『まんがタイムきららMAX』2017年7月号、発売されました。表紙は『きんいろモザイク』。春です。綾を中心に穂乃花、カレンと華やかな三人娘がハイキー基調の表紙に映えて実に美しく素敵です。ほぼ白一色の背景。三人の揃いのドレスも、淡く落ち着いたピンクに白いエプロンが目立つ、これまた明るめのもの。そうしたハイキー寄りの表紙の各所にあしらわれた苺の赤が、三人の髪の黒、茶、金髪がアクセントを添えて、とても印象的なイラストに仕上がっています。ちょっと引っ込み気味の綾と、綾の手をとるカレン。そして動きのあるポーズの穂乃花。それぞれのキャラクターがよく出ていて、そしてその違いが魅力的な対比を描いてとてもよい表紙だと思います。皆の髪、そしてふわりと広がるスカートが、画面の中央に大きな円形を構成しています。安定感ある構図、視線も穂乃花の手にした皿の上、宝石みたいに美しい苺のタルトの印象の強さにぴたりと安定させられて、そうかと思えば、いったん落ち着いたその後に、三人の表情、髪の動きなびく様子、スカートの広がるその躍動がぐるりと視線を周囲すみずみまで誘導して飽きさせません。三人の足も動きに表情をつけて愛らしい。スタティックと見せてダイナミズムを隠した、完成度高いイラストだと思います。
『すくりぞ!』、ツバキヤマのヤバさが可視化されていますよ。寝子と待ち合わせ。そういいながら、たまたま出会ったにゅうと一緒にあちこちいっちゃいます。最初はにゅうも警戒してたけれど、ゲームショップではゲームに興味持ってくれて、アニメショップでも話題があって、そしてホテルの喫茶店ではピンチを救ってくれた。おお、にゅう、ツバキヤマへの心理的距離、縮まってるっぽいですよ。喫茶店のケーキ、その写真を部のグループに流してからがすごかったですね。リンがめっちゃヤバい。ルルもすごいテンション。これ、ここでの転換見せるために、知識だけ増えるルルが挿入されてたんですね。寝子の家に集まって、お土産のケーキでお茶をする。そこでのリンのすねちゃってるところとかね、それ見てまねるのはいいけどいじきたないってルルに見透かされてる寝子とかね、面白かったです。そして可視化されたツバキヤマのヤバさ。待ち合わせじゃなく待ち伏せ。誘えヨ!! 誘ってよ!! にゅうと寝子のダブルツッコミも冴えていましたよ。
『はんどすたんど!』。いちごの見せ場がきましたよ。段違い平行棒。いちごはこれに賭けてたんだなあ。できることを確実にクリアしていく。そのいちごの一生懸命さがその表情からも見てとれて、身体の各所に力みマークが入ってるのは笑いどころなのかも知れないけれど、笑えないですよね。こんなに頑張ってるのに、笑うなんて無理ですよ。演技を終えてゆるんだ表情、あれも見事でした。ええ、皆に見どころ、皆にドラマがあって素晴しいです。そしてゆかちー。奇行の目立つゆかちー。緊張に弱いこの子が、皆より難易度高めの演技をしっかりきっちりこなしていって、ああ、あの表情、凛々しくてとてもいい。床の演技もエレガントで、この子、美しいなあ。演技すべて終えて電池が切れたとかもね、これ、よくあることだったりするのかも知れませんね。長丁場だもんね。ゆかちー、結果もちゃんとついてきて、おお、制覇だ! 第1位! これがこの子の自信になればいいなあ。本当にそう思いましたよ。
『私を球場に連れてって!』。面白いです。タマにボールが飛んでくる。だからグローブを貸してあげよう。でもそれで受けるんじゃなくて、頭に被ってヘルメットがわりにするんだ。ゲットしたボールを快く譲ってあげるタマ、いい人だ! そのボール貰った子、丸地猫子、8歳、レオナ、春子とも知り合いなんだ。赤ん坊の頃からずっと成長を見てきたというレオナ。ふたりの様子、近しさ感じさせていいですね、そういおうと思ったら、成長と共にキャッツは弱くなっていった……。おおう、縁起悪いよ……。春子、ファルコンズファンであること隠してたんですね。でも、気の利かないレオナのためにバレてしまった! そこからの展開、面白かったですよ。可愛いいい子の猫子さん。そう思ってたら、本性出たのか、やたらシビアな面をあらわにしてきて、そしてかつて福岡で共に生きた頃を思い出す……。いや、それ35年くらい前じゃないの!? ファンクラブの話とかよかったですね。そうでした。私も昔、球団のこども会とか入ってましたっけ。猫子とタマ、仲良くなったみたいでよかったですね。あのヘアピンも可愛い。そう思ったら手紙にちゃっかり裏切り禁止の駄目押しがあって、ほんと、野球のこととなったら容赦ない彼女らがとてもよいですよ。
『しろいぬシンドローム』、ゲストです。なかなかの驚きの展開。いや、こうなるっていうの、扉時点でしっかり予告されてましたよね。でも、なんでかその可能性に目を閉ざしていた模様です。子供の頃からずっと一緒に暮らしてきた犬。大好きなのに、一緒にいるだけですごくしあわせなのに、でももうずいぶん年をとってしまって、ああ、死んじゃうの!? そんなのつらいなあ。起こしてくれたことお礼いう時も、身体しんどいのに起こしてくれてありがとうね。もう老犬なのだなあ。なんだよう、切ないなあ、これ。そう思っていたら、人の姿をとって戻ってきた! ヒロインのクロノがね、構内放送で呼び出し受けた時、もしやって思ったの。学年首位だから、優等生だから、友人のりんに幸子がそういった話をしてて、始業式のスピーチの打ち合わせとかね、その呼び出しだって勘違いさせて、実はあのワンコが……、なんて展開あったら耐えられないかも知れん! そんな展開はありませんでした。むしろもっと驚きの、ワンコ、しろまるが人の姿をとって、転校生としてやってきた。望月白。まだいろいろ慣れない? 同居してるおばさんの発明? 薬で人の姿になったというのですが、感情が高ぶると犬の要素が出てしまう。おお、なるほど、それでそんなことに! 人の姿をとって、13歳相当の若さを取り戻して、気持ちも浮き立ったのかも知れませんね。
『サジちゃんの病み日記』、サジちゃんというのはこのいかにもヤバそうなこの子か。月宮沙慈。同じ学校の子、ひかりに異常な執着を示していて、カッターナイフで切った小指から流れる血で写真にハートマーク描いてみたりと、わりと本気で引いてしまうタイプの、いわゆるストーカーってやつ。ひかりは薄々誰かに見られていること気づいているのだけど、それがサジとはわかっていない。ひかりの友人、橋口メロは目敏くサジの存在に気がついて、というか、これで気づかない方がおかしくない!? ともあれ、ひかりを監視するサジを監視する。ちょっと邪魔してみるなんてやって、いやあ、これ大丈夫なのか。サジのヤバさを感じとりつつも、面白そうだから様子見しようというメロもちょっとまともじゃない。明らかにまともじゃない状況に身を置きつつも危機感の薄いひかりもわりと普通じゃない。まあ、漫画だからね。そうは思うのだけど、すまぬ、ちょっと引いた! 過激過剰に寄せていくこの漫画。ぬるくて埋没するよりも、これくらい尖ってる方がいいのかな。ともあれ頑張って次もついていきますよ!
- 『まんがタイムきららMAX』第14巻第7号(2017年7月号)
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