『まんがタイムきららフォワード』2024年3月号、昨日の続きです。
『ネコかぶりアンコール!』
印と一緒に部室にやってきた音子。それがまあ素の状態で、なにごとかといぶかしがる兄貴と部長。話を聞いてみれば、そうか音子、自分自身に失望しているのか。猫をかぶってる自分が、他人の外面を知って失望したことに失望している。でもそこで立ち止まるだけでいいのかと、兄貴に問われてはっとした表情見せた音子。この時の表情が素にして、素直な音子の感情感じられる、そんな可愛さあって、ああ、いいですね、素の音子も可愛いですね。
しかし印、この子がいい。すごく食えないキャラしていて、やべえ、キャラクター傾向としては攻めだこの子。からの、思わぬ受け傾向の音子の姿に新たな可能性感じ取って、いやあいいですね、きましたか? きましたよね? なんて、がつんがつん気持ちが盛り上がっておるのです。
『花唄メモワール』
竹子から自分の素性、その核心に踏み込まれて焦る梅。素直に答えるわけにもいかない。しかし誤魔化すこともできない。それで梅が選んだのは、明確にはしないながらも、自分には目的がある、守りたい人がいるということだけを真摯に告げるという選択だったのですね。
そして竹子から梅への助言。不審がられたくないならもっとちゃんと馴染みたまえよ。そのダイレクトな物言いにダメージ受けながらも、花瀧屋の皆からはあやしまれてないからと、そういう梅の不見識が再度指摘される! ほんと、このくだり、面白かった。いや、実際おっしゃるとおりで、これまで明確に梅には告げられなかっただけで、わりと不思議がられたり不審がられたりしたものなあ!
自分の言動を指摘されて、どう振る舞ったらよいかわからなくなった梅。皆から心配されるような不自然な返事をしてしまったりしちゃって、でも同時に発熱。ああ、この不調も全部熱のせいってことになってよかった!
そして皆が親身に看病してくれる、そこで語られたいろいろが、梅の気持ちをときほぐす、その流れがまたよかったと思ったのですね。それは、それだけこの子がこの場所で頑張ってきたからだと思うのです。丸ごとの気持ちで向きあってきた、それが通じたと思ったのですね。
『スローループ』
扉絵のふたり、綺麗だなあ!
さて、今回はいとこの結婚式に着ていくドレス選びのお話です。と思わせて、速攻でヤマメメインに切り替わっていくところ、さすがでしたわ。
この漫画は釣りの漫画、ということで当然ヤマメについて、そして渓流魚向けのフライ、アントの作りかたといったところががっつり語られて、すなわち恋先生による講座も充実していたのですが、それと同時に周囲の人たちや環境。主に家族構成? 男家族の中、女ひとりでさみしかったりしないかといわれて、そんなことはないと答える恋と、女家族の中、ひとり男でさみしさ感じるひより父。
そのさみしさにまったく気づいていない娘ふたりが、なんかあっけらかんとしてよかったんですね。
ところで、今回隼人の成長が語られてましたけど、小春、ひよりもなんかお姉さんになってますよね。ええ、なんか素敵に成長してる風がありますよ。
『球詠』
希と小町の対決! いつになくというか、いつもどおりというか、寡黙でシリアスさ感じさせる希と、もう嬉しくてしかたないといった様子の小町、その対比がとてもいい。そして語られる、小町が強打者相手に勝負したがるようになった逸話が語られて、そうか、勝負して勝てたその実感がゆえに勝負せずにはおられないようになってしまったのか!
どれほどの喜びが、手応えがあったのでしょうね。いやほんと、小町、癖があるけど可愛い子だわあ。
希と小町の勝負は、ちょっと特殊なルール? ショートゴロ以外ならなんでも小町の勝ちでいい? これでとばっちりなのが、ショートを守っている瑞帆。強烈な守備練習強いられることとなって、ほんと、大丈夫か、やる気が充実してるから大丈夫なんかな!?
ここで小町が向かいあうのは、希がかつて辿ってきた感情、そのものだったのですね。そして希が小町の思いを否定することなく、それを貫き通してみろと発破をかけるくだりが素晴しい。ああ、小町に響いてるよ。応える詩織。すべてが小町の背を後押ししての、この好球!
ああ、本当に清々しい、そういうよりない好エピソードでした。
- 『まんがタイムきららフォワード』第18巻第3号(2024年3月号)
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