2016年11月20日日曜日

『まんがタイムファミリー』2017年1月号

『まんがタイムファミリー』2017年1月号、先日の続きです。

『夕暮れ茶房紺色堂』、これは面白かった。紺色堂常連の先生が店にいきましたらね、そこには先客、みかけないおじいさんがひとりお茶いただいておりまして、なのにコンちゃんはお客さんは先生ひとりだなんていう。そこから話されることごと、コンちゃんのおじーさん、亡くなったおじーさんの特徴がね、なんとその先客にぴったり一致する。さらに写真まで見せられて、って、いや、これ、冗談でしょう! ね、コンちゃん、冗談だよね!? まあ、冗談なんですけど、種明かしまでひっぱるひっぱる、その見せ方、ほんとうまかった。亡くなったおじーさんの思い出。迎え火を焚きながら思いをはせる皆の表情。洋上のおばーさんもね。しみじみとした味わい。この作者の持ち味、見事発揮されてる、そう思わされました。

『感染!ウイちゃん』、ウイルスのあの子が、押し入れにこもってなんかやってる音がする。見れば大工仕事をやっていて、作っていたのは木馬。あー、トロイか。マルウェアの典型的なタイプ。それを、自ら木馬を作って再現しようっていう涙ぐましい努力なんですが、本人が呪いの木馬とかいって間違えてるし、それ以前にバレバレで、相手方に侵入するというより、自分自身の棺桶みたいになっとるのがね、ほんと、この子のダメさがよくわかろうものであります。今回、対策ソフトの彼女の駆除活動、見事に炸裂して、おお、やる気あるんだ! この殺伐とした関係よ。けれどあつしはどうにも情が移ってしまってるようで、このほのぼの感ね、ほんとのウィルスだったら駆除せないかんのでしょうけど、この漫画のよさを作る素地になってると思います。

『レオタードって、恥ずかしくないですか?』、とてもいい感じ。大会です。先輩ふたりが出場します。新入生ふたりは見学です。でも、ただ見てるだけにはいかないっていうんですね。そうかあ、会場の準備も自分たちでやるんですね。率先して動く先輩たち。1年生もついていくんだけど、まだまだいっぱいいっぱいなところがいいですよね。やってるうちに、これが当たり前になって、当たり前に体が動くようになるんでしょうね。体操のマットに乗ってみて緊張してる莉奈が初々しい。というかドキドキガクガクって! しかし、そうかあ、床のマット、あれふかふかなんだ。まあ、そりゃそうですよね。会場にて莉奈と千夏、得点係をやるようお願いされて、でもそれがまったくわからない。それで仕事を先輩から教えてもらって、一番の特等席だって教えてもらって、ああ、緊張と希望に紅潮する莉奈の頬! 千夏もやる気ですよね。きらきらしてますね。

『かしこみかしこみ』は、捜し物してる男の人を手伝いますよ。カビトさん。外国からきた人。とてもフレンドリー。言葉は全然通じないんだけど、それでも普通にコミュニケーションとってるムクがすごい! 捜し物は赤くて丸いもの。リンゴじゃない。光ってる。信号機じゃない。なるほど、鼻から落とした。そのジェスチャーで、あ、もしかしたら! ムクはピエロを想像したみたいですが、そうじゃない。季節は冬、いよいよ迫る年末。そして本当にその想像が当たっていたんですね。あー、こういう展開もあるんだ! そう思ったんだけど、そもそも神様がいて、その使いのキツネとタヌキが人の言葉しゃべってる漫画でした。こうした夢のある展開ね、クリスマスの奇跡ですよ。素敵ですよ。

  • 『まんがタイムファミリー』第35巻第1号(2017年1月号)

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