『まんがタイムきららフォワード』2019年6月号、発売されました。表紙は『はるかなレシーブ』。遥と彩紗、ちょっと意外な組み合わせですね。ここに成美がこないのは、彼女がこうして誰かと組みあわされるとしたらかなたが来るから、なのでしょうか。本編はいよいよワルキューレカップの火蓋が切られようとする、その前夜。これからはじまる激闘、その情景を先取りするかのようなイラストであります。
今号は新連載が1本、新規ゲストが3本です。
『デスサイズぷるるん』。『まんが家cherry!』のさふぁ太が新連載で帰ってきました。今回も漫画家もの。いきなり編集者から駄目を出されているところからスタートなのですが、それにしても追い詰められすぎてはいないだろうか。センスこそは認められるけれど、その先へ進むためのなにかが足りない。そこで担当の編集者は色気の必要性を問うわけですが、そうか、主人公ポン太氏のキャラには色気が足らんのか。これ、持ち込み先を変えるとかすべき案件なんじゃないのか。それに、ちょっとセクハラに踏み込みかけてやいないか、編集者さん。なんとか思ったりしたのですが、この女性経験の少なさが自信のなさに繋がってる? そんな主人公の突然の事故死から、死神との出会い。いずれポン太の魂の価値が大きく育ったところで死んでいただきます。そのためにはまずポン太の夢、漫画家としての大成を勝ちとらせなければならない。ということで、その夢の実現にこの死神、ええと、ぷるるん? プルシア・プルーイットが手を貸そうって話になるっぽいですね。ええと、主にエロい方向で?
『ねことちよ』。最初、ねこと呼ばれてる少女、本当は猫で、人の姿に見えている系の漫画なのかな? とか思ったんだけど、読み進めても読み進めてもそんな感じにはならなくて、そうか、人でいいのか。仕事にくたびれて帰ってきたちよ、この人の癒しはこの子、ねこなんですね。家で待ってる人がいる。ねこも、ちよが帰ってくるの、楽しみに待ってたんですね。ふたり、夕食はなににするかって話をして、買い物いって、一緒にハンバーグ作って、他愛もない日常の話? けど、それがなんだかじわじわ面白くって、これ確かに悪くないかもなあ。ちょっと癖になる、そんなスローテンポと、ねこのぐりぐり攻撃。最初はほのぼのが強いと思っていたのだけど、ハンバーグのたねがべしゃってなってしまうところ、あそこ、なんだか笑っちゃって、不思議なおかしみ。悪くなかったです。もう眠くなってるねこのあくびを誘うところとかもねよかった。いい情景。うん、いい流れができてるのだと思います。
『家政婦のギャル』。父ひとり子ひとりのふたり暮らし。そのどちらも家事が苦手で、炊事も掃除もまるでとどこおってしまっていて、そんなところに父がお願いした家政婦がやってくることになりました。どんな人だろう、息子、わくわくしてるの、しゃあないなあ。けど、その家政婦がまさかの同級生で、ギャル系? さばさばして話しやすそうな子じゃないですか。とか思ったのだけど、主人公のボーイはちょっと苦手にしてますね。あまり関わりたくない、そんなこと思ってた子が、てきぱき片付けしてくれて、オタクだからと部屋を汚なくしていたことも、それじゃ駄目だっていってくれて、それで部屋を小綺麗にしてくれた。いやいや、床にモノがないって感動してますけど、結局これってモノが少ないからこそ可能な話ですよ? うん、いずれどうしようもないほどモノに溢れる日がくるからね。さてさて、夕食も世話になって、そして妹たちのあまりものでよければ弁当用意してやってもいいって、こうしたやり取りの果てに翌朝のアクシデントじみた展開。これ、一種のボーイ・ミーツ・ガールなのかな。節点のないと思っていた女の子に影響されて変わっていく、そんな話の導入にもなりそうな一本でした。
『中央線沿線少女』。かつて出会った女性の思い出。大学で入った写真部。祖父の形見のカメラ、ライカIIIfを持ってはきたものの、出会いや宴会目当ての部員の中でどうにも浮いてしまっていた。そんな彼が出会ったのがオリンパスペンFでもって撮影していた女性。クラシックカメラが好きなのね。写真、カメラを縁に出会って、深く知り合うことになろうかという矢先に告げられた留学。この時の出会い、記憶が鮮烈に残って、10年の時が過ぎた今もなお忘れがたい。そんな出会いと別れ、そして再会。ノスタルジーなのかロマンなのか。感傷的な筆致が印象に残ります。
- 『まんがタイムきららフォワード』第13巻第6号(2019年6月号)
0 件のコメント:
コメントを投稿