『まんがタウン』2018年8月号、昨日の続きです。
『新婚のいろはさん』。マンション暮らしを満喫しているいろはさん。清潔、便利、快適。確かに理想的な住まいに思えます。なにか問題でもおこらないかぎり。さて、前半でマンションに未来を感じるという話、これが後半の布石になってたんですね。以前、始が住んでいたアパートを見にいってみよう。家事能力に欠ける始のひとり暮らし時代の思い出が語られるんですが、この人、そのあたりに頓着しないタイプの人だっていうの、よくよく理解させられるエピソードでした。ゴミに埋もれた部屋。カーテンがついてることで次の住人がいること確認するってことは、当時カーテンつけてなかった? いや、引き払ったのかも知れんし、そう思ったら、エアコンがある、物干し竿もある! って、いや、君、洗濯してなかったのか! でもってここから、大家さんと再開したりね、今の住人、ちらっと見たりね、そうしたら始にそっくりで、もしやのタイムスリップ!? って、ここで冒頭の未来ネタが返ってくるのか! 住まいの変化のエピソードにそうした時間というテーマ? ネタ? 一本通して、ただ昔を懐かしむだけにしないの、さすがです。
『ちこはゲーセン一番星!』。今回はワニワニ叩きのお話。モグラ叩きのバリエーションですが、なぜワニ? チーフの答、モグラ叩きに噛まれたら減点という新たなゲーム性を追加してっていうのね、なるほどー、納得してたら、ちこは淳海の答に軍配あげちゃうんだ! ここからの展開、最高でしたよ。遊んだことのないというちこに、一回経験しとけと遊ばせて、淳海もやってみなよ、誘ってみたら、バンバン叩いてたちこと違って、ちょんちょんと触れるだけ。ここにキャラクターの違いよく見えて、しかもスコアは淳海の方が上なんだ。この淳海の個性、ここで見せてたの、うまいですよね。自分のスコアが更新されたのを見てスイッチ入っちゃう淳海。負けてはいられないとチャレンジし続けて、しかもさっきはちょんちょんと触れるだけだったのが、バンバンと向きになって叩くのね。そうかあ、ゲームってやつは人間性っていうのをあらわにするものだなあ! チーフの助言からの淳海ハイスコア再更新の流れ、おおー、よかった。ふたりの仲もさらに! とか思ってたら、ハイスコアを更新してたのが河合さんっていうの明かされて、これは本当に面白かった。登場人物の個性から役割から、全部がうまく機能している。見事だと思いますよ。
『中年マンガ家ですが介護ヘルパー続けてます』。前回の続き、利用者さんの間でケンカが発生してしまったっていうの、それをなんとか仲裁してというの、事態こそはおさまったけれど、気持ちがおさまらない。というか、もう限界に近づいてるっぽいのが心配ですよ。レポートにまとめてしれっと流さてしまうことにも、暴力ふるわれても笑ってる同僚にも、そして例の無愛想なリーダーにも、不満が鬱屈して、もうやるせない気持ちが凝縮されたようになってますよね。ここからのくだり、友人との対話ね。これ、一瞬、あやうい! って思ったんですよ。例の理不尽リーダーのこと。それはどこにでもいますよって、自分のバイト先にもいますよって。それで、だから吉田さんの経験はめずらしくもないことだって一般化されて、おさめられちゃうのかなって心配したんです。けど、そうじゃなかった。4年目にキレで大喧嘩。さらにもうひとりの友人も、仕事のつらさ、嫌な同僚について、全部いう、誰に対してもバンバンいうって、そうやって状況改善させてるっていって、ということは今の職場が抱えてるいろいろに、なんらか働きかける流れになろうというのでしょうか。というところで、利用者さんに血尿!? この一件がトリガーになるのかな? ともあれ次回最終回。どういう変化が、どういう結論が出されるのか。楽しみというのとはちょっと違うかな。知って安心したい、そんな気持ちでありますよ。
- 『まんがタウン』第19巻第8号(2018年8月号)
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