吹の感想、コイツ…末期だってのがほんとにおかしくって、ああ、もう、これはかなり好みの漫画だと実感した瞬間です。
しかしこの現実に背を向けている青井の方が、伊吹よりもよっぽど現実的な人づきあいに長けているっていうのが面白い。そして伊吹を応援するという青井の理由。ほんと、伊吹の反応、俺…オモチャにされてる? こうした端々に見えるおかしみ。実にいいですよ。
『となりのフィギュア原型師』
工房内コンペでいかに勝つか。悩める半藤なのですが、勝つための答、教訓、方針を、まさかのせっちゃんから得ることになろうとは予想外の展開でした。
若さ、すなわち振り向かず突き進めという教訓。というか、歌詞だね、これ。そして斉藤の分析力に頼れというアドバイス。精神論だけかと思わせて、実地で役立つ情報、方針を入手させるに至った。おお、今回こそはせっちゃんこそが勝利の女神だったか。根を詰める半藤への差し入れも、ちゃんと食べられるおにぎり! ほんと、今回のせっちゃん、まるでヒロインみたいだったよ!? これまでの汚名を一気にそそぐ、そんな活躍にほんとまいりまくりました。
かくして半藤、無事コンペにて勝利。それで代表には棚卸しをお願いするっていうんだけど、棚卸しにかける半藤と斉藤の情熱、これ、ほんとにおかしかった。よっぽど代表にやらせたかったんだな、特に斉藤。
で、この勝敗、悔しがってるはぐちゃんですけど、敗因デカすぎた。めちゃくちゃ面白い。半藤から指摘されてたのに! いやもう、しかたないから当日版権とってイベント出品しましょうぜ!
『おだまき君の道草ごはん』
季節は夏、ということで水着回か!? うわー、小麦、めちゃくちゃ可愛いなあ! と思ったら、いきなりの夢落ち。いや、落ちじゃないな、なんていったらいいんだ、夢導入?
今回は夏休み初日から勉強会ですよ。全然やる気を見せない男子にお怒りの香川。危機感ないことも手伝ってか、まったくはかどらない勉強会なのですが、そこに苧環妹からの差し入れ、梅ジュース。小麦のおばあちゃんからもらった梅に、りんご酢とクコの実がはいってる。って、手がこんでるなあ!
さらにここから苧環兄妹のクコの実効能語り。紫外線対策になったり、頭もよくなったり。いや、でもそんな即効性はないと思うよ!? 山ほど摂取したらめっちゃ効くみたいな、そんなヤバい効きかたはしないと思うよ!?
皆で語る将来の夢なんかも、現実的な目標あらば夢妄想としかいえないようなものまで幅広くあって、でもそんな中、小麦が明確ななにかがあるわけじゃない。ちょっと焦ってるんですが、そんな小麦の苧環との別れぎわに見せた表情が素晴しくってですねえ、ええ、いいなあこのふたり。なんて思っちゃうんですよね。ええ、小麦、めっちゃヒロインですよ、あなた。
『アイドルはお忍びchu♡』
地元のテレビ番組に出演したフルールクレール。一花と芙蓉の晴れ舞台であるわけですが、番組での話題は、曲について、そして一花の転進について。アイドルグループ、レゼルを脱退して、そこから新ユニットで復帰してきたその経緯。読者こそはともに一緒にその様子を見て知っていますが、劇中にては一花、芙蓉のふたりしかその真実を知らないわけで、それだけに番組でも話題になる。さらには事情を知らない人間から批判的な意見が寄せられることもある。
つらいですね。けれどそれでも一花は覚悟が決まっていて、そんなネガティブなコメントには揺れない。対し芙蓉はというと、鎖鎌取り出して、いやいや、物騒物騒。抜け忍ほどには危険なことないと思うよ、アイドルは。少なくとも命まではとられはせんでしょう。
テレビ出演のお祝いにお寿司屋さんにいきましょう。一花の身を案じる芙蓉を安心させるために、かつらをかぶり変装する一花です。でも街に出れば注目を集めて、って、注目されてるのは芙蓉の方かー! ああ、テレビ効果は大きかったですね。今や芙蓉も立派に有名人じゃありませんか。ええ、芙蓉も気を抜いてはいられませんね。
そしてお寿司の話題。そうでした、昔のお寿司は握り飯大だったって聞いたことあります。こうした時代を超えてきた芙蓉ならではの展開、面白いですね。そしてお寿司食べる芙蓉の表情ですよ。いい笑顔です。こうしておいしいもの食べてる芙蓉、しあわせそうで実にいい。
今回はテレビ出演を終えての一区切り。それで次の展開へと繋がっていく、そんな期待感持たせるエピソードでありました。
- 『まんがタイムオリジナル』第42巻第10号(2023年10月号)
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