『まんがタイムオリジナル』2024年3月号、発売されました。表紙は『ラディカル・ホスピタル』。500の文字があしらわれた金の四コマトロフィーを手にする榊医師と山下ナース。それはまんがタイムオリジナル通巻500号を記念するトロフィー! ということで、ふたりもばっちり正装。他の漫画、『小森さんは断れない!』、『おだまき君の道草ごはん』、『らいか・デイズ』の登場人物たちもしっかりキメたドレス姿でお祝いであります。しかし500号とはすごいですね。43年の足取りでしょうか。思えば長い、そんな道のり。素晴しいです。
『アイドルはお忍びchu♡』
いつにないシリアスな表情で向きあう芙蓉と紗鳥。いったいなにごとかと思ったら、なるほど百人一首。芙蓉もできる遊びを、というので百人一首にあいうえおカルタ、いろいろ試してみるのですが、一枚も取れずに敗退を余儀なくされる紗鳥。どれほど芙蓉は強いのか。
それは忍者だから、というんですが、あくまでも忍者はそういう設定、コンセプトと信じて疑わない紗鳥。まあそうですよね。普通は信じない。でも、一瞬で背後をとってみたり、さらには分身の術まで披露して、ついには信じさせることに成功!?
そこからの紗鳥と芙蓉のコミュニケーション。一花との真のシンメは私であると、紗鳥にして譲れぬものもあるにせよ、それはそれで一花のことは頼むと、そこまで信じることのできる仲間となったのですね。ええ、ふたりの関係、とてもいい感じ。ライバルにして仲間。そんな関係が素敵でした。
そして紗鳥の粋なはからい、置き土産。レゼル公式で一花と芙蓉のこと紹介してくれた! それで止まらぬフォローバック。いやもう、まさか凍結されるまで! これ、いい飛躍のきっかけになりそうですね。
『となりのフィギュア原型師』
おこめ代表にも、工房メンバー以外とのつながりがある! いったいそれはなんなのか。男か? と一部色めきたつものの、今回ははぐちゃん筆頭にそっとしておこうという意見が支配的。かくして代表はひとり、その人のもとに向かったのですね。
その人というのが、早蕨におさんですよ! おお、えにぐまちゃんの中身! 可愛く晴着で着飾ったにおと一緒に神社にいくというのですが、ああ、ずっと家から出られなかったこの子。ついにここまで踏み出すことができたのですね。
兄から妹を託された代表。兄は相当変わりもので、今回も何度も警察のごやっかいになってましたけど、その愛は本物でしょう。その兄が、おこめ代表を見込んだわけです。やりとげねばならない、その意気やよし! 突如、兄のバフが消えて不安におちいったにおのこと、手をとりはげますその様子。素晴しかった。きましたか? きましたね。絶対きてます。
しかしこの早蕨におとの一時が、代表にして姉ポジションを開眼させるというのですから面白い。その姉っぷりが数日継続するのがまた面白く、ああ、立場というのは人を成長させるのだ。なんてこと思わせられました。しかしこの姉ポジション、どれくらい続くんでしょうね。次回がどうなってるか、ちょっと楽しみです。
『カントリー少女は都会をめざす!?』
うわー、好きだったよ。八重ちゃんも、みなちゃんも、大河さんも、亜紀ちゃんも、みんな好きだったよ。
そんな漫画の最終回。今回は八重の都会への憧れがしっかり語られながらも、同時に地元愛も語られて、あの都会とコラボ、地元とコラボ、どっちが嬉しいかという二者択一のくだりなんかも、八重の地元愛が見てとれてとてもよかった。ええ、都会が好き、憧れるというのは、別に地元が嫌ってわけじゃないんですね。そうしたいろんな愛のあらわれ。とてもいい。ええ、ええ、八重さん、もっと欲張っていいんです。欲張っていきましょう!
最後の最後までいい笑顔を見せてくれたこの漫画。いいラストだったと思います。これまでと変わらぬ皆のその姿。寂しくも、卒業を見守る、そんな気持ちで送りたいと思います。
『おだまき君の道草ごはん』
うひゃあ、扉の小麦さん、めちゃくちゃ美少女だなあ。
金木犀の咲くそのただなかにたたずむ小麦。なにごとかと思ったら、なるほど苧環から隠れている。かなでに見つかってどうしたのか聞かれるんだけど、恋心を自覚した? って聞かれて、傍から見ても丸わかり。わかってないのは当人だけっていわれて、いやもう、恥ずかしがる小麦さんも可愛いですね。
さて今回の野草は金木犀ですよ。って、あの花、ジャムにできるんか! 知らんかった。でもジャムにするのはすぐには無理だからと、ウーロン茶にいれて飲む。花だけを取り出して、それをお茶と一緒にいれるのですが、その香りのよさ、お茶に浮かぶ花の可憐さ。たしかにこれは素敵ですよね。
そして問題の恋心。気にしているのは小麦だけなのか。そう思わせておいて、あの無神経? なにも思ってない? そう見せている苧環が実はというそのラスト。それに気づいているかなでの心の一言もまた素敵に響いて、いい余韻のあるラスト。これはいい一コマでした。
- 『まんがタイムオリジナル』第43巻第3号(2024年3月号)
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