『まんがタイムきららMAX』2023年9月号、昨日の続きです。
『リリカお嬢様に振り回される!』
いい話でしたよー。
リリカが母からもらったぬいぐるみ。もうクタクタになっちゃって、縫い目もほつれて綿が出ちゃったりして、すっかりくたびれてるんですけど、これ、それだけリリカが母から譲り受けたうさぎを大事にしてきた、肌身離さず身近に置き続けてきたからだと思うのですね。
そんな大事なぬいぐるみだけれど、仕事に熱中して帰ってこない、かまってもくれない母への気持ちがこじれてしまっているリリカ。ぬいぐるみのことももう大事じゃないなんていっちゃって、捨ててもいいなんていっちゃって、でもそのリリカの言葉を額面どおりに受け取らなかった永野がえらいんですよ。
ほつれを直して、そしてカーテンと一緒にクリーニングに出してくれるって。リリカに対しても、自分の悔いを話して聞かせて、思い直させることに成功したりしてね、この頭ごなしとかじゃない、自分勝手でも自己満足でもない、リリカの側にいて、素直な気持ちで向きあう永野の振る舞いが素晴しいって思ったんですね。
それだけに、リリカに気持ちが届いていたことのわかるラスト。リリカも喜んでくれてたんですね。母に報告してくれてたんですね。そんな描写にぐっと気持ちつかまれちゃいましたよ。
『SAN値直葬!闇バイト』
あかりのように生きたい……。
『ぼっち・ざ・ろっく!』
喜多ちゃんの母が結束バンドのライブにやってきました。妄想がちで、バンドについてもろくでもない想像膨らませてしまっていた母。とりわけ後藤に対し、大いなる誤解を抱いていた母。しかしそうした誤解を解いていくバンド周辺の面々がとてもよかった。というか、虹夏が優秀すぎてびっくりするよね。バンド本番目前にして、喜多母を説得するための資料、ガチで準備してきたんだ。そのあまりの活躍。結束バンドの成功の大半は虹夏あってのものじゃない? というか、バンドを離れても大成しそう。ええ、驚きの優秀さでありました。
バンドのファンたちを間近に見て、店長からのサポートも受けて、喜多母の気持ちが傾きつつあったところに、ライブ本番、喜多はじめ結束バンドの面々の音楽に打ち込む姿に触れて、ああ、これが決定打でしたね。ついに理解してくれた。もう口出しはしないって、そして母の若い頃の失敗談が語られて、ああ、妙に心配性が過ぎたの、こうしたバックグラウンドがあったからなんだ。ただの妄想過多の心配性ってわけじゃなかったんですね。
こうして、喜多母と娘の確執は、互いに相手を理解しあうことで解消。母は娘のバンド活動を認め、娘は大学進学を決意しと、この大団円感はとてもよかったです。
で、漫画なので落ちがないといけない! ということで、その落ち部分を一身に担う山田リョウ。いや、これは身から出た錆ではあるんですけど。ええ、だいぶぼっちちゃんに迷惑かけちゃいましたよね。喜多母娘がきれいにまとまったみたいに、山田リョウもきれいに清算できるといいですね!
- 『まんがタイムきららMAX』第20巻第9号(2023年9月号)
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