『まんがタイムオリジナル』2023年1月号、先日の続きです。
『カントリー少女は都会をめざす!?』
椎奈がお外を掃き掃除。なにかと思ったら、もうじきクリスマス、いい子になってサンタさんによろこんでもらおうというんですね。つまりはプレゼント欲しさなんですが、こうした素直な心持ち、実にいいものだと思います。
そして我らが八重さんはといいますと、自分がサンタになりたいという。夢を配るのですか!? と思ったら、ソリで都会に行き放題! 自家用車扱いや! ここからの大河とのやり取り、八重サンタは都会専門かといわれて、地方の物流の少なさを痛感していることから、地方専門になるかもと。ここでの大河の冷静なツッコミが面白いんですが、でも八重の心情、小さな頃からの満たされぬ思いを今の子供たちには味わって欲しくない! 負の連鎖を断ち切らんとする、いい心掛けだと思ったんですよ。
さて、亜紀がサンタクロースからプレゼントもらったことがないと聞いた八重たち。それで皆で亜紀にプレゼントをと画策するのがですね、本当に友達思いというか、大切な仲間のために一肌脱ごう、喜ばせようとする気持ちに溢れていていいなあって思ったんですね。みなは、亜紀にいい思い出を作ってほしかったのかな。共感と思いやりがあるんですよね。
『敷金礼金ヤンキー付き』
七恵が拾った封筒。中身を見ればなんと札束。大金ゲットだ、遊んで暮らすチャンスだと色めき立って、心の中の天使も、ネコババしようぜという悪魔の軍勢を前にしてはひとたまりもない。
いや、でもこの心の揺らぎ、仕方ないと思うのよ。交番に届けようという気持ちと、自分のものにしちゃおうという気持ち、わずかでも葛藤しない人ってどれくらいいるんだろう。
でも結果的に七恵の根っこのよさが描かれたいい話だと思いましたよ。そりゃ自分のものにしちゃおうとか、ギャンブルで増やそうとか思いはしたし、行動もしたわけだけれど、まさか18歳未満ゆえにギャンブルの方からお断りとは予想外! さらには株式投資も、その基本のところをわかってないから未遂に終わるとか、いろいろあかんがゆえに悪い方向にいかずにすんだというのが、この子のラッキーだったと思うのですね。
七恵が実際にお金を落として困ってる人を見つけて、その人の、楽して稼ごうとしてもいいことないってぼやきを聞いて物思う様子見せたところ。ここにこの子のピュアな性格、やっぱよくないよなって思い至れた素直さ見てとれて、たしかに結果的に元のとおりの一文なしかもは知れないけれど、なにかしらを得られたんじゃないかなって思えたのでした。
七恵がそのことに気づくことはないと思うけれど、知らずとも大切なことに触れたのだと思います。
『オネェの恋のはじめかた』
夜の学校をうろつく生徒の姿。教師が追うもその足取りは掴めず、かくして校内に学校の怪談として噂されることとなりました。
で、これを放送部の企画で水面が取材する! っていうんですが、怖いんか! だったらやめとこう! でも楽しそう。怖い、楽しそう、怖い、楽しそう。せめぎあう感情持て余して、時宗に助けを求めたというんですね。というか、時宗、霊にも強いんか?
時宗が断わってるのは怖いからとかじゃなく、面倒ごとを抱えたくないって感じですよね。でも頼まれたら無下にはできない。ほんと、なんだかんだいって親切な時宗です。そこに加わる翔人。この人はこの人でなんのかんのつきあいがいい。実際文句いいながらもついてきてくれて、写真撮ったりとしっかり仕事こなしてくれています。
でも今回の話、最後にまさかの桜子登場で、あれー、そういう方向性!? でも桜子、うっかりコケて気絶して、夜まで学校に居残っちゃった、ってそんな感じの子だっけ? 確かにちょっとどんくさイメージはあるけど、ほら階段から落ちそうになったりとかさ、でもこんな夜遅くまで?
と思ったら、え? さっきの桜子、なにもの? 時宗の恋心、怪異に見透かされてしまったん!?
見事、二段階で落としてくれて、すっかりやられてしまいました。
- 『まんがタイムオリジナル』第42巻第1号(2023年1月号)
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