2017年12月23日土曜日

『まんがタイムきららフォワード』2018年2月号

 『まんがタイムきららフォワード』2018年2月号、発売されました。表紙は『がっこうぐらし!』。連載再開とのキャプションに続き、実写映画化の文字が! ええ、らしいですね、聞いてましたよ。そうかあ、どういう切り口で見せてくれるのでしょうね。さて表紙はというますと、ああ、ゆきとともにいるその人はめぐねえではないですか。かつて過ごした教室の、ともにあった人たちの、切なくも懐かしい、そんな情景の描かれて、ええ、その顛末をもう知っている我々にとって、これはなんともいえない感慨覚える、そんなイラストであると思います。

『球詠』。この勝負、本当に面白くなってきましたね。自分の投球を真似られてしまったせいで、落着きを失ってしまった影森ピッチャーの中山。けれど、それがチームの崩れにではなく、勝ちたいという気持ちに向かっていくのがすごく面白い。ホームランを打たれてさえも動じなかった中山が、打者を打ち取ったことに手応えを感じガッツポーズ出すまでに揺らぐ。そして、この揺らぎこそが面白いのだと、ただすみやかに試合を終わらせるだけでなく、当然勝ちをとっていきたいという、いわば闘志を剥き出しにしようとしている影森に、勝負ごとの面白み、感じないではおられませんでした。息吹によるコピー投法。一番詳しいのは自分だからとコーチャーに出る中山。この子が、息吹のピッチャーとしての資質を評価していくくだり。さらには捕手珠姫の真価に辿り着くところなど、勝とうとする気持ちの強さ感じさせるとともに、この分析を通じて主人公側、新越谷のキャラクターが浮き彫りにされるという構図。これも大変よいと思いました。伝わる、それがさらに面白さを明確にするのですね。

ゆるキャン△』。ずっとね不思議だったんですよ。雪国で温泉につかるニホンザルとかいるでしょう? あれ、湯上りはどうしてるんだろうって。毛皮があるから水をはじいて大丈夫とか、絶対にありえないくらい水びたしじゃないですか。しかも水でなくお湯。濡れたまま極寒に身をさらしたら、水を浴びたよりもずっと気化冷却で体温奪われるはず……。ええ、やっぱり寒いんやね! 冒頭から温泉楽しむ三人だけど、寒くて出られない。思いきってあがったら、めちゃくちゃ寒いっていうね。ほんと、人ならすぐ室内に入るなり、服着るなりできるけど、サルはどうしているのだろう……。あき、あおい、恵那、この三人の冬キャンルーキーぶりが実にいいですね。今夜はきりたんぽ鍋、やたらテキパキと買い物してると思ったら、おお、なでしこのアドバイスなのか。なでしこ、偉大だ。山中湖についてからも、あれ面白そう、こんなのもあるんだ、って思ったものがほぼ利用できなかったりね、そしてこういうことやってみたい! そういって盛り上がったものが、危ないからダメだって! ほんと、連発される不服顔、すごいいい味出してましたよ。

『はるかなレシーブ』。うわあ、ここでまだ引っ張るのかあ。これでもう最後の最後、第3セットはもつれにもつれて、一進一退、じりじりと互いに1点を積み上げながらの息づまる攻防にもう釘付けでした。遥、かなたのふたり、エミリ、クレアを相手にここま食い下がれるほど強くなっていたんだ。しかし、前回少し匂わされたはるかなの秘策。いつ出るのか。それがどう勝負に関わってこようというのか。やきもきしながら待って、そしてその時というのはいよいよ勝負もつこうとする15対15、終盤も終盤で、ああ、風を味方につけてのラリー。これまでの、ブロックが決めにくかった、その条件を自分有利になるよう引きつけてのラリー。遥の胸に去来する思いとともに打たれる渾身の一球。ああ、この見せ場に向けて駆け上がろうとする高揚と、一瞬時が止まる、その緊迫のせめぎあう見開きの力。大きく、そして鋭かった。それだけに、勝負の行方の見えないという、このすごいサスペンド感! もう、たまらんですね。どうしたらいいのか。もう、たまらんですね。外、走ってきたらいいのか。

『ゆうなぎまりん』、ゲストです。出会ってしまった艦船趣味の女の子たち。自分の趣味を誰にもいえずにいた相模まりんは、テレビで艦船趣味について堂々と語る丹後夕に魅せられて、ネットを通じて知り合い、ついには横浜から舞鶴まで足を運んだというのですね。少し内気なまりんに、好きなこととなると歯止めがきかなくなる夕。そんな夕の暴走を収めるのは、双子の妹の凪。なるほど、三人そろってゆう、なぎ、まりん。凪がいいなあ! 艦船趣味の姉に都会に対する憧れを隠さない妹。まりんが横浜からきたというものだから、都会だ、おしゃれだ、すごいって食い下がる、その様子、目もらんらんと輝かせて、すなわち似た者姉妹なのですね。この、好きなもの、憧れるものに対する気持ちを隠すことのないふたりと、これまで自分の内に抱えて、誰にも知らせずにきたまりん。この出会いは、まりんの心の枷を解く、そんな大切なものであったというのですね。出会ってしまった、知ってしまった。もうもとには戻れない、そんなまりんの気持ちの変化とその行方。心にささやかに跡を残した、そんな感触であります。

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