『まんがタイムきらら』2025年12月号、一昨日の続きです。
『魔女まじょS-WITCH』
どひゃあ、小夜さん、かわいいなあ。扉がかわいい。そして本編もかわいい。クラスの子が七不思議の幽霊少女を探しにいくと耳にして、なにかあったら大変! とついていくことにしたんです。ただ、妖精粉でこっそりついていく。なにかあってもなにもできない。役にたたないのでは!? 自分自身疑問に思うんですが、大丈夫、その誰かを心配して行動する気持ちこそが大切ですよ!
というのが実によく描かれたエピソードだったと思います。ふたりの目的地はお化け屋敷。これは小夜の心配が杞憂に終わるパターン? いやあるいは、そう思わせて本当のお化けがいるパターン?
どちらだろうと読み進めるのですが、そもそもお化け屋敷を小夜が知らずにいたり、そして誰にも認識されない状態だというのに律儀に入場料を払ったりと、世俗にまみれず、そして誠実であるというこの子の人となりというものも感じとれたエピソードでした。
でも、さすがに小夜も、お化け屋敷が娯楽施設と気づきます。その上で、向こうからくる人影か、仕掛けなのか本物の怪異なのかと迷う場面。もし本物だったらあのふたりに不幸が訪れると、勇気を振り絞って前へ出る。ああ、本当にいい子だなって。小夜に勇気を与えたのが、これまでのまなの行動。そして今、恐怖におののく小夜を助けるのがまたまなであるというこの名場面! ああ、ぐっときますよね。まな、小夜を守る町魔女の面目躍如でしたよ!
結局、幽霊はお化け屋敷のスタッフさんだったんですけどね、なにごともなくてよかった。この子たちのまっすぐにして友達思いな美点、際立つところもナイスです。
『スロウスタート』
クリスマスの朝のこと。悪夢に目覚めた花名を待っていたのは、枕元のプレゼント。冠からサンタからのプレゼントと聞かされて、もしや冠はまだサンタを信じているのではないか!? 冠の夢を壊さぬよう、懸命にサンタ到来を喜んでみせた花名がですよ、皆からまだサンタを信じているのかな? 花名ならありうると、あらぬこと思われてしまって赤面するのでありました。
栄依子からスヌードのプレゼントだったのですね。コットンで編まれた筒状マフラー。やわらかな質感、あたたかで心地いい眠りを約束する魅惑のプレゼント。
そのスヌードを、気になる人に贈る光希さんです。ランニングするひろえに手編みのスヌードをプレゼントした光希。ひろえは笑顔を見せてくれて、そしてお返しをしないとな。思いもしない言葉に恐縮する光希。でも、嬉しいよね。ええ、きっと光希にとって忘れられない思い出となることでしょう! ひろえさんは光希のことこれでもかと甘やかしてくださいね。
『星屑テレパス』
空を見上げる愛の脳裏に浮かぶ思い出せないなにか。いったいそれはなんなのか。その思い出せない思い出のために、空を見ることができずにいる愛の胸中。その愛の気持ちが空に向かって開かれた瞬間。モデルロケット選手権、中部予選での打ち上げが、皆の思いをともに愛の心をも空へといざなったというのですね。
昨年の予選は散々な結果に終わった。届かなかった目標。空回りした気持ちは軋み、不和のなか皆それぞれがバラバラに別れていったあの苦い日の記憶を、皆がともに乗り越えようと待ったこの日。あの日と違い、皆の気持ちはひとつになって、そして寄り添うようにともにある海果とユウ。その思いはもう揺るぐことなく、凛々しくまっすぐにあって、そしてその思いのありようをなぞるように空高く昇っていく皆のロケット。
ああ、ここに記録されたひとつの結果が、次なる世界への一歩となる。彼女らの新たな歩み。そして愛のつかもうというそれが導く未来とはいかなるものであろうかと、その行く末に私の思いもまた同じく導かれていくがようです。
- 『まんがタイムきらら』第23巻第12号(2025年12月号)
『まんがタイムきらら』2025年12月号、
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