2017年2月24日金曜日

『まんがタイムきららフォワード』2017年4月号

 『まんがタイムきららフォワード』2017年4月号、発売されました。表紙は『あんハピ♪』、おお、ちょっと珍しいかも知れない組み合わせ。ヒバリとレン、ふたりでお内裏様でありますよ。姿こそは普段どおりの制服ですけど、レンは頭に冠、手には笏。ヒバリは頭に釵子、そして扇を持っているんですね。ちょっと驚きかげんのヒバリを膝にのせて余裕といった感じのレン。ふたりの絡み合い、とても魅力的で、それだけにここには描かれない響の動揺、狼狽、ただならぬものありそうですよね。他に『はるかなレシーブ』、『ゆるキャン△』のカットもございます。

『あんハピ♪』、それぞれふたり組を作っての運動会の特別競争。競技の様子、魅力的に描いて、大変面白い。なるほど、体育クラスを相手に勝負を成立させるの、このトリッキーな競技のルールゆえというわけですか。はなことレン、ナイス連携で課題をクリア。体育クラスは真っ正直に取り組んでしまうせいで、こうやって出し抜かれてしまいがちになるってわけなんですね。ぼたん、椿組もいい感じ。気後れしている椿に寄り添うぼたん。自分のこと駄目だ駄目だって思いがちな椿に、ぼたんの自己評価の低さ、そして前向きさがうまく噛み合って、ああ、いいコンビだなあ、そう思わされましたよ。最後にヒバリ、響組。ああ、ふたりビンゴにリーチをかけている。そのふたりの先生探し、その途中でのやりとりにね、ああ、レンのことばかりだった響、この子の変化が見てとれて、よいなあ。ほんと、ふたりで勝ち取った最後の特別点。この達成感、いいように作用したら嬉しい。そう思えるふたりの様子でしたよ。

『なでしこドレミソラ』、ほんと、合奏の様子描かれれば、その魅力にぐっと引き込まれるものありますよ。自分の技術の足りなさに焦りや不安を覚えてしまう美弥。でも、練習熱心なのはよいことよね。朝、ひとり黙々と練習しているそこにやってきた陽夜と一緒に口で歌って合わせる。ああ、これいいよねえ。邦楽では口唱歌というのがあるんですが、それとは違う自分なりの歌い方で自由に合わせる。その楽しそうな様。ゆったりとリラックスしている、そんな様子もとてもいい。そして楽器を使った合奏も、ああ陽夜、課題を越えてきましたね。ほんとすごくいい。今回、後半のライブシーンも数ページかけて演奏、合奏の様子描いて、ああ、美弥の三味線に瑕疵のあることも絵に描きながら、それでもとても美しい。本当、素敵な描写であると思います。

ゆるキャン△』、いよいよすき焼きですよ。なるほど、なんですき焼きなのかと思ったら、お婆ちゃんのおすすめでありましたか。どんどん寒さ増す中、秘密結社ブランケットが組織されたり、先生の酒がウィスキーからウォッカにランクアップしてたりと、ほんと皆のこの自由さ、楽しそうな様子、すごく魅力的。すき焼き食べるところもね、ほんとすごくおいしそうで、ああもう、すき焼き食べたいなあ! でもって、先生がいろいろあかん……。どんだけ飲む気なんだ、この人。その後のサンタクレンジャーもめっちゃノリノリで、これ、先生も着てるんだ。されるがままだな。ノーマルすき焼きがあり、トマトすき焼きへの変化球ありで、これ、食の楽しみをこれでもかと見せつけてくれる。さらにここからチーズパスタがくる!? と思ったところでガス欠。ちょっとしたキャンプ知識が紹介されて、そしてリンの買い出し。ああ、このリンがひとり、バイクでコンビニに向かう、その場面。彼女の脳裏によぎる今日のキャンプのいろいろと、耳に聞こえる声なき声。ああ、もう、これは泣けるな。泣けるシーンじゃない気もするんだけど、これは泣けるよ。これ、リンの転換点だよ。すごいよね。ここにこう、ポンと入れ込んでくるんだ。すごいよ。

『江波くんは生きるのがつらい』、これ、なんともいえない味わいだよ。ああ、ええと、読み切り。続かないのか。江波くん、大学生。いわゆるぼっち。友達がいない。男子学生の友達もおらんの? さて、この江波くん、いろいろ面倒くさい性格っぽくて、ちょっと妄想系。小説家志望で、いろいろ自分のこともったいぶってる? そんな風に見せてるんだけど、いや、これ、自分のあかんたれなところを覆い隠そうとしとるんだよなあ。次々、モノローグにて語られる生きづらい理由ですが、わりとストレートで、いやね、女子が多すぎるとか、想像いやさ妄想がすぎるとか、でもって疲れるとか、ねえ、ほんと、困ったボーイです。さて、そんなボーイに声をかけてくれる女の子、キヨスミさん、この人、もしかして江波くんのことが気になってるの!? と思わせておいてそうじゃない。一度予測を裏切って、しかし実は! ともう一度裏切ってみせるのはうまかったと思います。というか、やばい人じゃんか! 江波くんはあかんたれなだけで、それほどやばくはないよ? でもキヨスミさん、この人はやばい。ああ、江波くん、逃げろ。ほんと、心の底から逃げろ、そう思える相手。いやもう、この漫画はホラーだったんですか?

『CV. 響声音』、読み切りです。主人公は天才声優と噂される響声音。教科書を読ませれば、クラス全員、さらには教員まで虜にしてしまう、そんな中学生であります。皆に好かれ、皆から憧れられている。そんな子の、実はしたたかな手練手管といった様子なのでありましょうか。自分のことを敵視している、そんな子に、あれこれと自分の実績、ポジション、さらには声の力でもってアプローチして、徐々に自分のファンとなるよう仕向けていくといった次第。最初はそうとはわからない。どんな子を相手にしても、ただただ真摯に対応する、そんな真っ直ぐな子みたいな描かれて方してたのが、最後にがらりと印象違えさせるというのですから、いやもう、これはスリラーだったのか!? ほんと、引き込んで、落として、そして振る。おお、おそろしい。響さんはおそろしい人です。

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