『まんがタイムきららキャラット』2023年8月号、昨日の続きです。
『恋する小惑星』
今回は新聞部のお姉様、綾乃の物語であります。小説を書いている。コンテストに投稿するファンタジー小説を準備すべく、鉱物と天文の知識を得ようと地学部に協力を求めているのですね。イヴに鍛えてもらった文章力がどう評価されるか試したい。そう綾乃はいうのですが、それ以上の思いもあったりするのかな? 物語に説得力を持たせるため、しっかり下調べをして基盤を作る。立派ですよね。
そのくだりで、宮澤賢治の話題になるのも面白い。そうです、宮澤賢治は地質や天文に興味を持っていた人なんですよね。ということで例に漏れず私も宮澤賢治は好きで、全集持ってたりするものですから、すぐにでも『風野又三郎』にも『銀河鉄道の夜』初期形にもアクセスできるのですが、その環境があかんのか、彼女たちほどには読み込んでいないのはもったいない!
ええ、こうしてそれぞれの興味にもとづく感想批評を見ましたら、俄然興味も沸いてきますよね。
さて綾乃の小説です。江崎に感想を求めたところ、綾乃の中にあるものをもっと見てみたい。言葉を尽くして説明するも、イヴ先輩はこれで満足するでしょうか、その言葉に優るものは綾乃にとってはなかったんですね。
こんなに近くにいても、イヴ先輩ほどに影響を与えることができない。江崎がイヴ先輩に興味を抱くの、わかる気がします。で、近々新聞部を強襲なさるのかな? イヴ先輩。イヴに出会った江崎がどんな感想を持つのか、これは楽しみというほかありませんね。
『RPG不動産』
住居を求めてきた者たちに、まさしくその目の前で物件を作り出してみせるサトナの力! 必要な魔力はラスティーレとファーからも供給してもらって、でも3人がかりでも家一軒建てればへとへとになるのですか。
その振る舞いで、ブラックドラゴンの汚名をそそぐサトナです。しかし、そこに物言いが入って、誰かと思えば大神官。国事にも影響力を持つ有力者の横槍にサトナが追い詰められたと思ったら、そこにファー、そしてラスティーレからの抗弁が。さらにアリスとセレニアの母からの助力もあって、絶対悪とされてきたブラックドラゴンの存在への疑義が呈され、そしてここについにサトナに味方するものが、琴音やラスティーレ以外にも現れたというのですね。
これまで疎まれてきたサトナが、こうして受け入れられるにいたった。その喜びたるや、どれほどのものでしょう。誰かに認められ、そして自分の力が誰かをしあわせにする。その嬉しさたるやいかばかりでしょう。
最後に琴音のもたらす情報、これが生み出す結果。世界を変えるに違いない、その行動に興奮を覚えながらも、まずはサトナやラスティーレが悲しみや不幸から抜け出したことが嬉しく思えるのでした。
- 『まんがタイムきららキャラット』第19巻第8号(2023年8月号)
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