『まんがタイムオリジナル』2017年4月号、発売されました。表紙は『ラディカル・ホスピタル』山下さんがメイン。引っ越しの風景ですね。新年度、新生活がはじまるという人も多いでしょう。となると当然、新たな場所で頑張ろうって人もあるわけで、そうした様子感じさせる表紙でした。山下さんは引っ越しの当事者かな。軍手、エプロン、額の汗を軽く手でぬぐう。その姿、さっぱりとした魅力ありますよね。『らいか・デイズ』らいかはダンボール箱をガムテで封してるところ。『予行恋習カノジョ』のふたりはダンボール箱を運んでるところです。そして『小森さんは断れない!』小森さんは、おお、さすがだ、引っ越しの業者でしょうか。制服決まして、左右にダンボール箱抱えて、さすがの小森さんです。
『コスプレ先生の絵画教室』、まなの友達が遊びにきます。というので、シェアハウスの主、ななみさんに確認をとるというのだけど、どちらかといえば許可ではなく、見られて困るものを隠したい、そっちですよね。まなにとって都合の悪い部分を隠すと、ななみさん、すごく素敵な人になるんですね。玄関にはきれいなお花、の絵。ものを片付けて、がらんとしたところに絵を飾っていった。うん、よそゆきの部屋って感じしますね。いつものゴチャってした感じ。美術のアトリエって、こういう印象ありますよ。しかしこの友人来訪。まなはなんとか知られたくない部分、隠しおおせたつもりでいたんだけど最後に引っくり返っちゃうっていうのね、ああ、無常、でしたよ。でも、理解あるお友達でよかった。
『カントリー少女は都会をめざす!?』、おかしかった。大阪に帰るという大河さん。その大阪に帰るというフレーズだけでもうすっかりやられちゃってる八重ですよ。大阪に帰って、またこちらに帰ってくる、なんかややこしいな、都会の空気をまとって帰ってくる大河さんを想像してすっかりハイになってる八重もすごい。そこまでなのかい? そこまでなのか! 八重の都会に帰る妄想もおかしかった。けど、自分が都会人になってるところまでは想像しきれなかったんですね。謙虚なお嬢さんだ! そして大河さん、この子も面白い。八重の期待に応えちゃうんだ。大阪といえば虎。まさかの虎プリントシャツ装備して帰ってきて、うおー、八重が虎に威嚇されちゃった! ほんと、あの仔犬のような八重の最後まで仔犬みたいなところ。おかしかったです。
『北斎のむすめ。』、素晴しいわ。恋の話をしていたら不機嫌になった高尾。その理由がついにわかるという今回。ああ、高尾、過去に恋で痛い目を見たとか、そういう話ではなかったのか。吉野のこと、心配してたんだ。八百屋お七の話。恋しい男に会いたい一心で火を放ってしまった遊女の話に吉野を重ね合わせてたんだ。しかし今回は、珍しく高尾の心情、実は心配性で情の深い、そうした様子が見えて、また狼狽するところもね、とてもチャーミングと思えましたよ。この後に描かれる火や煙の話、お灸に狼煙に亀甲占い、さらには祈祷と、そのバリエーションにやられました。高尾、大活躍ですね。そして栄の描いた絵、その画題、砧打ちに感じ入る高尾。こうした人情の機微、とてもよかったです。
『ゆとりの町長』、町本ゆとりの町長選挙。いかに支持を広げていくか、その話し合いしてるんですけど、まず最初はゆとりの両親からなのか。大事な話がある、お客さんをひとり連れていく、それで浦野かなめ伴って帰ったら、すっかり同姓カップルと思われて、でもこのご両親進歩的だな。素晴しいよ。それからの父母との会話、ふたりとも町長の仕事の心配とか全然してない。もっとテキトーな仕事に就いてちょうだい! わしより娘の方が偉くなってしまう! ふたりともどこを心配なさってるの! この作者らしいナンセンスさ、おかしさ、軽やかで、とてもよかったです。また両親に本気の度合いを見せる手段がクイズだったり、対戦相手がかなめだったりと、この面白さ。かなめが町本家のノリについていけてないのね。でも最後にはうまいこと乗っかっちゃって、みんな、最高でしたよ。
- 『まんがタイムオリジナル』第36巻第4号(2017年4月号)
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