2019年2月22日金曜日

『まんがタイムスペシャル』2019年4月号

 『まんがタイムスペシャル』2019年4月号、発売されました。表紙は『恋愛ラボ』。おお、本編ではまだバレンタインデーだけど、表紙はホワイトデー先取りですね。エノですよ。おかえしを貰って、まあ嬉しそう。眼差し、紅潮する頬、そしてほころびかけた口元と、この人の気持ち、見事に表れているイラストだと思います。『吸血鬼さんは無職です。』、ニーナさんへのおかえし懐から取り出そうとしている橙也。『コスプレ地味子とカメコ課長』、おかえしのプレゼント胸に抱えて嬉しそうな紫ノ井。ホワイトデーテーマのカットが並びます。

『スーツは尊し』。ゲストです、ワイド四コマです。このところ、各まんがタイムでいろいろとなされている新しい試み、これまでまんがタイム系列ではなかったようなテイスト持った漫画を掲載することが増えてきていますが、これもその一環といった風があります。ワイド四コマだから、というだけでなく、その雰囲気も、作風もといっていいのかな? スーツが好き、それを志望動機と明示して、なおかつ採用されたのが主人公渡来まどか。スーツに興奮するのだそう。なので、スーツ着た男性が跋扈するこの会社は最高のバイト先なのだそう。スーツで人を識別、スーツ見ていつもニコニコ。なので好印象。そんなまどかが、スーツ着てないがために対象外だと思っていた店長、この人のスーツ姿に思わずときめいて……、となるほど、こうしたところに、『まんがタイムスペシャル』の誌風感じさせるところもありますね。この新風と思わせ、しかし誌風も反映させてというところ、地に足のついた挑戦、開拓というべき試みなのだと腑に落ちました。

『ローカル女子の遠吠え』。今回は車の話。静岡は車なしでは不便なところがあるので車離れとはなかなかいかないというんだけど、それでも昔の価値観とは相容れないというところ、りん子が強烈に見せつけてくるの、ほんといいですよ。昔はステータスとか憧れとかあったけど、今は実用重視。その背景とか語られるのは、ちょっと切ないよねえ。他には首都高の話とか。けど、これすごい展開しますよね。都内の車事情に向かうのはわかるけど、まさかここで家康にって! ほんと、あらゆるところに家康をからめてくるの、これは静岡ならでは、静岡あるあるなのか、あるいはこの作者の手腕によるところなのか。わからない。これがわからない。車使う人にとっては高速道路のSA、PAがちょっとしたレジャーになるという話も、私自身は車使わない派なのでピンとこなかったんですが、そうか、そうなのか。ここで語られたSAあるある? なんかも面白かったです。これ、観光地あるあるでもありそうですよね。

『ため息吐息と悪魔人形』。どういうことやっていくのか、それが示されましたね。そうか、この悪魔のくま人形は、人のため息を集めるんだ。タイトルにいうため息というの、このくま人形の目的、それを指していたんですね。ため息にこもる怒りや憂鬱を集める。それが悪魔のエネルギーとかになるのかな? ともあれ、この活動を通して身近な人、今回はおねいちゃん、の悩み、妹ミルカには見せていない側面に触れていく。知らなかったことを知ろうとする、その手段いろいろ、試行錯誤? に人となりや思い、気持ちが感じられて、それは面白かったなあ。この漫画、悪魔のくま人形をギミックとして、なにもなければ気づかなかったかも知れないこと、いわずにすませたかも知れないこと、そこに踏み込ませる。問われる側も問う側も、動揺し、気持ち揺らして、思い悩んだりなんかもして、という人の情、そのもろもろを描くんですね。これは面白くなりそうです。想像していた以上だと思っています。

『うちの可愛い掃除機知りませんか?』。これ、素直に面白かったな。もう、一点勝負みたいなネタなのにね。和彦が帰宅したら、アプリさんがリアルサイズになっていました! これまでは、こぢまりしたマスコットっぽい見た目していたのに、唐突にリアル頭身になっちゃって、あれまあ、すんごい美人さんだ。和彦も動揺。めっちゃ意識する。まあ、するわなあ。これ、社内で一悶着あった結果なのか。しかし、見た目変わって、服装いろいろ変化させたりもして、これ、需要あるわー。電気代かかるからともとの姿に戻されてしまいましたが、普段和彦が一緒に暮らしてるアプリ、この姿でのこの振る舞いも、またアプリの本質なんだろうなあ。見た目は変わろうと中身は変わらない。その通りなんだけれど、見た目が変わったことで強く意識されるようになった、これ、見過ごしにしてきた部分に意識が届いたんだよな。ええ、面白かった。ちょっとした意識のハックみたいな感覚ありました。

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