2024年1月29日月曜日

『まんがタイムオリジナル』2024年3月号

 『まんがタイムオリジナル』2024年3月号、先日の続きです。

『敷金礼金ヤンキー付き』

サンライズ荘を訪れた男性。ああー、ヤンキーアパートとしてちょったした名所になってましたよね、と思ったら違った! なんと、この人、たえのお父さん。親戚が大家やってるからと、安心して娘を住まわせていたら、とんでもない物件だった! って、お父さんもちゃんと下見くらいしておきましょうよ!

さておき、こんなところに娘は住まわせられないと、引き払うよういわれたたえ。サンライズ荘と、愛すべき住民たちとの別れの予感! 父のいうことにも一理はあると、たえもわかってるんですよね。大学受験に向けて勉強しないといけない。その目的に適した環境であるかどうか。

思い悩むたえに、七恵から渡された誤配の郵便物。志望校からの英作文募集要項なのだそうですが、受験を有利にするためにぜひとも応募したい。しかし締め切りは明日、今日一日集中すればなんとかなるか、というところでタイミング悪く敵対する族がカチコミに!

って、やっぱり物騒なアパートだよね! でも、大家を筆頭に、たえのために身を張ってくれる、その男気よ。いや、女だけど。自分のために戦ってくれている仲間に応えたいと奮起するたえもよければ、殴られながらも叔父にたえの状況を伝えようとする香緒里の切実さもまた沁みるものありました。

そしてこの皆の気持ちがたえの父にも通じたのでしょう。ええ、たえのサンライズ荘での生活が続くことが決まり、喜ぶ皆のその姿、いやあ、たえがどれだけ愛されているかわかろうもの。この皆との関係、きずなとでもいうべきもの、しっかりと育まれてきたんだなあって嬉しくなるような一コマ。そしてこのきずなの一端に、読者である自分も繋がりを感じてるんだろう、そんなこと思うのでありました。

『通勤通学クエスト』

松島、竹重と一緒にハンバーガーを食べにいくことになった柏木。その先での交流がすごくいいの。これまで描かれてきた柏木の人間関係。会社サイドと、松島たちの学校サイド、それがついに繋がった瞬間でありますよ。

カゲヒトおじさんは、竹重父との友人で、娘カグヤとも親交がありました。そんな娘みたいな子と、会社の同僚が友達だったとか、まったくの予想外、驚きだったんじゃないでしょうか。

そして松島と柏木の重い関係性! 命の恩人って!? と思ったら、そうか、あの事故の時のことか。そして柏木にライバル心燃やす梅沢。ああ、この柏木を前にしてきっぱりと宣言するところ、切羽つまるような思いがこの子を動かしているんだなあと、ゆえにその思いをないがしろにはできないと、真摯に受け答えした柏木。ええ、このふたりの関係もまた素敵なものになりそうな予感のさせられる最終回でした。

人間関係が面白くも愛らしい漫画でした。好きな漫画でありました。

『オネェの恋のはじめかた』

文化祭当日、痛めた足をかばいながら、気力で演技を続ける時宗です。痛かろうとどうだろうと、演技には手を抜かない。その根性や意気やよし、といいたいところだけど、どうも翔人は気づいてるよね。さらには桜子も気がついて、自分のせいだどうしよう。と、そこに凪さまたちも加わって、時宗サポート作戦が急遽勃発するというんですね。

演技を続けようとした時宗の頑張りも、いよいよ限界を迎えようとしたその時、桜子が時宗の前に現れた。さらには凪さまも一緒になって舞台に立って、かくして繰り広げられるアドリブの舞台。皆の助力もあり舞台は無事終演を迎えることができ、すべては万事こともなし、大団円となろうというこの流れの中、時宗と桜子の仲がさらに一歩進もうとするのです。

しかし、この桜子の手をとって礼をいう時宗。色男ですよね。色男にここまでされて、さあ桜子どう出るかと思ったら、あらまあ、大パニックじゃん! でもこうした反応に、時宗に対する思いの萌芽も見てとれる。そんなふたりの初々しさ。翔人はやれやれって感じでありますが、いずれは成就する、そんな予感あってのやれやれのようでありますね。

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