『まんがタイムファミリー』2016年7月号、先日の続きです。
『あまてる!』は、進路の話、将来の話は落ち着いて、今回は日常の様子に回帰といったところでしょうか。女の子たちが、楓のネイルアート見まして、自分たちもやってみたいと。それで、急遽ネイルアート教室が開かれるというんですね。先生は椛さん。特殊性癖さえなければ理想のお姉さんとか、直球な批評がしびれます。デザイン考えて、それで下準備のベースコートして、そして互いに爪を塗っていくというんですが、舞のあの顔! きちんとしよう、そういう気持ちはいいのだけれど、思いすぎて緊張してしまうたちなんでしょうね。真面目な子だ。でもってネイルアート完成して、いつもより優雅、エレガントな振舞いしてたと思ったのに、それが全然持続しないっていうのがですね、ああ、この子たちのらしさなんだろうなって思えて、その元気さ、好ましかった。そして舞と天照。ふたりの感じる友情? それがねなんだか微笑ましくって、神様にしても新鮮な感覚だったのかも知れませんね。
『ダ・ヴィンチ系女子高生』、いったんの一段落? クロナカの時間旅行、その発端はなんだったのだろう。また自分の変化についてなど物思いする導入。図書館で飲食とかしなくなったし、本も読むようになった。成績もあがった。変化である、成長である。と、このテーマ、ダ・ヴィンチの時代に立ち戻ってなお実感させられるというのがね、なるほど一貫性ある構成であります。ダ・ヴィンチがですよ、すっかり丸くなりまして、若いころみたいな女性に対する敵対的な態度なんてすっかりさっぱりなくなって、あたりもやわらか、ライバルのミケラーニョロに対する評価なんかもすごく真摯なものになって、って、いや、本質はかわってない? いや、でも、ずいぶんと変わったところがあるみたいなんですね。ええ、人はかわる。よくも悪くも変わるんだ。そうした話。変わらないところももちろんあろうけれど、様々な経験を通して、知ること、思うことがあれば、それに影響されることもあろうし、自分の思い違いに気づかされることもあるだろう。そうしたこと描かれていたのだと思います。あるいは、これは、変化すること、変わりゆくことを怖れる必要なんてないんだ。よりよく変わろうとする、そうした謙虚さがあればよいのかも、なんて思わされたりもして、シンプルなエピソード、でもなかなかにいろいろ思わされるところあったと思っています。あ、そうそう、サライ、あいつもすっかり丸くなっちゃって! ほんと、人は変わるんだ!
『役職名はお嫁さん』は獅子本さん、女子力とやらを身につけようと、美如先生に教えを乞おうという話でありますよ。具体的には、合コン直前の一夜漬けで、美如先生の振る舞い、付け焼刃で身につけたいという話。うん、わかりやすい。で、それはいいんだけど、陽大たちはすぐさま失敗の可能性考えて、いや、もう、獅子本さん可哀そうに。しかも、直すべきところといわれて、男運と即答されちゃうとかね、いや、もう、でも、ほんと、そのとおりではあったんだよなあ。美如先生のレストランマナー、これ、おかしくって、いやね、案の定なんですけど、話すこと、また例えがことごとくビジネスに直結するんですよ。いや、まあ、この人ならそうなるよな。でもそのアドバイス、あるいははげましを受けましてね、獅子本さん、確かにかわりましてね、いや、ほんと、とてもよいんじゃないでしょうか。でも、それでも結果発表、ろくでもない物件だったこと判明しまして、ああ、やっぱり男運なんだ。男運が悪いんだ。
『かしこみかしこみ』は、そろそろ梅雨ですよね。ということで、雨具のお話。クマの南天が山からやってきて、レインコートを作ります。仕立てるのは山椒なんだ。さすがですよね。しかしその山椒を褒める南天、そして奏衣様。この照れてる山椒、実によかったですよ。南天の主である真森様のこと、奏衣様はものぐさだ、面倒臭がりだっていいますけど、南天からして見れば素晴しい主であるんですね。そうした関係、つながりの深さ、信頼なんてものもうかがえる今回。最後の最後、濡れて帰ってきた南天の風呂上がり、いくらフカフカ毛皮を楽しみたいとはいえ、手ずからドライヤーでもって乾かしてくださるとかね、そりゃあ喜ばしい、嬉しいと思えるものでありましょうなあ。
- 『まんがタイムファミリー』第34巻第7号(2016年7月号)
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