『まんがタイムきらら』2023年9月号、昨日の続きです。
『しあわせ鳥見んぐ』
今回の鳥はやきとり!? と思ったら、ペンギ……、いや、ゴイサギでした。
夕方になると水辺にくる、というので着ぐるみで待機している翼。意識が朦朧としてるんですけど、ほんと、大丈夫なんでしょうか? でもいざ撮影となると、しゃきっとする? 身振りも説明もきっちりこなして、かくしてゴイサギの名の由来が語られたというわけでした。
しかし、このゴイサギがここ数話語られているひなの抱える問題に密かにリンクするとは思いもしませんでした。五位の位を受けたサギ。生まれながらに偉い位を授かっている鳥。その気持ちはどんなものなんだろうと翼が、いやさトリさんが語る、その言葉をひなはどのような気持ちで聞いていたのか。
このひなの悩みは、今は岬しか知らない。すずの発案で山辺にいこう、となった時に蔵王の別荘を提供してくれるとひなが。その時にすずのいったお嬢さまという言葉、これをひなは、そして岬はいかなる気持ちで聞いたのか。
このあたりの顛末、別荘編あたりで動きなどあるのかも知れませんね。
『妄想アカデミズム』
どこかおかしな未春の様子。昨日のことは夢かあるいは妄想か。現実をそのまま受け入れることができずに疑い続けているというのですが、それはまあしかたがないのかも。ずっと好きだった莉子が、自分のことを好いていてくれるのかも知れない。かなわぬ片思いではなく、両思いかも知れないと、考えるほどに気もそぞろ。どうにもこうにも落ち着かないというんですね。
さて莉子はといいますと、あまりのことに落ち込んでしまって一葉に相談を持ち掛けていた。思いあまって未春にキスをしてしまった……。一葉はそのへん鷹揚なものですけどね。別にそのくらいいいじゃないと、莉子の頬にキスしちゃったものだから、莉子うろたえて今一緒の家にいることが未春にバレてしまった。そこからもやっぱりちょっとギクシャクとして、この互いにどう接したらいいかわからない。戸惑いや不安、罪悪感、いろいろな感覚がないまぜになっているというのが伝わる、そんなシーケンスであったと思います。
しかし未春を振り回しているかも知れないという莉子の罪悪感。両思いの可能性に浮き立つ未春の心。そのちぐはぐな気持ちのかけ違い。いずれなにか問題を引き起こしたりしそうで、ちょっと心配です。
『キミはあくまでも』
エクールカとサラロットの会話を聞いてしまったヴェネル。あまりのことに思考が飽和。原因が自分たちにあることをエクールカもサラロットも気づいていて、互いに火花散らす険悪な空気を発生させる。
ひとり蚊帳の外に置かれているマーシャが気の毒、あるいは可愛かったです。
そのマーシャが気を使って、皆を海に誘ってくれました。昼の海。そこでヴェネルがエクールカと交わした言葉、それが素敵で、ああ、やっぱりこのふたりはいいですね。またマーシャに対しても、からかいながらでも一緒に海を楽しんで、このいい雰囲気があっただけに、その後のシチュエーションがちょっと重くてつらさ感じさせるものとなりました。
サラロットが語る自身のこと。悪魔であるということ。エクールカも当然気づいていたこと。しかしマーシャやその家族はサラロットの正体を知らずにいる。疑問に感じていたことに、あらかた答が出てしまったことに逆に驚いてしまったのですが、さらにその上、悪魔エクールカが果たすべき役割についてまで語られた。
悪魔の役割、それは人を不幸にすること。少なくとも、エクールカにヴェネルを不幸にしようとするような動きはなかった。言葉にも行動にも、そうしたことはなかった。サラロットはそれが許せない。エクールカを裁かねばならないというのですが、それでもなおエクールカはヴェネルを陥れるようなことはしないでしょう。
となれば、この先はどんな展開が? 加えていえば、サラロットも当然担うべき悪魔の役割。それはつまりマーシャやその一族を不幸にしようということなのか?
ええ、この状況、ヴェネルのみならず、あちらにもこちらにも問題ありって感じなんですよね。
- 『まんがタイムきらら』第21巻第9号(2022年9月号)
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