2017年12月19日火曜日

『まんがタイムきららMAX』2018年2月号

『まんがタイムきららMAX』2018年2月号、発売されました。表紙は『ご注文はうさぎですか?』。ココア、千夜、シャロの三人がチャイナ衣装でウェイトレスでありますよ。これは点心? ココアの持つトレイに乗った蒸籠には、ティッピー模した蒸し饅頭? これ、可愛くって、いいなあ。可愛いのは三人娘もですね。色違いの揃いの衣装、それがとてもマッチして、メイン中央に位置するココアの屈託のない笑顔も、後ろでいたずらっぽい笑顔を見せる千夜も、口をへの字にしてるシャロも、とても魅力的なのであります。片足あげてポーズをとる千夜、シャロが左右対称になっていて、揃いの髪形、髪飾りもね印象的。このふたりが、しっかり画面を支えていますよね。

ご注文はうさぎですか?』。シャロさん、社交界デビューですよ! 学校の新年パーティーに着ていく服がない! シャロのピンチをココア、千夜コンビが救ってくれるのですが、おお、すごいな、見事にプリンセスだ。髪までストレートにととのえて、ドレスも素敵。ああ、今回は絢爛豪華な舞踏会でありますか!? と思ったら、見事仮装大会だったというの、予想を裏切るいい見せ方。しかもそこに、ココアのあやしいうさぎの着ぐるみまでいて、ココアが潜入してきてるーっ! いや、そう見せかけて、もしやこの着ぐるみの正体は!? 思いましたよ、思いましたよね。今回のエピソード、リゼの卒業していくというこの学校で、来年もシャロはうまくやっていけるんだろうか。その心配を払拭するような内容で、ええ、この子、この学校に見事に溶け込んで、受け入れられてるっていうのが描かれて、ほんと、安心させられましたよ。こうした楽しさに気づかせてくれたのはリゼだった。そのリゼとの対面ね。ああ、やっぱりーっ! でもね、ここからの展開もまたよくって、憧れのリゼ先輩、そうした思いが一定の距離を生じさせていた。でも今はもうそうした隔たりもなくなってるのですね。リゼとシャロ、ふたりすごく自然に素直に向き合えて、この関係が素敵でした。そうそう、あの吹き矢部の部長さんですよ。もしかして、あの人のお嬢さん!? どうなんだろう。これはまた新たな謎でありますよ。

『魔法少女のカレイなる余生』。ちょくちょく姿を消す管理人ですよ。これって作者の描き忘れ!? いやいや、まさかそんなことありますまい。綿密な予定にもとづいて構成されているに決まっているのですから。ということで、今回の管理人話。フルカに飲み込まれてしまってたっけ!? いや、実際、いつどのタイミングで管理人が姿を消したかとか、自分も全然把握してないものなあ。フルカって、食べたもの、消化して吸収してるんじゃないんですね。別次元に通じている。運がよければ戻ってくられるでしょう。ああ、これは戻ってくるなと思ったら、即座に戻ってきて、しかも悟りっぽいの開いてるし! しかし、幾多の次元、幾千年の時を彷徨っていたという管理人。それでも存命だっていうんだから、ただものではないですね。この漫画において主に汚れ役を担当している管理人が、こうやって真人間どころか聖人にまで達してしまうと、汚れポジションはささりにスライドするんですね。ささりに注がれる、しじまの冷たい目。追い詰められた末に悔い改めるにいたるとか、このほぼささり一人で大騒ぎしてる様がおかしくて、しかし普通ならそろそろ管理人のメッキがはがれる頃合いなんだけど……、という、その引っ張るところも実によかったです。もしかしたら、管理人のこの状態、ある程度継続するんじゃないかって思いましたから。ええ、見事早期決着しましたね。ばっちり期待どおりですよ。

『ぼっち・ざ・ろっく』、ゲストです。ダメ人間を自認する後藤ひとり。いわゆるコミュ障ってやつなのかな? 高校入っても友達できなくて、ひとり押し入れに籠ってギターばかり弾いてる。それでも、動画撮って動画サイトで公開してって、頑張ってるじゃん。しかも結構好評で、そうか、この子うまいのか。誰でしたっけ、技巧系ギタリストで、友達も作らずひとり延々ギター弾いてたって人。イングヴェイ? ともあれ、孤独と向き合い、ギターで空白を埋めるかのごとく、情熱を持って取り組むというのは、上達の秘訣だったりするのかもですね。さて、ひとり、友達作ろうとはしてるんだ。思わせぶりにバンドグッズちらつかせてみたりして、興味持った人が話しかけてくれるのを待っている……。って、駄目だ、これは駄目なパターンだ。というか、そのアピールが過剰すぎて逆に人を遠ざけてしまってる……。こんなひとりに声をかけてくれた人がいたんですね。バンドからギターがいなくなったので、急遽埋めないといけない。だからサポートギターで参加して、って、無茶な人だ! 伊地知虹夏。ひとつ先輩ですね。とりあえずこの人のバンドに参加することになるんだけど、虹夏、ひとりのネットでの活動、知ってたりね、けど実際のひとりの言動に不安感じてしまってたりね。ライブは次回に持ち越しですね。かなり弾けそうなひとり。その能力ははたして発揮されるのか。どーんと見せ付けてくれたら爽快だけど、どうなるかわかんないなあ。どっちにも転がりそうでハラハラですよね。

『箱入りツインテールと付き合うための××』、読み切りです。『ペンにまします神サマの』の佐古新佑のカムバック読み切り、だそうですが、ああきっと一筋縄ではいかんぞ。ええ、いきませんでした。祇園寺サラに告白してきた男子。放課後に校舎裏に呼び出されたわけですが、ああ、サラに付き添ってる白鐘双寿、この子もついてくるんだ。ここからですよ、なんと面接するらしい。お嬢様とのおつきあいを希望するにあたっての面接。もう、これだけでなにかおかしいんですけど、志望動機を問うて、フリートークに入って、というんですが、これ志望者の人となりよりもサラの人となりが露にされてますよ!? いろいろおかしいサラの言動。ちょっと夢見がちで、しかもいろいろチョロそうで、今回の面接の結果もね、サラ、なんと丸を出しちゃいましたよ。でも、双寿が阻むんですね。サラと双寿、ふたりが揃って丸を出さないと成立しません。このシステムについてはサラも納得してるみたいで、きっぱり態度改めて、きっちりお断りですよ。ほんと、一筋縄じゃないな。でも、これ、本題は最後のページですよね。丸を出さない双寿の思惑。お嬢様付きの使用人としてダメというのか、あるいはサラの幼なじみとしてダメというのか。それが曖昧にされているところに味わいがある。そう思えるものでして、あるいは率直に感想をいうならば、これ、男子の告白と面接をダシに、幼なじみ女子ふたりがイチャイチャする、そんな漫画なんじゃ!? ええ、大変よかったと思います。落ちに見える構図がナイスでした。

  • 『まんがタイムきららMAX』第15巻第2号(2018年2月号)

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