2016年11月27日日曜日

『まんがタイムオリジナル』2017年1月号

『まんがタイムオリジナル』2017年1月号、昨日の続きです。

『コスプレ先生の絵画教室』は、まなが絵画に興味を持ちはじめたようで、絵をはじめたくなった。ななみの道具を貸してもらえることになったというのだけど、木炭、テレピン油、これは油絵か。岩絵の具、にかわ、これは日本画か。でも、とりあえずこれからはじめようって人にはちょっと必要ないかなー? って道具ですよね。デッサンからはじめます。鉛筆を削ります。あの、芯を長く長く出した、独特の削り方ですね。さっそく失敗するまな。壺を試しに描いてみると、それがえらいことうまくって、と思ったら、描いてるのまなじゃないよ! 鉛筆持ってるだけだ。まなのために今回は簡単なモチーフにします。そういうななみ、普通に静物とか石膏像にするのかなと思ったら、なんとデッサン人形、の着ぐるみ! なんでそんなものがあるの。そして立方体も着ぐるみ。ほんと、この人、実は自分のコスプレ欲を満たしたいだけではないのか? 珍奇な自分をアピールしたいだけなんだよ! ここまでくるとそうとしか思われませんよね。

『北斎のむすめ。』。栄、新境地ですか? 美人画、描き上げて、蚊帳と美人の組み合わせ。自ら蚊帳を吊ろうとしているその絵に栄が込めたのは、自立して芯のある女。おお、この視点、男のそれではないのかも知れん。また絵から、絵の女から色気が出ている、栄泉からそうした評も得て、そうか、これまでの技巧を見せつけんばかりだった絵から変わった。なにを表現するか、なにを大事にするか。やっぱり新境地なんでしょうね。そうしたことがわかったのも吉原で、高尾たちに触れて、知るところが多くあったから。この漫画、コメディなんで、重かったり、深刻だったり、そんな風にはしないのだけど、それでも栄の心情、画工たちの気持ちなんか、よくよく描かれてる、そう思います。今回のラストなんかも、がっかりな落ちこそつくけれど、職人たちの意気込み、思い、それらが表されて、とてもよかったですよ。

『部屋にマッチョの霊がいます』。ヒロインの前田木葉、この人が可愛い。人付き合いが苦手で、職場の先輩との交流にいろいろ悩むところもある。そんな人なんだけど、家にはマッチョでオネエの幽霊がいて、うるさかったり邪魔だったりするものの、いろいろ相談にのってくれたりしてと、ええ、くよくよ木葉にあっけらかんとしてシンプルな幽霊アッコの組み合わせ、辛気くささをうまいこと除去して面白さに変えているって思いますよ。職場での木葉の様子、ああ、確かに要領よくない子だなって感じさせる描写を置いて、そこから憧れの涼さんとの対話に入る。アッコのこと、はっきり幽霊がいるっていえないわけだけど、彼氏がいるとか誤解されたりね、でもアッコのアドバイスでちょっと前進? かどうかはわからないんだけど、放っておけない雰囲気の木葉、この人にアッコがいてくれてよかったって思えるところ、それがいいんですね。

『歌詠みもみじ』は鍋の季節です。理科実験室でガスバーナー使って鍋をしてたら、先生に怒られた。って、当たり前だよ! で、この後、会場を先生の家に移して、って、先生、断らんのか! 持ってるのはひとり鍋なのに、生徒に見栄はるために鍋買うんだ。この先生、前々から感じてましたけど、かっこつけて損するタイプですよね。鍋といえば鍋奉行、定番のネタになってますが、まりなと先生、奉行揃って戦になってと、で、そのお奉行様、もみじのしらたきにやられる! これ、ほんと、あるよね。つかみづらい上に、ちょっと重いのよ。ぼしょんと落として、しぶきがかかる。そのプロセス、音符とばしてるもみじもよければ、あたふたしてるところも面白くって、これ、今回一番気にいったポイントでした。そして鍋、なごやかにラストに向かい、けど片付けは先生ひとりか。お疲れ様です。ほんと、いい先生だなあ。そしてこれから本格的に深まる鍋の季節を予感させて終わるのだけど、いや、鍋、別に毎日でもよくない? 私、鍋、毎日でも大丈夫ですよ。

  • 『まんがタイムオリジナル』第36巻第1号(2017年1月号)

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