『まんがタイムきらら』2017年6月号、昨日の続きです。
『山女神ノ郷』、面白いですね。人の姿を得て間がない燕岳の女神、燕。リボンがうまく結べない。ボタンもうまくとめられない。できないこといっぱいで、妹で先輩の蝶がですね、いわゆる先輩風を吹かせるんですけど、昔の様子を常念に曝露されちゃったりね、ええ、そうか、蝶はできなくって半ベソかいちゃったかあ。さて燕はというと、やっぱりあれもこれもできてないんだけど、おお、持ち前のポジティブさがまぶしいですね。はやく慣れたいからと「つまずき」どんとこいです! って、おおう、私も見習わないといけませんね、これ。燕の宿のお手伝い。風呂掃除するにいたって、ブラシでつまずき、ホースでつまずき、けれど確実に会得していってというくだり。そうか、失敗を怖れないその姿勢が会得のコツでありますか! いや、単に燕が優秀なんじゃないの!? そんな燕が半ベソをかくとしたらどんな時か。それが描かれ、またいろいろあって蝶ともずっと仲良くなれてというのがですね、いや蝶が素直になったといった方がいいのかな!? よかったと思うのですよ。
『おとめサキュバス』はキュリアの様子が変。早起きしてみたり、考えごとしていたとはいえ、そばを通る男に気づかなかったり。いったいなにがどうしたのだろう。その変化にルナが考え込んじゃって、涼香がなにか知ってる? みちるも関わってる? どんどん疑心暗鬼になっていくんですね。これ、なにかサプライズだな。ルナの誕生日かなんかなんかだな。今回のエピソード、なにがよかったかって、これ、やっぱりサプライズのお祝いで、それを知らされたルナ、安心して喜びもするのだけど、それでも寂しかったって気持ちを感じたこと、誤魔化さないんですね。キュリアの負担にはなるまいとぐっと心の奥にしまいこむのだけど、自分の感じたことを大切にして、次はサプライズはいらないから一緒にやろう。ええ、嬉しさと寂しさと愛おしさと、そうした気持ちの大切に描かれたいい話だったと思います。それとルナの、みちるがいなければ涼香はもうちょい喋る気がする、このセリフにこの子のひとつの側面見えて、ええ、もっと好きになりました。けど、しゅんとしてるルナはあんまり見たくないな!
『オリーブ! — Believe, “Olive”?』、クリスマス会やりますよ。あみだくじで役割配分して、買い出し係、飾り付け係、それぞれの過程に生じるおかしさコミカルに描いて、けれどメインにはコニーの留学を持ってくるんですね。そうか、アメリカの学校にいこうと思ってるのか。だから近くで一緒でいられるのはあと一年。ショック受けたかな、そう思われたスズだけど、あれ、意外といったらいいのかな、結構元気と見えて、でもひとりになって泣くんですね。そしてそんなスズのこと、コニーも追ってくるんですね。夜、ふたり、語り合う言葉のはしばしに相手のことを好きだという気持ちと、そしてだからこそ相手の選択を大切にしたいという思いがあふれてくる。そして寄り添うふたりの姿は美しく、と思ったら、最後にえらいことに! ええ、ちょっとしたハプニングですね。でも、これもありですね。
My Private D☆V、『魔王城のお姫様』の上下であります。D☆Vポイントはなにかといいますと「制服のままプールに入る」。ぬれた制服って良いですね。そんな言葉からはじまるD☆Vポイントの説明。海でも雨宿りでもよいのだけれど、プールならそこになにかいけないことをしている感がプラスされるという、シチュエーションが生み出す魅力。ええ、偶然の遭遇やなにかではありえない、本来ならそんなことにはならない場でそうした状況ができあがるにはなにかが必要になる。その必要であるなにかを考えることが、イラストレーションに描かれたものにさらなる奥行を与えるように思ったんですね。ということで今回のD☆Vイラストですよ。セーラー服姿の女の子が、ずぶぬれになってプールから出ようとするかのような状況。濡れた髪、セーラー服は身体にはりついて、スカートのすそはプールの水面に浮いて広がってと、見た目に訴えるものたくさんあって、そしてそこにこの子の表情。どこか曖昧で、笑うでなく、けれどこの状況を面白がっているようにも見える、明解でないことが多様な解釈を許すとでもいったらよいでしょうか、ええ、謎めいて魅力的であるのですね。
- 『まんがタイムきらら』第15巻第6号(2017年6月号)
0 件のコメント:
コメントを投稿