『まんがタイムきららMAX』2023年9月号、昨日の続きです。
『マグロちゃんは食べられたい!』
みさきの大ピンチ!? 学校で倒れてしまって保健室に運ばれてしまったみさき。いったいなにごと? 聞けばマグロ欠乏。このところマグロを食べられていないせいだっていうんですが、経済的に大ピンチ!?
いや、そうじゃありませんでした。というか、このところ言及されてきたこと、食べられたいまぐろと、食べたくないみさき。その葛藤の果てのピンチだったというのですね。
みさきが夢に見たっていうんですよ。絶品のマグロ尽くしに舌鼓を打っていたら、それが他でもないまぐろであったと知らされる。
おおおおおお、怖ろしいわ! ほんと、シリアスどころじゃない。みさきでなくとも、みなとでなくとも、ぞっとする。真顔にならずにはおられない、そんな夢じゃないですか。ほんと、この夢の話をしても、当のまぐろはピンときていない。この前提となる思考の違い。基本的に人のそれとは相容れない考えに議論は今日も平行線なのですが、それでもまぐろとみさき、心配して、歩み寄って、互いにその距離を埋めようとする、そんな雰囲気も感じられるのですよね。
今回のみさきのマグロ拒否症は一口マグロを食べて全快しちゃいましたけど、まぐろをめぐる問題は未解決。ほんと、どんな未来の可能性がふたりにあるのか、気にせずにはいられない今回エピソードでした。
『白魔導士はゾンビの夢を見るか?』
サキとフジオ兄妹のエピソード。ふたり、別ルートでリルー達を追っているのですが、その道中でのちょっとした出会いが描かれるのですが、その前に語られたこと、蘇生呪文についての制限。それがまた厳しいもので、命を取り戻すには術者の命を引き換えにしなければならない。その上、生き返らせられるのはひとりだけ。父か母、どちらかを選ばなければならないというのですが、それはフジオの視点ではそうかも知れないけれど、サキ視点だと父か母、そして兄からひとり選ばなければならないんじゃん!
この過酷な選択に直面させられることになるの!? 妹のためなら躊躇なく命もなげうとうとする兄の覚悟もさることながら、両親を思う妹のいじらしさと、けれど同時に兄に向ける愛情もあればこそ、この呪文の真実をサキが知る日が怖い、そんな思いもしたのでした。
さて、サキとフジオが出会ったのは、なにかというとケガをしたシロフクロウの子供でした。羽をケガしている。このままじゃ死んでしまう。なにぶん物資も乏しい終末世界。治療に必要なものは実地で調達しながら、なんとかシロフクロウを助けようと頑張るふたり。その甲斐あって見事に回復と相成って、ああ、旅の仲間が増えましたね!
この子、アモンも毛玉と同じように、対ゾンビないし警戒ないしに役立ってくれたらいいですね!
『性別不明な殺し屋さんがカワイすぎる。』
ついにバレたつくしの無職。お隣さんの倫から指摘を受けてダメージ受けてるつくしですが、倫のバイト先、メイドカフェを紹介してくれて、おお、つくしさん、見事メイドデビューでありますよ! いや、大丈夫、なにも問題ありませんよ。めちゃくちゃ可愛いじゃありませんか。と思ったら、ユーリまで!? しかもユーリは猫ミミ、猫しっぽつきなんだ。なるほど、いろいろ盛っていくスタイルのカフェなんですね。
メイドとしての接客には不慣れだけど、他の仕事、オムライスの用意とかね、結構そつなくこなすつくしです。正反対にケチャップが返り血みたいになってるユーリ。こうした地味な作業には向かないかな? と思ったら、接客は臆面なく堂々とした態度でこなしてくれて、って、いやいや、その言動は客商売ではアウトだよ!? 本当、このカフェが属性盛り盛りコンセプトで助かってる。というか、この物騒な発言を許容するお客の強さが光っていました。
でも、ユーリのこの言動を許容するのなら、つくしのおずおずしたそれも許容してさしあげて! つくしに向けられた批評批判を超えた言葉に、つくしの心の傷がうずく。お客様とて許せぬ! とユーリが動き出そうとしたところに助けに割り込んできたのが、メイドマエストロ、バイトリーダーのメイメイちゃん!
こなれた接客、物怖じしないキャラの強さに、問題客もころっと転がしてしまう巧みな誘導。見事に当座の問題は解決して、めでたしめでたしでありました。
といいたいけれど、今回冒頭に登場したサツキなる人物。ラストにユーリに介入していて、ええと、上司!? ちょっとユーリの謎の部分に光が当たる? ないし、なにか状況に動きがありそうな気配でありますよ。
- 『まんがタイムきららMAX』第20巻第9号(2023年9月号)
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