2023年7月2日日曜日

『まんがホーム』2023年8月号

 『まんがホーム』2023年8月号、一昨日の続きです。

『カワイイだけでは飼えません ~さくらば動物病院カルテ~』

予想を超える展開でした。

子猫たち、しまだとしまむらの採血の様子を見守るキョウスケ。採血で緊張して、結果を待つ間はずっと不安で、そしてその結果はというと、まさかのFIV陽性。正直、心配するだけ心配して、問題ありませんでした、よかったという展開を予想していただけに、読者である私にとっても驚きで、ええ、この漫画のスタンス、コメディっぽく展開することもあるけれどシビアなところはきっちり逃げず描写するというところ、しっかり表わされていたと思います。

FIV、いわゆる猫エイズだそうです。人のエイズとは違うから、人獣感染はしないというやつですよね。でも名前の響きから怖れて捨ててしまう、手放してしまう人も少なくないとか聞いています。キョウスケは子猫たちがFIVだからって、それで遠ざけようだなんて思いもしないのですけど、ショックを受けてることは間違いなく、そのフォローに尽力する先生、自分自身の経験もまじえて語られたその言葉が重く、胸に迫るものありました。

知識がないから怖いんです。病気を知り、必要以上には怖がらない。

その言葉。FIVだけでなく多くの事象に通ずるものがあると思います。とても正しいスタンス。知ること。正しく知ること。そして不安に飲み込まれることなく、怖れるべきものを怖れ、正しく対処する。大切なことだと思いました。そうありたいものだと思いました。

『歌詠みもみじ』

おお、子供時代のもみじですよ。小学3年生のもみじの夏休み。7月中に宿題全部やっつけると千恵子にいっちゃった。けど全然思うようにいかなくて、ああ、10日がただただ溶けてしまいましたか。

もみじの計画がそもそもおかしいんですよね。数学のドリルとかは手つかずで、なのに日記は終わらせている。普通はそうはならなくなくない!? からの、日記に書いたからとそのとおりに実行させる。主にパパさんに。人形を買ってもらう、ソフトクリームを、ホットケーキを、そしてクレーンゲームでぬいぐるみを。

おそろしいな、まるで予言、あるいは死を招くなんたらノートみたいじゃないですか。

この便利に使ってる日記。都合よく改竄したりして、振り回される若きパパさん。ママさんにまでいいように使われちゃうんですよね。で、最後に残った自由研究を、未来日記検証でやっつけてしまうというんですけど、これ、日記をちゃんとやらんかったこと自白してますやん!

なんだかんだで面白がってくれる先生でよかったですよね。ええ、それにもみじのいい笑顔。いい子供時代を送っていましたね。

『うちの秘書さま』

うわー、扉絵の田中さん、めちゃくちゃ可愛い!

さて、メイドさんたちの夏休みです。ぼっちゃんと離れたくない、夏の季節は心配と、心ここにあらずなメイド長。でも皆の休みを待ってる家族もいるでしょう。ちゃんと夏休みはとるようにと諭すはじめの立派さ。そりゃあメイドさんたちがあがめるわけですよ。

かくしてメイドたちが里帰り。で、ここからが本番ですよ。彼女らがなにを怖れていたかがはっきりとするんです。そうか、七瀬の料理か! キッチンへの立ち入りが禁止されてて、抗議するのは七瀬ひとりだけ。で、不在中の食事は田中さんに一任されて、ああ、頼りになるなあ。調理済みのを温めるだけにしてあるというのもすごい。メイドさんたち、有能ですよね。

ここまで七瀬対策を施してたメイドたちなのに、まさかの盲点。食洗機使っての食器洗いで、台所じゅう泡だらけにしちゃったんだ! ほんと、静かに怒るはじめです。このいつもと立ち位置が引っくり返るのがおかしくって、で、結果オーライで感謝されるとかね、ほんとすごく面白かったです。

それにしてもあの喜び感涙するメイドたちの姿。美しかった。最高でした。

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