『まんがタイムきららキャラット』2019年5月号、昨日の続きです。
『RPG不動産』。すごくいいですね。起こった事件が次の展開へと状況を押し流していく。前回のドラゴン騒動。そこからファーの疑惑が湧き上がったと思ったら、今度は被災した人たちの住居問題でてんやわんや。とりあえず城で受け入れたのだけど、あまりの人数に対処しきれなくなった。というので、我らがRPG不動産に住居提供の依頼が舞い込んだというんですね。でも、あまりの大変さに目がまわりそう。ルフリア、青い顔してますね。さて、この問題の解決です。ここでファーが大活躍。人と言葉の通じない亜人、その人の通訳することで、トラブルを回避。これが城の地下にある多数の部屋を発見に繋がって、大きなトラブルも解決しちゃうっていうんですね。って、その部屋、牢獄じゃん! でも、ルフリアのいう、今からは人を助ける場所になるという言葉、これ、よかったなあ。かつてとこれから、その役割が変わることで、評価も変わる。これ、ファーの問題にも繋がる言葉だったりするのかなあ、なんて思いました。でもって、亜人のおじさん、トレジャーハンターなのか。トラブルになりそうだった人も冒険家やっていて、ファーのとりなしがきっかけとなって、ふたりが互いをリスペクトするにいたる。この種族を超えた和解というのも素晴しくって、ああ、このファーのお手柄、これもまた先のファーをめぐる展開に繋がるなにかかも、なんて思えたりしたんですね。
『あやしびと』。2話になって、これ、さらに面白いな。アヤ、のっけからピンチだったわけですが、その時のことを語って、精神がおかしくなりそうだったよ。だよなあ! 今回は妖人の寮に入ることになるんですが、ここでのやりとりも面白い。校長のサトリと、寮管理人の夢食ユユですよ。この人は貘なのか。悪い夢を食べる、といいながら、ついついいい夢も食べたりしちゃってて、それがサトリ校長には筒抜け。あの叱られの状況、もうおかしい。さらにアヤの心も読まれて、そうか、アヤはえっちですか。この評価、後々、ちょっと回収されたのも面白かったです。夢を食べるのは寮生を守るためでもある。悪夢に苦しんだりしないようにしてくれてるのかな? と思ったら、もっと具体的に被害の出ることもあって、そうか、サキュバスの能力が影響して見せられる夢もあるんだ。その夢、ユユに食べてもらってアヤが、やっぱりちょっとえっちらしいというの、なるほどこれがこの子の個性ってわけですな。そしてこの夢をめぐるもろもろ、まるごとユユに処理してもらって、なにもなかったことにはなったんだけど、これ、ユユには人間ってこと、いつか確定的にバレそうですね。今は、なんとなく誤魔化せてますけどね。
『精霊さまの難儀な日常』。手堅い構成、見事ですよね。水が苦手なサラのなにげない言葉がルカを傷つけてしまっている。サラは、よくいえば素直で、悪くいえば無神経にズケズケいっちゃうところあるからなあ。すっかりルカのこと、怒らせてしまった。でも、町内で頻発する不審火。ルカにちょっと疑われたサラがですよ、不審火に遭遇して、火にまかれそうになったルカの前に颯爽と現れるのね。ああー、こういうとこがルカの心を掴んじゃうんだねえ。ルカのこと、意図せず傷つけたり、意図せず怒らせたりしてしまうサラだけど、意図せず心を掴んで、ヒーローになってるっていうのがね、やっぱりサラらしさなんだろうなって思わされて、素直で真っ直ぐなサラの美点、それが際立つ活躍でした。今回の不審火も、まさか放火? とか思ったら、誰の悪意もない事故で、そうしたところも安心、嬉しい展開でした。ルカの力が及ばなかったのも、それが油火災だったから。ええ、よく考えられていて、この作者、こういう下地をしっかり詰めていくの、ほんとうまいですよね。
- 『まんがタイムきららキャラット』第15巻第5号(2019年5月号)
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