2016年11月28日月曜日

『まんがタイムきららキャラット』2017年1月号

『まんがタイムきららキャラット』2017年1月号、発売されました。表紙は『ひだまりスケッチ』、冬の装い、あるいは準備でありますね。ゆのさん、ぺったりと座り込んで編み物なさってる。周囲に転がる毛糸玉。カラフルな糸が伸びたその先、ゆのの手元には編みかけの編み物であります。ゆの自身もセーター、毛糸でもって編みましたよって感触しっかり描き込まれたもの、上着の下に着てまして、いよいよ寒くなる季節、暖かく過ごす準備がすすみつつありますね。

Aチャンネル』、トオルが学校いきたくないんですって! え? それ、寒いからね? と思ったら、違いました。あー、話題の映画のネタバレ食らいたくないから! って、そんな理由で!? いや、気持ちはわかるけどさ、あんた、映画見にいくの2週間後なんだよね? 思いきった子だな。2週間休み続けるつもりだったんだ。けど、それだけ話題になってる映画があるんですね。今年は実際にも話題の映画が多くって、高校生たちだとあの映画で、こんな風に、見た? 見た? どこそこがよかったよね、面白かったよね、みたいに語りあったりしたのでしょうか。ともあれ、映画見たナギさん、のっけからテンション高くって、今にもネタバレしそうで、トオル、逃げる逃げる。廊下歩いててもネタバレが流れてくる。授業中も気が抜けない。うん、トオルン、さっさと見にいきたまえよ。ほんと、1日学校休んで平日にいくんですよ。そして結局ネタバレ食らって、その後の追い討ちなんかもすごかった。いや、実は私ごとなんですけど、毎週楽しみにしてるアニメがありましてね、月曜にやるんですが、そのネタバレをよりにもよって昨日食らってしまってまして! あー、トオルン、あんたの気持ちはよくわかるー! ああ、そうそう。え? 映画? っていって、きょとんとしてるユタカ、めちゃくちゃ可愛かったですね。額装したいくらいの一コマでした。

すわっぷ⇔すわっぷ』、春子と夏子、キスをしても入れ替わらなくなってしまいました。え!? なにそれ!? 不調!? あるいはもっと先に進まないといけないの!? そう思ったら、ああ、夢。夏子の夢でしたか。あんまりに躊躇なく入れ替わるようになってしまっていた昨今。その風潮をちょっと正してみましょうかという試み。とりあえず一週間、入れ替わりはやめてみよう。その提案、困りますという春子が可愛かった。ともあれ、今回は春子と夏子、ふたりの関係、入れ替わると便利だっていう、その利便性に立脚するものではなく、もう心底普通に友達なんだってこと確認しあうエピソードでしたね。入れ替わることでイベントのトリガーが引かれていたのが、入れ替わらないこと、それ自体をイベントにする。それでなにかを気づかせる、いい構成、エピソードだったと思いますよ。ところで、夏子のお弁当食べてニコニコしてる春子、めちゃくちゃ可愛いですね。入れ替わり禁止明けの、うきうきして花なんて飛ばしちゃってる春子もとてもよかった。その高揚がありありと伝わってきて、そして入れ替わって見せるふたりの笑顔、それも素晴しかった。輝いてます。

『勇者なんてお断り!』、ゲストです。のっけから勇者と魔王の対決です。追い込まれた魔王、仕切り直しをはかるんですが、え? 草津温泉に頼るの? え? 湯治? 傷付いた体を温泉でいやすの? なんだろう、この驚きの発想。ええ、きっとただではすまない、そんな感じがしましたね。魔王についてきてしまった勇者。こちらの世界にやってきてしまって、出会ったのが友達できないこと悩んでる女の子、きずな。でも、不運な出会いですよね。勇者は自分が勇者であるというバリューを疑いもしていない。きずなからしたら、突然現れた変な女の子が、居丈高に、えらっそうに、あーだこーだいってくる。と、その勇者の高かった鼻がぽっきり折れるまでの流れ、面白かったというか、さすがに気の毒でした。そうか、その時のことはもう話したくないかあ……。これ、きずなと勇者ヒメノ、再会しちゃったわけですが、どうなるの? 魔王を追って草津温泉にいくの? 草津温泉との往復分しか転移できないみたいなこといってたけど、つまりふたり飛んできたってことは、もう使いきっちゃった!? 魔王の狼藉を期待してしまう勇者、そんな自分にショックを受ける勇者。このひとり相撲感、よかったです。あと、玄関のきずなちゃん、可愛かったです。

『あいあむアイスクリーム!』、夢雛町にあるアイスクリームショップでは、アイスクリームの女の子が接客してくれるというんです。アイスクリームショップの開店にこぎつけた店長、アイちゃんだけど、不慣れな接客のためにちっとも売れず弱ってた、そんなところに現れたのがアイスクリームが変化した女の子たちだっていうんですね。あまりに唐突な登場に、不審者と疑って、毅然と対応! できなかったアイの様子、あれよかったですね。そらそうだ。ここで毅然と出られたら、接客でどうたらこうたらってことないですよね。これ、アイスから人に化けてる子らね、もとのアイスにも戻れるんだ。しかも、それ、食べても大丈夫なんだ! これ、もし食べきったらどうなっちゃうの? あるいは溶けちゃったりとかしないの!? うん、大丈夫みたいですね。床に直置きされたアイスクリーム3種が、それぞれに食べて、おいしいよってアピールしてる絵が、なんともいえない奇妙さかもしだしてて、なんともいえない味わいでした。

『満天荘に気をつけて』、ゲストです。高校にはいってひとり暮らしすることになったひよりが住むのは、ちょっとレトロ? クラシック? な満天荘。期待と不安を胸に満天荘の扉を開けた彼女を待っていたのは、にこにこ、ふわふわ、けどなんか頼りない? 寮長代理の小梅でした。そして小梅のそばには白い影。ええと、仮装? 頭に三角のつけて、白い布かぶって、でも小梅には見えないという。え? でもちゃんと目をあわせてましたよね? 最近の漫画は、いや最近にかぎらないか、普通に幽霊と同居したりするの当たり前なので、この子が幽霊なのかなんなのか、さっぱりわからないのがいいですね。そう思ってたら、あー、やっぱりこの子、いるんじゃん。ひとり食らしの不安に押し潰されそうになってたひよりの前に現れて、散々驚かしちゃうんだけど、そうか、小梅の仕込みか……。サラ。小さい子。金髪? 可愛い。ぜんぶ小梅がやれって言った。その言葉に口笛吹いて誤魔化そうとしてる小梅がナイスでした。小梅、なんか部屋に祭壇作ってたりと、どこまでが仕込みで、どこまでが本気なのか、さっぱりつかめない人なんだけど、このいたずらでひよりの不安を溶かしてくれた。泣いていいのよ。怒っていいの。笑っていいのよ。その言葉には誠実さ感じさせて、ああ、ちょっとしみじみとさせられる、そんな第一回でありましたね。

  • 『まんがタイムきららキャラット』第13巻第11号(2017年1月号)

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