『まんがタイムきららMAX』2019年11月号、発売されました。表紙は『ご注文はうさぎですか?』。このイラストはチノとお母さんですか。ふたりドレスを着ましてね、これ、ステージ衣装なのか。飛び交う音符、そしてレコード。ふたり、ステージにて歌を披露している。Sing For You、というわけなのですね。OVA発売目前、その内容にそった表紙、ということなんでしょうね。そうかあ、こうしてイラストでもって見せられると、俄然興味が沸くというものですね。
今月は新作ゲストが2本です。
『※この図書は現在迷子の為返却出来ません』。本を読めない図書委員、乙木言葉が図書室にて出会った少女は自称アリス。不思議の国のあの人なんだそうですが、とりあえずは不審者として警察に通報しようとすることは。うん、正しいとは思うけど、まずは学内だから教員に知らせよう。ともあれ、このアリス、ちょっとあの物語中のこましゃくれた少女とは違う感じなんですが、ボクなんていうから、最近はやりの男の娘かと思った。でも、アリスであるのは間違いないっぽい。ただ、この子が戻るべき本は見つからず、なのでいつか本に戻るための手助けをことはに求めたっていうんですね。本が読めないのに、クジで委員を決められたことは。この子の本嫌いをアリスはどう変えようというのか。そのアプローチ、どういう出方をしようというのか、それが興味深いです。
『酔いも甘いも』。酒飲み姉妹の姉が、あんまりに酒を飲みすぎる妹を心配して、禁酒をいいわたす。これ、いずれ禁酒も失敗するんだろうなとか思ってたら、普通に二ヶ月、三ヶ月と飲まずに乗り越えていて、すごいな、これ、思ったよりもろくでなしじゃない。ちゃんと禁酒、いや断酒できるタイプの人たちだ。けど、妹、ついにウイスキー抜きのハイボールとかカルア抜きカルアミルクとか作り始めた時は、あかんかもと思いました。このあたりのやりとり、面白かったですよ。アルコール抜きカクテルや水割りを作るくだりは笑ったし、ビールの売れ残りを見過ごせないみたいなやりとりもおかしくてよかったです。こうしたやりとりの面白さ、バリエーション持って展開されたらきっと強みになると思う。そしてラストの妹の気づいたことからの落ち。いい話風なんだけど見場が悪いよ! あれ、やっぱり身を持ち崩しそうな雰囲気してますよ。
『ぼっち・ざ・ろっく!』。驚きの展開、というか、こんなにはやくギターヒーロー=ぼっち説をバンドの仲間に知らせてくるとは予想してませんでした。例のライターさん。ぼっちがギターヒーローと知らないまま、ただのダイブ失敗少女の取材で結束バンドを追い掛けてきたんだけど、まあ、初対面でぼっちからいろいろ情報引き出せるとは思わない、というか、このバンドとのコミュニケーション、まともにできるとは思えないから、きっとぐだぐだな結果になるんだろうなあ。うん、途中までは予想どおりでしたよ。けど、それがまさかの終盤で、ああ、演奏のクセでそうと勘づいてしまったのか。このライターさん、本当は音楽関係のこと深く掘り下げたいっていってたの、ただそう思ってただけじゃなかったんだな。そうした知って、聞いて、気づけるところに、おちゃらけてるだけじゃないところ実感させられたとともに、ああ、いきなり踏み込んで突き付けてきた、その結果、どうなるのかっていうのが心配になる。まあ、ここからまだ思わぬ展開させてきそうな気もするからなあ。そのつかみどころのないところ、それがこの漫画の強さだものなあ。と、思ったところをまたひっくりかえされそうな気もする。どうなるんでしょうなあ。
『旅する海とアトリエ』。マリア、思い切りましたね。夜を徹して海のために服を作っていたんだ。しかもその服が素敵で、いつも和装の海だけど洋装も似合うよなあ。服を作るということに挫折しようとしていたマリア。けれど海にりえ、ふたりと出会ったことで服を作りたいと思った気持ち、そのおおもとに立ち返ることができたっていうんですね。しかし、海、本当に可愛いな。すねてるりえの向こうで、ワーとかいってるちんまり海とか最高だな。今回、イタリア編、決着ですね。マリアの悩みは解消し、自分の向かうべきものをしっかり見据えることができた。そしてマリアからの提案でりえと海の次の目的地も決定。って、ウィーン!? オーストリア!? 海ないじゃん! とか思ってたら、君ら現地に向かうその時まで気づいてなかったんか。内陸だよ。写真に撮られた海を探す旅のはずが、とんだ迷走だよ! とは思うけど、こうしていきあたりばったりでも、いった土地でなにかしらを見つけて、触れて、楽しみ見出したり、大切ななにかに気づいたりするんでしょう。と思えば、回り道だけど回り道じゃない、そんな旅になりそうに思うんですね。
- 『まんがタイムきららMAX』第16巻第11号(2019年11月号)
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