『まんがタイムきららフォワード』2017年4月号、一昨日の続きです。
『夢喰いメリー』、ああ、あの時、あの日のことがついに当事者の口から語られましたよ。勇魚がジャングルジムから落ちた時のこと。夢路に助けられた、それが勇魚の記憶。しかし、その記憶は夢路にはなく、その時のケガが残るのみ。夢魔が夢路の中にいたのだろう。そこまではおぼろげながら推察されて、おそらくそれが白儀だろう。そう思っていたのに、思っていたのに、違ったんか! うおお、やられましたね。なぜメリーが現界にくることとなったのか。それが語られた。現界では身体を持たらいメリーに夢路が身体を貸した。すなわち、あの時、あの場にいたのは、他でもないメリーであり、ということは白儀ってなんなの!? この構想、当初からあったのだろうなあ。おそらくはヒントなどあったのだろう。けれど白儀の存在でもって、目を反らされてきたのだろう。いや、まさか白儀ってメリーとなにかの関連が!? 核心に触れてなお謎がある。これは想像もなにも追い付きません。
『鬼が出るか蛇が出るか』、しろがなんの妖怪であるか知った優。自分の秘密を告げて以来、姿を隠していたしろと再会して、それからの会話。ああ、しろは優の味方でいてくれる。ずっと不安を抱えていたしろの、その不安、優の行動によって拭われて、本当によかった。そしてそれからのしろの告げるいろいろ。優の選択を支持するものは村にもたくさんいる。そして人間ながら実力ある妖怪とも渡り合ったという退魔師のこと。妖怪の側につく条件として人身御供を差し出させたのか。この男の話を聞いて腹をたてる優、いいやつよね。この村の人たち、とりわけ縁のあった女の子たちを自分の大切な人と思ってることがわかる。で、その退魔師ですよ、あー、まさかの展開! これは予想してなかった。確かにただの人間じゃない、そんな描写がなされとったわ! でもあれ、ギャグタッチならではの描写だと思うじゃん! いやもう、すっかりやられました。ほんと、見事にやられましたよ。これ、このおっさん、味方にするの? なってくれるんかな。
『ヨツコト』、お金を稼ぐために仕事を探しますよ。まだお金はあるけど、あるうちに「ある状態」が維持できるように稼ぐものなんですよ。あー、確かにそのとおりだわ。うん、納得。かくあらねばらなんなあ。ギルドでの仕事探し。仕事探しというイベントとこの世界のいろいろ紹介するの両立して、これいい感じですね。でもってコトワリ、この人、すごい人やったんか! ギルドの責任者のおっさんの緊張感、ぐんぐん高まっていって、すかっと空振りするその切り返し、めちゃくちゃ面白かったです。でもって、コトワリ、ヨツキの言葉に調子に乗って頑張っちゃうのね、ほんとおかしかったです。マスタークラスですから。この人のこの素気なさ、マスタークラスというのも、なんか面白いからいってるみたいなところあって、鼻にかけたりしてるようじゃないのね、おかしかったですよ。マスタークラスですから。いいキャラクターですわ。
『45分間の魔法使い』、なんでもないような田舎の日常描かれて、こういうテンポ、温度、いいですね。子供時分のあやめのこととかも、ああ、すっかりしっかり者に育ちましたね。あのお父さんの語るもろもろ、その態度。妻に娘に怒られるのもまた楽しんでいる、そんな余裕感じさせてよいですね。今回は魔法は出ないのかな? そう思っていたら、柚木の困りごと、お婆ちゃんの家の井戸水が枯れかけている? それを解決するというんですね。なるほど、あやめが頑張ります。けど根本解決はできなくて、もうどうしようもできないのか、と思ったところにやってきた芹沢さんのお姉さん、この人の魔力電池がピンチを救うんですね。けど、これ、水道屋さんの仕事、奪っちゃった! と一瞬思ったのだけど、これ、あるいは電灯がランプを置き換えたように、社会の仕組みが変わりつつある、そうした局面に彼女らはいるのかも知れません。そう考えれば、彼女らを取り巻く状況は、かなりスリリングなものであるのかも、なんて思わされて、あらためてわくわくさせられましたよ。
- 『まんがタイムきららフォワード』第11巻第4号(2017年4月号)
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