『まんがタイムきららキャラット』2017年7月号、発売されています。表紙は『ブレンド・S』。ひとつ傘の下、苺香と美雨がデザイン違い、けれど揃いのドレス着ましてね、ちょっとアイドルっぽい? 傘の柄、ふたりで一緒に持って、寄り添うみたいにしている。苺香もとてもいい笑顔見せてまして、背景にはあじさい、前景には落ち着きあるお姉さんとちょっと活発と感じさせる妹といったふたりの美少女。その雰囲気も髪の色の違いも対照的で、素敵な表紙でありますね。
『なまりこ』、ゲストです。主人公のリコはなまりが気になる女の子。青森から東京? 都会に出てきたんですね。津軽弁がついつい出てしまって恥ずかしい。コンプレックス。でも友達ユイには可愛いのにっていってもらえてて、いや実際可愛いと思いますよ。朝の挨拶はおはよごす。じゃいご者っていうのは田舎者? 都会生まれ都会育ちのユイからしたら、なまりも田舎もちょっとした憧れだっていうんだけど、まあ、これはないものねだりみたいな話ですよね。カルチャーショックも面白い。ユイは通学というと電車使うのが当たり前だったのだけど、リコはというと自転車で山越え。でもって電車というと1時間1本という前提で動いてて、ああ、乗り損ねたら大変だ! 友達もうひとり、マホがいいですね。常識人寄りで落ち着いてるのがユイとしたら、マホは自由さが売りですね。新しいタルトのお店ができたよというので皆でいくのだけど、リコ、ちょっと腰がひけちゃって、一気サ入ると心臓がビックリするから。ええ、水泳じゃないんだからっていうユイのつっこみがいいですね。おいしいはまんずめ。自然体でいこうよ。ええ、ちょこちょこ会話のはしばしに出る津軽弁、可愛くていいですよ。
『ゆず35歳@中学生やってます』。これ、面白いですね。ゲストです。中学生のゆずは、見た目幼ない、いわゆる美少女。けれど秘密があって、本当は35歳……。バイトで食い繋いでいたところが、突然の廃業。無職になった35歳独身の自堕落オタクの放蕩生活がたたってホームレス一歩手前というところまで追い込まれた! けどその見た目で助かったっていうんですね。美少女大好きな理事長に拾われたのか! あ、こうやって文字にしちゃうとヤバい設定っぽいけど、理事長、女の人だから! いや、それはそれであかんか。ゆず35歳。けれど寮に入れば生活は安定する。その魅力には勝てず、ゆず、理事長ふたりの秘密がここに誕生してしまったっていうんですね。いや、これ文字にしちゃうとそんなに面白くないけど、漫画で読むといいんですよ。ゆずのキャラクターがいいですよ。己のブリっ子ぶりの気持ち悪さに吐いちゃったって、そのインパクト。同じクラスのなずなちゃんは女の子が好きみたいで、ことあるごとにゆずに密着はかろうとするし、そのたびにオロロロロって吐いちゃうの!? ほんと、ゆずちゃん結構最低で、そこが気に入りました。そうそう、なずなのこと好きな女の子がいるんだけど、よもぎ、でもなずなはゆずに夢中だから、というのでよもぎがヤバい。ゆずのことめっちゃ敵視してそう! ほんと、ゆず、結構ピンチかもですよ。
『ちぃねぇちゃんはインドア妹と遊びたい』、ゲストです。もうタイトルのとおりですよ。放っておくと部屋にこもってゲームばっかりしてる妹、みぃを誘って外に遊びにいきたいお姉ちゃんの漫画。お姉ちゃんは高校生なんだけど、中学生の妹よりも小柄で、でもいろいろお姉ちゃんぶりたくて背伸びしてる感じ。いや、背伸びもなんももともとお姉ちゃんなんだけど。姉のちぃはゲームにうとくて、みぃは外出が苦手でと、それぞれ得意分野が違ってる。さて、オタクのみぃ、外にいくといっても着ていく服がないっていうのはよくある話。けどそこで姉の服を借りたりしたら、なんと逆に幼なくなってしまうのか! コンビニでのやりとりが好きでしたよ。プリペイドカードね、ネットで支払いに使うやつ。妹ちゃん、それが欲しくって、けどあっさりお姉ちゃんに却下されてるの。学校帰りにちょくちょく寄るんだって。そうかあ、キャンペーンで安くなってる時とかに買ってるんだ、そう思ったら違った。眺めるだけなんだっていう、その金銭感覚が中学生らしくていいですよね。ええ、漫画なんだから、ばんばん買っちゃったりしてるとかありそうなところがそうならない。ええ、その控えめかつ常識的ってところがほのぼのさよく出して、よかったんですね。土手での会話もよかった。そして結果的に出歩いたの、みぃが楽しんでたみたいなのもよかった。仲良し姉妹、とてもよかったです。
『シスタースクランブル』、ゲストです。両親をなくしてしまった春日井なでしこ。若くしてひとりになってしまったこの子のもとにやってきた女の子ふたり。ハルにみう、ふたりともになでしこのことを姉というのだけど、このふたりは面識ないんだ。ふたりともに手紙を持っていて、なでしこの父からの手紙。隠していたことがある。お前には妹がひとりいるというその内容。え? ひとり? ふたりじゃなくてひとり? ここにハルとみうというふたりの自称妹がいて、父の手紙にはひとり。どちらかがニセモノ? あるいは両方ニセモノ? 身寄りのないというふたりを放り出すわけにもいかず、かくしてはじまる姉妹3人での新生活。これ、ただ自称妹がきましたっていうだけでなく、そこに嘘があるかも知れない、ニセモノかも知れないという謎を潜ませるところ、よかったです。この一点があるだけで全然違ってきますよ。
- 『まんがタイムきららキャラット』第13巻第7号(2017年7月号)
2 件のコメント:
「なまりこ」にでてきた「じゃいごもん」
漢字で書けば「在郷者(ざいごうもの)」の訛りでしょうね。
在郷=田舎であり、東北人は「ざいご」「じゃいご」と発音します。
なるほど、在郷者の鈍りですか。音だけで聞くとどういう意味かピンときませんでしたが、在郷者という言葉に結び付くと、そのニュアンスがわかるように思います。
しかし方言にはこうした普段触れることのない言葉があって、それが言葉の広がりであったり豊かさであったりを支えているものだと思います。よいものです。
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