買いました、小さな活版印刷機。ちょうど年賀状時期だものね、というのもあるのですが、なんか面白そう! っていうのが一番の理由。こういう、なんか面白そう! っていうのに弱いんですよ。もとはtwitterで流れてきた公式からの発言で知ったのですね。その時点では公式サイトも整備されてなくて、まったくといっていいほど情報は出てなかったんですけど、とりあえず覚えておいて、予約できるようになるのをじっと待っていたのでした。これは確実に入手したい、そう思ったから、書店に注文出すのではなく、e-hon使いましたよ。書店通して注文してたら、入手できなかったかもですよ。
まずはなにを差し置いても印刷機の組み立てであります。主にプラ部品、一部軸などは金属なのですが、説明見ながら組んでネジ止めして、だいたい30分ほどでできるというとおり、ほどなくして組み上がりました。これね、結構見た目がいいんですよね。ちょっとしたインテリア小物みたいな感じにも見えて、けど、少々大きすぎるかなあ。ハンドルを動かせば、ローラーが動いて、なるほど、上部でインクを練って活字に塗りつけ、そして紙を押し付けて印刷する。よくできた機構だと思いましたよ。
こういうキットのいいところは、機械がどういう動きするのか、よくわかるところですよね。子供の頃、扇風機のプラモデルを作ったことがあるんですが、首振りの機構がどのようになってるのか、実際に組んでみればよくわかる。この印刷機のキットは、扇風機のプラモほどにバラバラの部品から組むわけではないのですが、それでもどういう具合に動作するのか、感触をともなって知ることができるという感じです。
この印刷機、大変だったのが、活字の切り出しでした。印刷機自体は30分で組み立てられる。活字は、9×9の81が2枚入ってて、ひとつながりになってるの、パチンパチンってニッパで切り出していくんですね。ゲート跡が残ってると、版を組む時に邪魔になったり、高さが揃わなくて印刷のムラの原因になりますよっていうから、そこそこ丁寧にゲート処理して、でもプラモデル作ってるわけじゃないですから、ちょっとくらい切りすぎても大丈夫。そのへんは気楽だったんですけど、なにぶん量が量です。もう、つらかった。面倒くさかった。活字の切り出しにかかる時間は1時間を超えて、ほんと、こちらの方が大変でした。
そうそう。活字を全部いっしょくたにしまってしまうと、使う時に必要な文字を探せないから、これ、どうにかしないといけない。なので、空箱探して、クッキーですね、区切りのついてるの出してきました。
これに、あかさたなって50音ごとに、あとアルファベットもA-I, J-R, S-Zを大文字、小文字でそれぞれ、あと数字と記号で区分けしたのですが、ああ、これ、やっぱり探すの大変だよ。活字の収納に関しては、まだまだ工夫の余地がありそうです。
残念ながら、まだ刷るところまで辿り着けていません。とりあえず必要になる下準備だけすませて、あとは活字も組んでいない印刷機、ガコガコ動かして、ちょっとした練習ですね。これ、紙をセットするところ、名刺大のサイズを想定しているみたいで、ハガキだとうまく固定できません。なので、粘着力弱めた両面テープを貼って紙が動かないようとめるとか、工夫する必要がありますね。いろいろ遊んで、ノウハウ蓄積していくのがよいのだろうなあ。
印刷機以外には冊子も付属していますよ。というか、冊子がメインで印刷機が付録か。ともあれ、この印刷機でどういうのが刷れるか、印刷を本業にしてる人やデザインを仕事にしてる人によるデモンストレーション? がいろいろ紹介されていたり、あと活版印刷の歴史とかね、このあたりは学研の科学という感じがしますよね。いろいろ詳しい人からしたら薄い内容だと思いますよ。けれど、これを機にちょっと触れてみたい、そういう知の導入にはちょうどいいのだと思います。まずは軽く楽しんで、ちょっと知って、そしてさらに知りたいなら自ら切り開いていけばいいのかな? でも、本物の活版印刷機導入するのは無理だよなあ! うん、なかなかここから発展させていくの、フォントとかタイポグラフィに向かうならまだしも、活版に向かうとかは無理っぽい気がします。
- 大人の科学マガジン編集部『大人の科学マガジン 小さな活版印刷機』(学研ムック 大人の科学マガジンシリーズ) 東京:学研プラス,2017年。
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