『まんがタイムきららMAX』2019年4月号、発売されました。表紙は『ぼっち・ざ・ろっく!』。でっかいスタックアンプにもたれかかって座るぼっち。ギター抱えてね、これ、この子の自然体なのかな。ひとりと思っていたところに、誰かが入ってきたとこちらを見やる、そんな様子が印象的。周囲に置かれたエフェクター群、なんだかかっこいいなあ。背景の、白地に黒をあしらって、文字は黄色! この強いコントラスト、目にも激しく主張する、そんなところにぼっちの内面の苛烈さ感じさせられる思いがしました。
『魔王と勇者が百合結婚するお話』。そうか、勇者は魔王の手に落ちてしまったのか。けれど住まいは快適。食事もちゃんと与えられてるようで、これ、そうなのか、本当は人と仲良くしたい魔王が、配下の手前、人に優しくもできないし、というので村を焼いちゃうのか。この魔王のギャップというべきか、たびたび魔王のもとに現れた勇者の、その行動を自分への好意と勘違いして好きになっちゃってという、そうした様。いかにも魔王らしくないんだけど、その魔王が部下の手前、魔王らしく振る舞った時に生じたギャップ。こういうところが面白みってやつだ! 今回の勇者に姉プレイするところ、お姉ちゃんですよー、っていってるけど、それ、どっちかというとお母ちゃんだ! こうした微妙なズレなんかも面白みになってますね。
『ぼっち・ざ・ろっく!』。ぼっちが学園祭でバンド出演するにいたるまでの顛末。もしかしたら学校でもギターヒーローになれる!? 夢見てしまうぼっちの衝動と、そんなはずがない、きっと自分だけ盛り下がるに違いない、それにそもそも青春ソングなんて自分にはあわない、できない、似合わないどころかむしろホラー。一連の一人相撲感。ほんと、まさにぼっちのぼっちたる所以感じさせてくれて面白かったです。ライブハウスでの会話、よかったですよ。店長、いい先輩してるじゃないですか。でもってリョウ。会場をお通夜状態にって、やるじゃん! とか思ったら、トラウマになっとるんか! 今回は喜多ちゃん、ナイスプレイでした。ええ、逃げようとしたぼっちの退路を見事塞いで、ええ、こいつは楽しみ。見事、ギターヒーローとして花咲いてほしい。
『こみっくがーるず』は酔ったかおすちゃんですよ。栄養ドリンク飲ませたら、ハイになりすぎたのか。友人から寮母さんから、皆を褒め称える歌を歌いまくるところ、あれはおかしい。ほんと、みんなとめるんだ。そうかあ、ちょっといたたまれないんだな。ハイかおすちゃんのあの緩んだ表情、素晴しいですね。でもって、素直にうれしーの感情を出すの見て感動する皆。ああ、わかる、わかるわー。でも、しあわせそうっていってるけど、なんかちょっと人から退化してない? 仕事、絵はいつもよりもノリノリで、そうか、普段はネガティブがブレーキかけてるんだな。前回のこゆメソッド、今回のドリンクハイ。かおすちゃんの限界を突破させるためのノウハウが蓄積されていきますね。今回はノリノリかおすだけで終わるのかと思ったら、まさかその揺り返しまで描かれるとは! 白目、授業中に寝言、あの古文の寝言アレンジ、最高でしたよ。ほんと面白い。かおすちゃんは揺れ幅大きくて楽しいなあ。
『初恋*れーるとりっぷ』。今回は仙台駅探訪です。部活動ですよ。先生がやる気出してて、部員たちもわくわくしていて、そして冒頭から謎のスポット、伊達政宗像前! なのに像がないのん!? 先生が面白がって皆を翻弄するのが面白くてよかったです。仙台駅ゆかりの列車のヘッドマークのくだりもね、妹に対しても容赦なく妄想披露で翻弄ですよ。先生、楽しんでるなあ。その楽しんでる様子が大変によいのですよ。今回は駅にかかわるお話と、仙台駅グルメと、そしてそらと先生の関係の3本柱。小ネタ情報をちりばめて、興味関心ひきつつお話を進行させるその合間合間に、先生を意識しすぎて過剰反応してしまうそら、その反応に自分が嫌われてるのでは!? 思い悩む先生を描く。なかなかに気持ちが伝わらないもどかしさと、最後には勇気を出したそらのはしゃぎよう。ああ、頑張ったね、先生も誤解がとけてよかったね、そうしたほほえましさに気持ちもやわらぐのでした。ああ、そうそう、学生ぶる先生、最高でしたよね。
- 『まんがタイムきららMAX』第16巻第4号(2019年4月号)
0 件のコメント:
コメントを投稿