『まんがタイムきらら』2016年12月号、発売されました。表紙は『こはる日和。』。冬らしさ感じさせるイラスト。雪のちらほらと舞い散るそんな中、厚着して、長いマフラー、分け合うようにして巻いたこはるとニナのふたりが、ぎゅーっと抱き合う、そんな表紙は、この季節の寒さをしのぐ、そうした暖かさ感じさせます。「冬は誰だって、人肌が恋しい。」そんなキャプションがまた状況を物語って、落ち着いて、静かな、そんな印象の表紙であります。
『指の先からいちご味』、ゲストです。のっけから、なにやらアブノーマルな雰囲気漂わせている漫画でありますよ。ベッドにて目を覚ましたら、その手を、指を、女の子に舐められているという、なんだろう、この状況。舐めているのは青花りん。お人形のように可愛い、そうさゆりはいっているんですが、紙で切った指、それをぱくっとくわえられて、舐められて、そうかと思えば突然逃げられて、それからずっとりんのことが気になっている。ずっと人に興味を持ってなかったさゆりが? なんていわれているんですが、そのさゆり、りんとの会話に困って、青花さんはかわいいし! えらいこといっちゃって、そして保健室にて休んでいたら、指を、手を舐められていた。はたしてこれ、いわゆる百合的なジャンルのそれなのか。あるいは、本当にいちごの味がしているのか!? いや、そらないよなあ。ともあれ、なにやらわけあり? 一話時点では謎の多いふたりの関係。どう深まっていきますでしょうか。
『ゆずみつソルト』、ゲストです。違う世界からやってきたという魔法使い、ユズサン・ハイツ・サニーコート。この世界では魔力がなかなか回復せず、帰るに帰れない。それで、海辺で転がっていたところ、親切な釣り人に助けてもらったんですね。最初は魚肉ソーセージ。さらにお弁当と続いて、そしてついにはうちに招かれて、しかしゆずが魔法使いであること伝えてもいまいち信じてもらえない。いや、まあ、そらそうよなあ。助けてくれた人、みつき。魔法に詳しい、というかいろいろ中二的だったまゆなを呼んで、ゆずの魔法について話し合う。まあ、手品と思われるんですけどね! そうした状況を、空間移動の魔法でもって強引に信じさせて、そうしたら翻訳に必要な魔力がまかなえなくなった! といった感じの、今回は出会い編。次回、後編にどのような展開が待っているか、期待であります。
『幸せの弌里塚』、ゲストです。鬱屈しているお姉さん、突然声をかけられて、オーラに問題がありますよ、いや、怪しい宗教とかじゃありませんよ。この世界には、幸務員と呼ばれる職業があり、不幸な状況にある人を救い幸福を分け与えるのだそう。その幸務員に声をかけられて、はたしてオーラにかげりのあったその女性、どうなるのか。なんらかの出来事があり、そこに幸務員のふたりが介入して改善させ、そういう展開かと思っていたら、意外や、その女性の自省でもって改善するんですね。初心を思い出して、鬱屈した気持ちが晴れた。自分のうちにある悩みやなんかを言葉にすることで解決する、そうした様子は非常に現実的でオーソドックスともいえる、そんな風に思いました。
『strawberry☆horror』、ゲストです。やざわんさん、どんどん漫画がこなれていってる。そう思います。好きなんですよ。今回もキャラクター可愛らしくて、しかしその可愛い彼女、通りすがりに見かけた人のこと、血飛沫が似合いそう、不穏なこと考えていて、この人、ヒロイン、ホラー小説家なんだそうですよ。こうやって導入部で主人公の人となり提示して、そして学校にて先生が従姉であること、小説を書くためにモデルが必要なこと、などなど、情報をコンパクトに開示していくのもとてもいいと思うんですよ。さて、そんなヒロイン、峰神あきらが見出した理想の少女、それが2年の道重アンナ。色白、黒髪、凛とした。そんな彼女に手紙を書いて、しかしその手紙を読んだアンナ、意味がわからなすぎてドキドキする…。よく呼び出しに応じてくれたなあ! クラスの全員、すでにモデルとして使い切ってるとか、犠牲者として。そんなこと、ニコニコして答えているあきらがなんだか可愛い。そして、このあきら、アンナから学校の七不思議を教えられて、ちょっと怖くなってる? でも怖がってること秘密にしてる? そんな様子も可愛い。夜中にアンナから教えてもらった魔女避けの呪文唱えてたりね、そして当然のように巻き込まれてる先生というのもね、序盤中盤から導かれた展開、うまくラストに繋げて、こういう構成なんかもいい感じだなあって思うんですよ。
- 『まんがタイムきらら』第14巻第12号(2016年12月号)
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