『まんがタイムきららキャラット』2018年7月号、発売されました。表紙は『Aチャンネル』、トオルとユー子の見返り構図。ふたりともに傘のうち。背景の緑は、被写界深度の向こうに淡く溶けるようにおぼろになって、キラキラと煌めく光は雨の雫が晴れ間に輝いているのでしょう。実に美しく印象的です。負けず輝くのがふたりの笑顔で、いやもう、とんでもない美少女っぷりを見せてくてくれますね。美しいふたりですよ。
『まちカドまぞく』。シャミ子と桃、ふたりでミカンの夢にダイブしているわけですが、ようやく形を持つにいたった使い魔ウガルル。最も交渉に向いていなさそうな桃が正面切って説得しようというのですが、いやもう、ちょっと考えてはもう面倒くさいからって暴力に訴えようとするの、この子のらしさに他ならないのに、この子の欠点だっていうの、切ない状況だなあ! 魔力を枯渇させそうになってるシャミ子、頑張りましたよ。やっぱりこの子は人の気持ちを汲み取れるいい子だと思う。自分のことを心も魂も持たない存在というウガルルに、ありがとうって言われるのが好きなくせに心が無いとは何事だ! 間髪入れずそれをいえる瞬発力、ほんと、これ、素晴しいわ。そしてミカンもウガルル説得に加わって、自分の経験をもとにウガルルを叱咤激励ですよ。ほんと、いい子らだなあ! 解決に近付いているミカンの呪い問題。でもこの解決が、次の活動の起点になるんですね。この次へ次へと進む様、見事です。
『mono』。甲府、ワイン探訪ですよ。トンネルを利用したワインカーブとか、しかもそこで、ワインの試飲ができる。え、1100円!? しかも、それ、半ば飲み放題じゃない? 少量ずつではあるけれど、いろいろ沢山飲めて、試せて、それがあんなにも多品種に渡るっていうの、これ、飲み放題いらんよな。ひととおり、一口ずつでも試飲したら、もうかなり回るじゃないですか。ええ、まさしく春乃がそうなってしまったがごとく! しかもここ、温泉まである。すごいな、屋上露天だ。甲府盆地を一望できる! っていうんですが、その展望、雄大さやら魅力やらをばっちり見せて、その上で強化ガラス案を提案、しかも即却下させるというやり取りの面白さ。やってることはシンプルなんですけどね。でも、それが実に楽しく面白く感じられるんですね。ああ、そうそう。今回、ちょっとしたサービスありますね。ええ、まさか先生!? ほんと、えらい意気投合したもんですよ。
『おとぎの街のキャスト』。面白い舞台設定ですね。街そのものがテーマパーク。フェアリーテールタウンにやってきた森月乃朱。これからこの街に住む親戚の家で暮らすことになるというのですが、道がわかりません、スマートフォンの電池も切れて連絡もとれません。さあ困ったという状況。この街は、街にしてテーマパーク。そこかしこにキャスト、テーマパークの従業員がいて、たずねてみれば? と思うのだけど、生まれついての人見知りが災いして、どうにも声をかけられない。そんなピンチに現れたリボンの妖精フェアリーリボンなる女の子。ぐいぐい話しかけてきて、あちこち連れまわしてくれて、これ、そうか、最初に声をかけてくれたお姉さん、元気のない乃朱の様子を見兼ねて戻ってきてくれてたんですね。街そのものがテーマパークという状況、今後乃朱もキャストとして働くことになるのだそうだけど、フェアリーリボンと一緒にいた時に迷子の子供を助けた手腕、それが描かれていることできっと乃朱もいいキャストになるのだろうな、そんな風に思わせてくれるの、いいなと感じました。
『エリクサーの楽しい作り方』。魔術学園に入学してきたのかな? アイリスがふと訪れたエクサー研究部。そうか、この世界においてもエリクサーは貴重品、どころか未だ精製に成功したものはいないというような代物なんだ。そんなエリクサーの精製に取り組む部活が学校にある。そこで研究にいそしんでいるのが中等部のルルミエル。人見知り? 人嫌い? けれどきっと優秀なのだろう。そんなルルミエルに、いろいろ危なっかしく、不用意で、かついうことを聞かないアイリスが出会ってしまった。実験過程で起こるトラブル、その引き起こされるもろもろを受けるふたりの姿を見ていこう、そんな具合でありますね。今回できたのはエリクサーならぬ惚れ薬。薬にやられたアイリスにルルミエルが押し倒されて……、といった描写がかなり力入れて描かれたのですが、これ、今後もいろいろ際どい描写を押し出していく用意ありといった予告のようにも感じる導入でした。
- 『まんがタイムきららキャラット』第14巻第7号(2018年7月号)
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