2018年7月21日土曜日

『まんがタイムスペシャル』2018年9月号

 『まんがタイムスペシャル』2018年9月号、発売されました。表紙は『恋愛ラボ』メインにしまして、これはプールサイドですね。リコが、水着姿で、プールからあがったところ。濡れた髪、肌は水がしたたり落ちて、スポーティにも蠱惑的にも見える、そんな様子が素敵です。『大家さんは思春期!』チエちゃんも水着。準備体操の途中なんですが、水着が臙脂で、なんかこれ珍しいですね。学校の水着って紺色って印象が強いからですね。『課長と私のおかず道』保志も水着ですが、さすがに大人だからスクール水着はないとして、けどフリルいっぱい、ここにいる誰よりも少女っぽいかも! 『うちの可愛い掃除機知りませんか?』アプリさんも水着ですよ。最初、おちょこかと思った! 掃除機からの立体映像の中で泳いでるんですね。その様子、いかにも楽しそうで、ええ、実にアプリさんらしいいい絵だと思いました。

『ちんまり経理のヒメ先輩』。いいですね、経理ネタでありますよ。若林について、売掛金の回収状況を確認しているヒメですよ。今月はキレイに締められそう、そういって喜んでたものの、おや、請求額よりも多く振り込まれてる? いや、そりゃ駄目だよ! そういう場合は仮受金として処理します。決算時には0にしておくのが原則。できれば月次でも0にしておきましょう。この、今月はキレイにすっきり締められそうというのが嬉しいしやり甲斐なんでしょうね、ヒメの。そうした様子がよく伝わって、だからこそ、差額は利息と思ってもらっといてという申し出を受けられないのもよくわかる。役務提供もなしにお金はいただけませんよ! うん、ちゃんとしてる。信用できるなあ! 支払い額を間違えたの、理由があったんですね。いつも経理仕事をやってくれてた人が産休で、社長の奥さんが代わりにやってるっていうの。それだけに、わりとゆるく融通きかせられるのか。この時のヒメの踏み込み、いやいや、それまずいんじゃない? と思ったら、向こうの奥さんがやんわりとやさしく断わってくれて、ええ、こういうところはしっかりなさってる! こういうの、とてもいいと思いました。今回、ちょっとしたトラブルがあって、そこからこちらの仕事のことと、向こうの状況のことと、そして最後にはヒメ自身のこと、派生してきれいに展開したことものが最後にヒメに戻ってきて畳まれる。いい流れだと思いましたよ。そしてなにより面白く読めたというの、実によい感じでありました。

『ざしきわらしと僕』。そうかあ、ここ最近の展開、最終回に向けての動きだったのですね。6年生を送るということ。時がたち、人の成長していくということを描いて、そして折々にある別れがここに象徴的に扱われていた、そのように思ったのですね。一緒に学んできた友人が、卒業し小学校を去る。その別れに裕貴は、いずれくるかも知れないざわ子との別離を思い、その気持ちを人形劇の脚本に込めたというのですね。いや、その別れというのは、ことさらにざしきわらしのざわ子のことを思ったわけではないのだろう。これからあるだろういろいろな別れ、それを思ってのことだったのだろう。けれどそれがざわ子に届いたのだろう。関係は変わっていくかも知れない。たとえそうだとしても大事にしたいというその気持ちは、友達の、家族の、そして不思議な友人、妖怪、もののけたちとのそれだとしても、等しく変わりなく通ずるものなのだ。裕貴が、そうした境地に辿り着いたからなのか。それが成長するってことなのか。突然のざわ子との別れの描かれたことに、たまらない胸苦しさ覚えたのでした。次回、最終回です。

『吸血鬼さんは無職です。』。なんか、これいいですね。お隣のお姉さんは無職にして吸血鬼。そう思ってる少年、紺野橙也がですね、退治するだなんだって意気込んではいるものの、お姉さんにいいように扱われちゃうっていうのが本当におかしくって、ちょっとほのぼの。なんか、この感触よろしいですよ。この漫画の面白いの、少年とお姉さんとの交流、時にからかわれたり、ちょっと一人前みたいに扱われて面映ゆかったり、その時々の反応が可愛いなあ、おい! っていうところももちろんそうなんだけれど、ここにお姉さんの素性がわからないっていうのが加わって、いい一味ですよね、さらによくなってるって思うんですよ。そもそもお姉さんが吸血鬼っていうの、そういってからかってるだけじゃないかも知れないじゃないですか。いや、きっとそうだと思ってるんだけど、その予想を裏切って本当に吸血鬼でした! みたいな展開もあるかも知れないからな。なにがどうなるか、最後までわからん。ともあれ、最初から最後まで、全部お姉さんが少年をたぶらかしてるのだとしても、違うんだとしても、このふたりの関係、どうなってくんだろうみたいな楽しみを、今まさにそこに生起する関係性のおかしみの中に、向こうに見てしまうんですね。この漫画、気にいっています。ぜひ連載にこぎつけて欲しい。

『ワタシを欲しがる河野さん』、ゲストです。これはまた、ふんにゃり可愛いお嬢さんが登場してきました。書店のバイトの新人さん、吉山内。ちんまりしていて、眼鏡で、髪なんかふわふわで、目がこぼれそうなくらい大きい。この子の指導役に選ばれた河野さん。すらっと背が高く、きっちり凛々しい、クールを体現するかのようなこの女性につくことになって、吉山内大興奮。そうか、河野に憧れてバイトに応募してきたのか。なのに河野からは、吉山内のトレーナーにはなれないと、慕われたら困ると拒絶されて、あらまあ、こりゃ大変と思ったら、なんだこれ、すごい切り返し決めてきたな。河野は河野で、吉山内にぞっこんだったのか! こう見えて乙女趣味。小さい、可愛い女の子を理想にしている彼女にとって、吉山内はまさに理想の体現だったっていうのか。トレーナーを断ったのも、吉山内が河野に憧れて、自分みたいになったら困るって! いやもうすごい。河野目当てでバイトをはじめた吉山内もそうなんですが、その後の吉山内に迫る河野もすごい。そうか、エプロン、改造しちゃったかー! ほんと、この思いもしない暴走っぷり。見た目クール、態度もクールに暴走する河野がいかします。でもって、吉山内、確かに実際可愛いんですよ。

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