『まんがタイムきららMAX』2023年9月号、発売されました。表紙は『アイドルビーバック!』。今月号からの新連載であります。桜井あんじゅとブラックカメリア、ふたり揃っての登場。アイドル衣装のあんじゅは生き生きとマイク片手に笑顔ふりまいて、対しカメリアはといえば、スマホ手にしておずおずとじゃっかん強張った印象であります。この子のスマートフォン、大きなジャックに繋がってる? って、あの首にかけたモニタヘッドフォンか。この装備にこの子の背景が見える。ってなわけでありますね。
今月は新連載が1本、新規ゲストが4本です。
『アイドルビーバック!』
アイドルグループ、アイビバ。それが冒頭にて解散! 衝撃のスタートですが、一時は上向きだったこともあるグループなのに、エースの子が引き抜かれてしまい、そこからは櫛の歯が欠けるように仲間がひとり減りふたり減り、ついには3人が残るばかりとなって解散。活動期間は2年と4ヶ月。これは長いわけでも短いわけでもなく、平均的な長さなのだそう。
かくして別れ別れとなった最後のメンバー3人だけど、ひとりは就職、ひとりはスカウト受けていて、残るひとり、我らが主人公あんじゅひとりが進む道を失い、途方に暮れている。
そんなあんじゅが、バイト先のメイド喫茶で出会った子と一緒にアイドル返り咲きを目指そうというお話。あんじゅ18歳、あんじゅにプロデュースを申し出た子はネットで人気のボカロP、ブラックカメリア、12歳。
まだまだ先の見えないながらも、ブラックカメリアの実績があればなんとかなる!? さらにいえば、この子にとってのあんじゅの価値、いまだ語られていないことですが、もしやあんじゅ推しだったりしたのかもですね。互いにリスペクトをしあう、そんな関係だったりしたらと思うと致死量に達してしまうかも知れない! 次回を読むのがおそろしい新連載です。
『へるしーへありーすけありー』
面白いですね。絵を描くのが好きで好きで、好きが高じて専門課程にまで進んだのはいいけれど、そうしたら描けなくなってしまった。ある意味、よくある話かも知れない。
芸術学部に入ってみればなんだか自分がわからなくなってしまった。その焦燥感がために眠れない、食も細い。明らかに健康を害してしまっているんですが、これは絵に打ち込むばかり健康管理を疎かにしたなれの果てなのでしょうか。不健康ゆえに発想も細り、それがために精神的に追い詰められてまた不健康の度を過ごしてしまう負のスパイラル?
しかしそんな波止場七草に朗報? 学内で見つけた謎の脚。求められるままに助けてみれば、秦ヨモギなる妖怪のぶすま。のぶすま? 知らんなあ。のぶすまで辞書を引くとムササビの異名と出てきますね。ということはムササビの妖怪? でもって血を吸う? でも誰でも彼でもかまわず吸っていいわけじゃなく、学校の試験で、一人の人間の血しか吸えないという制限がある。
一番いい血の持ち主はどこかと探して探して、渇いてしまったヨモギが、目の前の七草に血を求めてみれば、それが激マズ! けれど試験の制限がためにこのヨモギの血を吸い続けるしかない。ということで、なんとか血の味を改善するために七草健康化計画が発動するんですね。
癖のあるキャラクターが面白い漫画。妖怪よりも人の方がずっと癖が強いってのがアレで、なるほど芸術学部と思っていいのん? ともあれ、七草が健康になったらなにかが変わったりするのかな? その変化にこそ興味ありです。
『この教室には×××がいる!』
女子校にて国語を教える玉井結。仕事にも慣れてきた3年目。気になることはといえば、教室に出没する謎のうっすら女学生3人組。教室の誰にも見えていない。自分にしか見えてない子たちなのだけれど、授業中に好き勝手にふわふわ遊んでるこの子たちにストレスを溜める日々。けれどこれが霊ならば、下手に関わるとどんな障りがあるかわかったもんじゃない。
でも限度を超えてしまった結。お清めとばかりに除菌スプレーを教室にまいてみたらば、3人いたのが1人に減った! ひとりぽつねんと座り込んでいるその子の姿に罪悪感覚えたりして、それで教室から出ていこうとするその子のために扉を開いてやったら、見えてるものと認識されてしまった!
翌日のこと、勢揃いする3人組。しかも挨拶、その上、目までしっかりあって、これどうなるのか? なんらかの障りでもあるのか? いやどうだろう。そんなに悪い子たちではなさそう。そもそも霊なのかなんなのか。さっぱりわからぬ存在相手に、結、どう立ち回るのか。こうご期待でありますね。
『ポコ@ポコ』
おお、2本立てですね。地球に憧れるあまり中古のUFOにて日本くんだりまで物見遊山にやってきた宇宙人ぽ子。しかし運悪くUFOが故障、ひとり暮しをしている悲喜にいとの部屋の壁をぶち抜いてしまったというんですね。
極めて偏った地球知識を持ったぽ子。なんと、その見た目もその知識から作り出した擬態なんか! 本来の姿は地球人のそれとは似ても似つかないもので、けれど地球人に好かれるためにと、偏った本の偏った情報をもとに、パンチラ、へそ出し、金髪美少女、トップ3の要素全盛りにしてやってきたっていうんです。
偏った宇宙人と、偏った地球人。変なとこにこだわりを見せたり、変なことに熱弁してみたりと、どっちもどっちで変なやつらっていうのが、そのやりとりを面白くしていました。また壁を破ったり皿を割ったり、ヤバい料理でにいとを見事に壊してしまったりしても、宇宙人の超技術、再生能力でもとどおりにできるっていうのが、ちょっとくらい乱暴な展開しても大丈夫っていう安心感を与えてくれて、これ、意外といい感じでした。むしろ、再生能力を盾にがんがんヤバい展開やってくれても面白いんじゃないかと思います。
『居合ぱにっく』
居合演舞に魅せられて居合をやってみたくなった中学生、マコ。同じく一年生のリムに声をかけられて、居合部を作ろうということになるのですが、このリムという子がマイが魅せられた演舞の子。まずは拠点を、ということで道場を確保。刀を手にして居合を体験してみるというのですが、実際のところ、いきなり真剣は危ないよ!?
けれど向かいあうのは自分の心。思い描いた敵を前に、精神を研ぎ澄ましていく、そうした様子が描かれた今回。マコの気迫に、からかうつもりがつけこむ隙を見出せず、すごすごと退散するいたずらっ子のミミ。
こうしてはじまったマコの居合道。リムとともに切磋琢磨しあう、そんな関係になっていけるものでしょうか。しかし、いきなり真剣をもらうっていうのはただごとではありませんよ!
- 『まんがタイムきららMAX』第20巻第9号(2023年9月号)
0 件のコメント:
コメントを投稿