『まんがタイムきららキャラット』2019年6月号、発売されています。表紙は『まちカドまぞく』。TVアニメ放送が7月からという告知をドーンと出して、そしてイラストはシャミ子と桃がふたり旅の空の下。シャミ子、いい笑顔してますね。手にはジェラート、トランクにはご先祖像もついていて、あ、帽子が風でとばされてるよ? 桃はというと手に地図を持って、シャミ子にこれからのルートかな? 説明しようとしているところみたい。肩からかけたカバンには時は来た!! のあの猫さんが! なんだか楽しい表紙。菜の花ばたけにモンシロチョウ、春らしさあるところも素敵です。
今月は新規ゲストが2本です。
『学生寮はあやかしやしき』。きれいに1回で完結させてきましたね。今日から入寮することになった学生寮。自分の部屋に入ったらセーラー服の女の子が話しかけてくるんだけど、まったく気づく様子もなくて、あ、これあれだ、どっちかが幽霊ってやつだな。続いて寮母さんに挨拶して、次に出会うのが水着姿でビショビショに濡れてる先輩。水泳部だっていうんだけど、常に水着なの? しかもビショビショのままなの? そして最後に、幽霊が出るという噂を受けて調べにきた巫女さん。さて、これだけの人数が集まって、生きているのは誰だろう。そして幽霊は誰なんだろうという疑問。ここまで構造がわかりやすいと、言動もろもろからうかがうのも面白い。でもって幽霊トーク? 怪談してみて、よくあるパターン、それを変な方面からツッコんでみたりとか、そういうところにコミカルさ出しながら、そして最後に種あかし。一夜明けたら寮は廃墟になっていて……。ええ、定番ともいえる展開だけどいい短編だったと思います。味わい、感触、悪くなかったです。
『TRUE BLUE』。タイトルが韻を踏んでる。さて、こちらはえらい突拍子もない話で、のっけから地球爆発。女子ふたりで危機を脱出し、そして住める惑星を探すというんだけど、ふたり乗りの宇宙船、さらにはワープまで可能、って、そこまで文明度高いのなら、他の人も助けてあげて! まあ、そのへんは気にしない方向でつっぱしるというのがこの漫画のテイストですよね。見つけた移住先の惑星も、大気組成を調べてる、その結果も出ないうちに上陸果たしてるやついるし、しかもそこからも石かと思ったらシュークリームとか、海の水が塩水ならぬ青汁とかね、この理屈もへったくれもない勢いまかせの展開。さらにここに女子プロレスラーまで登場してというのね、見事に翻弄してくれるというか、この振り回される感じ。なかなか尋常ではないもの、ひしひしと感じさせてくれました。
『まちカドまぞく』。魔法少女の抱えてる問題を夢経由で知ることができたシャミ子たち。さあ次はリコだっていうのだけど、夢の中は豪雨に濁流、感情が嵐となって渦巻いていて、シャミ子も追い出されてしまうレベル。これ、どう対処していくんだろう。通信の問題は機種変で、そしてリコの説得には、バク店長を神様に昇格させて、依代に降臨させる。これ、びっくりだわ。蛟の話がここに反映されてくる。これら全部、計画のうちか。もう舌をまくよね。そしてここからがさらにびっくり。店長の降臨に姿を現したリコがいうんですよ。マスターはウチの彼氏やん! って、そうだったの!? って、店長もびっくりしとるやん! え、違うの!? どっちなん!? ここからのやりとり見る限り、リコの恋が叶う未来はなさそうなんだけど、なんとかしてリコに魔法少女紅に謝らせるよう誘導しないといけない! 小倉が悪魔だわ。リコの心の隙間につけこませるべく、シャミ子に助け船出しとるやん。結果的にこれでよかったんだろうけど、ほんと、ここの魔族は優しいなあ。人の方がいくらも悪そうで、こういうところもこの漫画のらしさですよね。しかし、小倉、なんかまだいろいろ抱えてそうだよなあ。
『恋する小惑星』。今回は桜先輩とすず、ふたりで活動ですよ。バレンタインデー用にチョコレートを手作りしたい。恋愛話!? って思ったら、桜先輩はそういうわけではないのか。でも、すずはそうですよね。煩悶してますよね、ずっと。いつもなんでも冗談めかして本心見せないすずだけど、桜に核心突かれてドキーンって、ほぁ…って、ちょっとめずらしい表情見せてくれましたね。そしてふたりのチョコレートづくり。ジャージ姿に駄目出しされる桜先輩! いや、ジャージエプロンも可愛いやん! でもすず的には許しがたかったかあ。溶かして固めるだけとあなどってる桜先輩に、チョコレートの温度管理と結晶化について説明するすずですよ。いきいきして、キラキラして、で、その様子見て自身を省みるっていうのがね面白い。そしてチョコレートの温度管理実践。ざぶんざぶんはあかんわ! 水入ったら駄目になるよ!? って思ったら、実際駄目になってた。桜先輩、よくいえば豪快、ありていにいって雑だな! こうした様子も面白かったんだけど、その果てに、ふたりの本音の交錯したところ、あれはよかった。ツンツンするより素直になればっていわれた先輩の、すずへの軽いやりかえし、ああ、さすが年長というべきなのか、しっかり見てますよね。ほんと、今回は桜先輩の素直な表情見られた、それが嬉しい回でした。そしてすずも一念発起。覚悟を決めて、みさ姉のもとにいきましたね。さあ、これ、どういう結果を見せるのか。引っ張りますね。不安ですね。
『RPG不動産』。お祭りの情景ですよ。ランタンを飛ばすやつだ。そこに願い事を書いた短冊をつけるという、なんだかちょっと馴染みのある感じの風習もあったりして、こういう私にとって異文化感じさせるものと馴染みあるものがハイブリッドで出てくるの、面白い。この灯籠は神様に向けて一年の無事を祈願するために飛ばすんですね。そのお祭りで出会った迷子の女の子。この子、ミモちゃん、この展開だと神様だったりするの? とか思ってたらですよお父さんお母さんがいるのか。ということは神様じゃないのかな? いろいろ想像、予想があっちいったりこっちいったりする面白さありました。そうそう、RPG不動産のみんな、子供あやすの苦手すぎない!? 琴音がほんとおかしい。でもってやりすぎるラキラ、ものすごい表情見せるルフリア。いやもう、強烈な印象でした。ミモが両親に願い事届けるといって、灯籠にむかえにきてくれますようにって、その時のミモの話でね、両親ふたりとも亡くなってるんじゃないかって思わせたり、けど実は……ってその後の展開、いやもう、さすがというか、この世界ならではなんじゃないかな、すごいことが普通のことみたいにして起こるんだから面白い。その後のお礼のくだりもね実によかった。しかしこれ、ファーは一生お菓子に困らなくなったの!? 琴音ももう二度と太らなくなったの!? 驚きの展開、驚きの結果。ほんと、なんかちょっと太っ腹すぎて、ニヤニヤしてしまう、そんな面白さでした。
- 『まんがタイムきららキャラット』第15巻第6号(2019年6月号)
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