『まんがホーム』2016年12月号、昨日の続きです。
『宇宙ファラオ☆パトラちゃん』は、れあとパトラが衝突しちゃって、れあ、パトラのこと侵略者だっていって、うちの子になんてできない、信じてないっていうんですね。しかし、これ、れあ、切ないよね。いずれくる別れを思って、こうしたキツい仕打ちをしたっていうんだ。姉に話すパトラへの気持ち。それがしみじみと優しさ感じさせるもので、ああ、パトラのこと、よく理解してる。なにが好きか、いつもどこにいくのか。最後には仲直り。ほんと、素直になれない、そんな子。傷つくことを怖れて、過剰に防衛しちゃってるんだなあ。ほろりとする、そしてほっとする。そんなエピソードでした。
『敗者復活戦!』、ここ最近のピリピリした状況を一旦脱しましたよ。ニーナがね、書店でね、紙が白いよ、まぶしいよって、誤解を招く喜びかたしてるの、のっけからとばしてますよね、面白い。そうか、修学旅行いくんですね。それで、広島の地図とか探してたんだ。夕記も修学旅行の準備して、ああ、部屋の掃除、それが準備になるのか。この子、ほんとに苦労してる。そして、その苦労、男にはなかなか理解しづらい、あるいは男は免除されてる類いの苦労のように思われて、それだけに夕記の大変さ、日常の戦い、しのばれます。今回はこうした旅行の準備あり、そして愛の重さについてあり、この愛の重さについてのやりと、なんだか滑稽で、ええ、今回はそうしたコミカルなよさがよくよく出ていた。最後の最後の落ちまでぴしっとのびてましたね。
『うちの秘書さま』、あれ、七瀬さん、女王様? エレガントですわ。素敵ですわ。あ、はじめが王子様だ。文化祭で演劇やるんだそうですよ。演目は『シンデレラ』。そしてはじめが主役。ということは、つまりシンデレラか。メイド連も七瀬もノリノリで、化粧したりね、いいわあ、メイド長の鼻血とか、倒錯した美を感じますわ。そしてはじめもやる気になりはじめたのか、口紅はもう少し明るめがいいかなぁ。即座に若干気持ち悪いとのつっこみ入れる七瀬が素敵です。七瀬相手に稽古するなど、ぼっちゃんやる気を魅せるんですけど、冒頭の姉にいじめられる場面ね、メイド連、聞いてられなかったみたいで、掃除なら私共がいたしますから! めちゃくちゃ面白いです。しかし一番面白かったの、最後の大オチですね。ええ、ほんと、せっかく頑張ったのに! ほんと、お労しい!
『マチ姉さんの妄想アワー』、今回は赤頭巾がキテましたね! いや、ほんと、すごい。動揺するオオカミ。最初は後頭部、次いでお爺さんのウワサ。めちゃくちゃ面白い。それぞれで赤頭巾、別人なのもおかしい。展開の渦中、というかラストに妙に気になる情報ぶち込んでくるとか、素晴しいわ、この作家。駄目押しの一本も妙におかしくて、こうしたバリエーション作って、ぐいぐい押し込んでくるところ、面目躍如です。眠り姫のネタも面白い。というか、2本目の「知りませんでした」。これ、糸車には針っぽいパーツがないってところにかかってるの? それとも、仕込み武器のこと!? どちらともとれて、そのどちらであっても面白い。さすがだわ。他にも「いいよう」、この生き残る技術、羨ましい! 「リベンジ」3コマ目から4コマ目にかけての絵面もめちゃくちゃいい味出してて、あらゆる方面からやられています。
- 『まんがホーム』第30巻第12号(2016年12月号)
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