『まんがタイムオリジナル』2018年7月号、昨日の続きです。
『カントリー少女は都会をめざす!?』。今回は他県のナンバー。車のナンバープレートのことですね、それを話題にするんですが、連想ゲームさながら次へ次へと話が転がっていくのがおかしくってですね、ナンバープレートから都会代表のプレート持って入場行進。で、部活に着地するっていう、どんだけ難問なのかって感じですけど、これをすらっと推理して当ててしまう亜紀が見事です。しかし、この亜紀、互いに褒めあいはじめたみなと八重見て、巻き込まれたくないって思ったかな? とっとと学校にいっちゃうの。で、学校ついたら級友に友情確かめあってるとかいっちゃうから、またここでも連想ゲームですよ。河原で殴り合いしてるみたいになっちゃった。ほんと、最後の会話のボタンの掛け違い。こうしたやりとりのおかしさ、面白さ。実によかったですよ。
『少女Switch』。マコにいやがらせ発生ですよ! 足をかけられたり、それから中傷の手紙入れられたり。でも、どうもマコ、あんまりショック受けてない。というか、足かけられたこと、気づいてないのか気にしてないのか、この子、大人物だな。これね、最初ね、うららとマコが仲いいのに嫉妬してマコにいやがらせしてるのかな? そうだな!? って色めきたったのですが、あれ? 男子なの? 笹沼とかいう馬の骨なの? 他人の弁当の卵焼き横から奪うような野蛮なやつのこと好きで、マコに嫉妬なの? そう思って落胆しかけたら、いやいや、ナイスでした。信じてよかった。うららが、適当なこといって、マコと入れ替わったんですよ。もちろんマコを守るため。接触してきた望月香織をとっつかまえて、なぜいやがらせするのか問い詰めたらば、おお、やっぱりうららか、うららのことが好きなのか。憎い! 羨ましい! どうしてくれよう! わかりやすいけど、この子もなんか困った子だな! でもこうしてうらら、事情さえわかっちゃえば、マコから話を聞かされてやってきました、友達になりましょう。かくしてマコの評価もうなぎのぼりで心の友ですか!? ほんと、この強烈なキャラクター、翻弄されるマコ。実に面白かった。ちょっと剣呑な展開ではあったけど、キャラクターの愛らしさで不快さとかはきっちりキャンセルされてて、よかったですよ。ほんでもって、無心で廊下歩いてるマコ、可愛かったです。
『部屋にマッチョの霊がいます』。ああ、いい終わり方してみせました。終わり方としては、大きく2種類あると予想していたのです。ひとつはアッコが完全に消えるパターン。でも木葉は強く成長しました。もうひとつは、あっけなくアッコが戻ってきてるパターン。もうお別れの気持ちの整理をつけたのに!? そのどちらでもありませんでした。いや、すっかりその可能性に気づいていなかったのです。そうか、ずっとヒントは示されてたんだ。涼さんの弟さん。これね、幼い弟なんだと思い込んでしまってた。さらには入院で、容態が、っていうのも、怪我とか事故とかじゃなくて病気なんだと思ってた。これ、どういう描写されてたのかな。そのへん明確にしてたのかどうか、ちょっと単行本読み返すとかしないと駄目そうですね。しかし、このラスト。涼さんの弟がまさかのアッコ。その回復を電話で知らされていた神奈子の木葉に向ける視線も暖く、この皆との関係もすっかり変わった。木葉はすっかり変わった。その変わるきっかけとなって、また時にはげまし、叱咤し一緒に頑張ってきたアッコとこうして再び出会えたこと、それが本当によかったです。ええ、いいラストだったと思う。ほんとにいいラスト。木葉もいい笑顔を見せてくれました。
『ゆとりの町長』。開票開始から結果が出るまでの間。じりじりと状況の推移する様に神経の磨り減らされる……、というような情緒はどうもゆとりにはないみたいで、いやね、3人しか出てない選挙ですよ? 私より下がいたって、それ、まあベベよりいいとはいえるのかも知れないけど、こればっかりは2位でも3位でも同じく敗退ですから! 開票を終えた地区。まだこれからの地区。それぞれの年齢構成の違いなど考慮に入れながら、まだ可能性はあるというかなめ。でも、可能性があるとしても30%くらいなんじゃ? と冷静なこというゆとり。このまな板の鯉というのか、今さら足掻いてもどうにもならないとわかってる、そうした気持ちと、当選確定の出るのを祈りながらリロードし続ける気持ちと、この揺れる様、胸に迫ります。そして結果が出て、ああ、そうか、駄目だったか。80票差。もう少し、けれどどうあろうと負け。その事実を突き付けられながらも、あれをいえるゆとりは立派だったと思った。いや、もう、これ、力感たっぷり、感動の名シーンじゃないですか? これまで、ゆとりとかなめの活動追ってきて、いろいろちゃらんぽらんで、もうほんとコメディでしかない、そんな場面も多かったけど、反面、自分の街のこと、社会のこと、自分自身のこと、いろいろ考えてきたところも沢山見てきた。だからこそだと思う、堂々立派な最終回。その後の往生際悪いゆとりも、また次の選挙への期待にじませるところも、ああ、彼女らにはまだこの先があるのだあなと思わせてくれて、実にいい終わりでありました。
- 『まんがタイムオリジナル』第37巻第7号(2018年7月号)
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