『まんがタイムきらら』2022年12月号、発売されました。表紙は『一畳間まんきつ暮らし!』。芽衣子と梨絵、ふたり一緒に下校中? 芽衣子が手にしているのは焼き芋と暖かい飲み物。もう季節は秋から冬に移ろうとしていて、そんな時期にはこうしたほっとする暖かなものが嬉しいですよね。その笑みと、ぺろりと少し出した舌が、手にしたもののおいしさ感じさせるいい表情です。そして梨絵は手に『一畳間まんきつ暮らし!』の3巻を持っていて、帰り道、買ってすぐ我慢できずに読みはじめてる。そんなはやる気持ちも感じさせる表紙です。
今月は新規ゲストが3本です。
『キミはあくまでも。』
今、時代は蛸触手ブーム!
というわけでもないのでしょうが、ノートン家のご令息、ヴェネルくんに添い寝しているメイドの背後にうごめいてるのは蛸触手。眼鏡、愛らしく人懐こい表情に不似合いなそいつはなにかというと、その本性たる悪魔の印。つい先日屋敷にやってきたこのメイド、エクールカは、なにを隠そう島にいい伝えられている悪魔。かつて船を沈め、その姿を見たものを縊り殺してきたという、恐怖の存在だったというのですね。
危うく窓から転落した坊ちゃんを、その触手でもって助けたエクールカ。かくして坊ちゃん、ヴェネルは彼女の秘密を知ることとなり、口外すれば屋敷の人間の命はない、脅されるはめにもなったというのです。が、エクールカを見ていると、どうもそう怖ろしいばかりの存在とも思えない。
むしろ坊ちゃんに興味津々? 過度のスキンシップやいたずらっぽい振る舞いの数々が坊ちゃんを戸惑わせるのですが、なにがゆえに彼女がここまでヴェネトのことを気にかけるのか。
なにか理由なり過去なりがありそうな気がするんですよね。
そのあたりはまだまだわからない、謎また謎の状況。今わかってるのは、エクールカがやたら可愛らしいってことと、人間不信気味の坊ちゃんがそう遠くないうちにエクールカに陥落してしまいそうってことですね!
『めくりめくるリワード』
本好きが高じて出版社に勤務することとなった鳥羽綴。希望に溢れた新社会人生活のはじまりだ! といいたいけれど、わずか3ヶ月で現実に押し潰されそうだよ!
過重な仕事。続く残業。泊まりの仕事も多いのか。けれど上司はわりとちゃんとしてますよね。入社3ヶ月なんだからできなくって当たり前。できないことを責めたりしないの、わりとマシな会社なのでは!?
上司の清水から綴ジ子と呼ばれている綴。呼び出されたと思ったら、特集企画を任せられてしまったというのですね。アニメ、ゲーム系の総合カルチャー誌、その特集ページを組むといっても、なにをどうしたものかまるで思いつかない。
そんな綴ジ子の追い詰められた結果捻り出した企画ですよ。
自分の好きなものを探求すべく酒に飛び込んでみたら、大いに酔って、気づけば見知らぬ女性と飲んでいた。その人との会話が刺激になった? 見知らぬ人からのアドバイスが、自分の進めべき方向を決めさせた?
結果、自分の好きなもの、新進のイラストレーター、紫苑を特集したいと清水に持ち掛けることになったのですね。
ゴーサインの出た企画。そのイラストレーター紫苑との初打ち合わせ。そこで出会ったのはあの日出会った見知らぬ女性! 美大生っていってましたね! こうして一緒に仕事をすることとなったふたり。さらなる化学反応が期待されるのでしょうか。
『カメらいふ』
ひよからお写んぽに誘われたニコ。お写んぽとはいったい? お散歩と写真を組み合わせたひよの造語。散歩しつつ写真を撮ろうというのですね。
暇にしてたら母から一眼レフカメラを渡された。趣味の押し売りとかいってますが、ひよもそこそこ撮るのかな? とか思ったら、まるでカメラに興味がなかったんですね! いざ撮影してみようと思ったら、カメラの使い方がまるでわからない。そのままニコに渡されて、いやしかしひよの母上、そんな娘に結構高価そうな機材、よくほいっと渡しましたね! 豪傑やわ。肝が太いですわ。
F3.5とか1/4000とか、見知らぬ数字に惑うニコ。昔は難しかった露出ですけど、今はカメラまかせで撮れるので便利になりましたよね。被写体に向かって画角を決めたらシャッター。興味の向くままにシャッターを切っていくだけでも楽しいものだと思います。
この漫画は、なんといってもカメラのことまったくわからぬふたりが、わからぬままにただただ写真を撮るというのが決め手。写真の良し悪しとか露出やら被写界深度やら、難しいこと抜きに、ただただ心のおもむくまま撮影をする。気負わず、深く考えずとも、ただ写真を撮ること自体に面白さがあるんだよとでもいいたげなその姿勢。非常に共感させられるところありました。
- 『まんがタイムきらら』第20巻第12号(2021年12月号)
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