2025年11月21日金曜日

『まんがタイムきららフォワード』2026年1月号

 『まんがタイムきららフォワード』2026年1月号、発売されました。表紙は『あまねくシグナル』。あまねとシグがふたり一緒に登場。ふわふわな星を一緒に手にして、笑顔のシグとニュートラルなあまねの表情。気持ちを先導していくシグに、引っ張られるようにしてついていくあまねの、それでいてともに感情の広がっていくような関係が、このイラストにもよく表されているように感じられて、なんだか気持ちがほっと暖かくなるような思いのするのであります。

今月は新連載が1本、新規ゲストが3本です。

『氷舞のアウフギーサー』

フィギュアスケーターとして日々練習に打ち込んでいたはずが、二度の骨折で夢を断念せざるを得なかった女の子。突然なくなってしまった目標に、気持ちまでもが迷子になってしまっていた。そんな彼女、葵が姉に誘われていったサウナ、ホット・パラディーゾで出会った熱波、アウフグース。知らなかったサウナの魅力に、ちょっと心も動いたか? けれどまさかその熱波が、葵を追い掛けてくるとは予想外だった。

熱波師ならずとも熱波をやりたい椎奈雲雀。この子が葵と同じクラス。どの部活にも所属していない葵を、アウフグースに誘おうとした、そのときの文句がまずかった。葵が情熱を燃やすにふさわしい舞台。それは葵にとっては氷上だった。そのはずだったのに、もう自分はそこに立つことはできない。事情を知らないとはいえ、あまりに無神経に踏み込んでしまった雲雀を拒絶する葵。しかしその長身から繰り出された振り、タオルの巻き起こした風の強さに、雲雀はなおさら葵に可能性を見出してしまって。

このどう見てもチグハグなふたり。これが同じ目的に向かう仲間になるまでの道行、いかなるものであるのでしょうか。今のふたりから、仲よくなるまでの道筋が見えないんだけど!? ほんと、どんな紆余曲折があるのでしょうね。

『サカキ先輩はほっとけない』

オープンスクールで見た弓道部。凛々しく弓を射る姿に心撃ち抜かれて、入学、そして弓道部の門を叩いた栗方。すべては賢木先輩をしたってのこと。けれど、そんな栗方の向ける情熱に、わりと本気で引いている賢木です。

栗方の指導を担当させられることになった賢木。最初は嫌がった賢木だけど、教えるとなれば好き嫌いとか関係なく真摯に向きあってくれます。いきなり弓なんて持たせられないから、まずはゴム弓から。基本の姿勢ができたなら、やっとこさ巻藁に。自分の練習時間を割いてまで栗方を指導してくれるのは、うまくなりたいという栗方の姿勢に応えるため。あくまでも栗方に真摯に向きあってくれるのです。

けれどどこか浮ついた気持ちも残る栗方です。巻藁練習を許された初日のこと、賢木がちょっと目を離した隙に、軽い気持ちで引いた弓弦が手を離れ、したたかに栗方の頬を打ってしまった。あまりのことに沈まる練習場。すっかり恐怖にとらわれてしまった栗方は弓を引くこともままならなくなってしまって。

しかしそんな栗方にも向きあう賢木。栗方を射場に呼び、実際に射らせてみせる。その動き、姿勢をフォローし、そして放たれた矢は的を射貫いて、ここに栗方、賢木とともに怖れを克服することができたのですね。しかしそれを喜ぶのはいいとして、また気持ちを浮つかせていちゃあ駄目ですよ! とはいえ、こうして先輩後輩の絆は強まり、さらなるこの先へとふたり向かうことになろうというのですね。

『雪ときどきサマー!』

日本から夏がなくなってしまった。8月だというのに雪が降るなど、まさしくこれは異常気象! 実際にはあまりに夏が猛威を奮うものだから、春も秋もすっかり短かくなってしまっているというのにね。とか思ってたら、まさにそうした夏の縦横無尽の振る舞いがために、四季から夏が追放されてしまったというのですか。

ニット帽のニットちゃんの前に現れた水着の女。この寒さのなか、水着ですと!? 不審者ですか!? 水を求める水着の女に、水を与えたニットちゃん。なんとその水着の女、夏の化身なのだというのです。

ナツが四季から追放されてしまったがために、夏がこなくなってしまった今年。しかし夏を求めている人だっている。夏の祭りの関係者。夏の熱気がもたらす活力。それがなくなって困っている人もいる。というわけで、ニットちゃんも協力して、ナツが四季に戻れるよう、夏の良さを残る四季の皆に知らせようというのです。

急遽開かれる夏祭り。夏の開放感、盛り上がりを実感させられるフユたち。短かい仮初めの夏ながら、お祭り、縁日、夜には花火。夏の情緒がナツの、ニットの心をうるおし、そしてついには四季への復帰がかなったのです。

翌年のこと。ナツとの再会はならずとも、ふたたび巡りくる夏の熱気にナツを思うニットちゃんならぬ冬野ユキ。実際にも、こうやって夏を懐かしみ恋しく思う。そんな夏がまたやってくるといいなあと思わされた小品でした。

『美澄お嬢様はニチアサがお好き』

ニチアサ、変身ヒロインのキラキラに魅了されてしまった九条美澄。すっかりキャラピュアに夢中になって、毎週の鑑賞にも余念がない。でも、そんな美澄を母は許さなかった。まだこんな子供向けアニメを見ていたの? いずれ九条グループを継ぐ美澄には、こんな子供向け番組はふさわしくない。卒業なさいといわれてこの方、ひたすら変身ヒロイン趣味を直隠しに隠して推してきたというのです。

誰にもバレちゃならない。学校のトイレで、無料配信で最新話を追う美澄。熱狂するあまり発する声は学園7不思議に数えられるほどにもなって、知らぬは本人ばかりなり? ともあれ、視聴も、グッズ集めも、家族に、とりわけ母にバレないよう、こっそりこっそり楽しんでいた美澄でした。

でもそんな彼女に同志ができました。欲しくとも買えずにいた食玩に手をのばした同年代の女の子。話してみれば、同好の士とすぐにもわかる。こうなったら語るしかないと、カラオケボックスに向かい、思う存分思いをぶつけあうふたり。けれどここを離れれば、ふたたびキャラピュアを隠す日々がはじまるという美澄に、我慢なんてもったいない! 一緒にコラボカフェにいくことになり!? と、思わず先に進むことになってしまった美澄。はたして母に隠し通せるのか。自分の思いを成就させることができるのか。願わくば、我慢の日々から解放されてほしいですよね。

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