『まんがタイムきらら』2019年10月号、発売されました。表紙は『奥さまは新妻ちゃん』。中秋の名月、お月見の風景、というか、これ、謎のシチュエーションだ。新妻、なごみのふたりが餅つきまして、後ろの方で文が団子に丸めてる。3人揃いのミニ丈の着物。頭にはうさ耳つけてまして、月のうさぎだ。3人の周囲にもうさぎがいっぱいいて、団子づくりを手伝ったりしてますね。季節のイラストなんだけど、なんともいえない不思議さが面白い。3人の表情も感情? よくよく表してそれもまたよい表紙です。
今月は新規ゲストが多めの5本。さらに読み切りが2本掲載です。
『きゃすとおふ!』。シンプルにネタひとつで押し込んでくるタイプの漫画だ! 友達の家にいったら、どんどん服がなくなっていく。最初は上だけ下着姿になっていて、気づいたらスカートまで消えてしまって……。焦って、上になにか着るようにうながしても、ちゃんと着ている、暑いくらいだという。これ、主人公にだけそう見えてるのか。友達のひまりだけが透けるのか、他の人も透けるのか。そのあたりは現時点では不明ですね。上にジャケット羽織らせてみても、すぐさま消える。タオルを巻かせてもまた消える。この消える謎、とりあえず先送りして第1回は終了。これ、いずれ解決するなり、さらに過激化するなりするのかな?
『謎のリリリス』。これまた謎ばかりというか、ストーリーっぽいもの、設定なりはあるみたいだけど、ほぼなにも語らずに初回終わってしまった! わかってるのは、謎のフードの人物が消滅しそうになっていたということ。これがリリリス? あの謎の着ぐるみのかつての姿? そしてさわじまとあいまり、ふたりが謎の空間に捕われてしまったということ。落ち着きのないさわじま。諦めた? 順応性が高い? わりと落ち着いているあいまり。謎のリリリスがこのふたりを呼んだのは、自分のエネルギー供給源にするため? 最初は着ぐるみだったリリリスが、次に現れた時にはフード被った子供みたいになっていて、これ、同一存在よね? 消滅しかけた自分を取り戻そうとしてるっぽいですね。
『そらコミュニケーション』。両親を飛行機事故で亡くした? いや、あえて行方不明とボカされてるってことは、どこかしらに生存してる可能性もあるのか。ともあれ、両親と別れ、以来伯母と暮らしている天音せんり。彼女のもとにやってきた自称宇宙人のソラ。伯母の作ったヒューマノイドロボに精神だけ送り込んできたというんですね。なので見た目は人型。本当の姿がどんななのかはわからないな。ともあれ、ソラ、せんりの両親との約束でやってきた、せんりの妹になるためにきたというのですね。これ、両親が行方不明になった事故が、宇宙人との遭遇によるものだったりするのかな? まだ今回は出会いだけ、続く話でどういう関係が作り上げられるか、あるいは明らかになる謎があったりするのか。展開に期待させられます。
『少女漫画みたいにならないよっ!』。普通の恋愛ものかと思ったら、見事にひねってきましたね。少女漫画みたいな恋愛に憧れる理莉。七海に告白して、つきあうことになったふたりがデートに出掛ける。なるほど、行動派、アクティブな理莉と、気弱で怖がりな七海、そのギャップ、デコボコな恋愛模様を愛でようというような趣旨なのかい? そんなこと思ってたら、最後のアレですよ。夜中にけたたましく窓を叩く者がいる。事件? 七海くんにもしものことが!? 死んじゃったーっ!? と思ったらそれ以上。なんと幼女になってしまいましたって。って、待って、少女漫画どころじゃないな。これ、ジャンルなんなんだ。ゲスト第1話ということは続きがあるということ。全部で何話用意されてるのだろう。戻るところまでいくのか、あるいは戻らない? 七海の明日が心配ですね。
『飼い主ちゃんとくるみちゃん』。飼い猫が人の姿になってしまいました。これ、飼い主のあんずにだけそう見えるのか、他に皆からもそう見えているのか。後者でした。あんずを迎えにきた友人のこむぎにも、飼い猫、くるみが人の姿に見えていて、そしてこのくるみという猫の子、やたらリアリスト? いや、リアリストは人に変身したりしないな。人の姿をしてるけど、猫らしい性格も残していて、一緒にいった学校でも基本寝ていた? くるみが人の姿になった以外は特に事件らしい事件も、トラブルもおこらず、無事一日は終わって、そして一緒に就寝。くるみはなぜ人になったのか。明日もまた人の姿かあるいは猫に戻るのか。ともあれ、いずれにしても楽しそうにしているあんず。強心臓だなあ。友人こむぎともども、見事な対応力でした。
『宇宙しき女子道』。変なタイトル。女子力が可視化されるという謎の能力開眼。ゼロになると大変なことになるといわれて、学校で抜群の女子力を誇る佐藤あまねを頼ることにした遠堂しおん。このしおんという子、特に女子らしさに欠けるとかいうことない感じじゃない? そう思っていたのだけど、この子の言動追ってみれば、なるほどなかなかの武辺者。質実剛健? マイペース? あまねと一緒にいれば、より一層にハンサム女子しおんのかっこよさが際立つといった感あるのですが、なるほど、これら要素が全部タイトルに盛り込まれていたんだ! 最後の落ち、あまねの策略が判明して、なるほど、すべてはしおんと近づきたいがため。途中のやりとりも悪くなかったけど、最後にハッと全部が繋がる感覚、すっきりするものあって、これ、大変よかったです。
- 『まんがタイムきらら』第17巻第10号(2019年10月号)
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