『まんがホーム』2016年6月号、一昨日の続きです。
『天国のススメ!』は、太一のところに可愛い女の子の幽霊がいるんですってよ。それで例のあの人が生霊とばしそうなくらい、おどろおどろしく変化して……、って、ほんと、この人、普通にしてたらかなり可愛いのに、こういうところで損、は別にしてないな。太一が振り向かないのは別の理由だよね。さて、太一のところにいる女の子の霊。大変にかわいらしい。まるでお人形さんみたいで、その子がなぜ太一を呼び止めたのか。さらには、名前も知らない、おうちどころか、その概念さえ知らないというこの子、どういう由来、来歴があるのか。太一たち、その子と出会ったところに戻ってみて、そしてわかることがある。ああ、この子、もとから人形なのか! さらには、その人形の由来がですよ、太一のお母さんが作ったやつなのか! ああ、母の語る人形の来歴。ムギの生まれる前から作りはじめた。そして今はこの子のために、家族を作っているんだって。そのお母さんの語り口がですね、しみじみと優しくて、その優しさ、気持ちが人形の女の子にも通じたんだ、そんな風に思わされるエピソードでありましたよ。
『主任の一ノ瀬さん』、まさか前回のブラックスナイパーの話、続くとは思ってもいませんでした。会長がですね、クソまずいドリンクなんていわれちゃったこと気になさいまして、こ、これは広告引き上げですか!? いや、そういう話じゃなかった。売り上げ5倍にしてもらう! って、そんな無茶な! っていうんだけど、お、一ノ瀬さんがヤル気だ! 一ノ瀬さんがヤル気になったら10倍20倍あたりまえだよね! と思ったのに、駄目か、5倍もきついか。というか、社内が疲弊しきって、ほんと、会長、殺生な命令お出しになりました。けど、会議の末に一ノ瀬さんの窮余の策が功を奏して、売り上げこそはあがったものの、会長はショックを受けられて、ああ、会長はブラックスナイパーのことおいしいと思ってらしたのか……、意識の相違が露にされたというこの落ちに笑ってしまいました。しかし、この漫画、終わってしまうのか! ああ、ショック! 次回、最終回、楽しみに待ちますよ。
『ようこそ!オーロラ百貨店』、デパートは新社会人応援フェアを開催して、そのせいか、皆が初心に立ち返ろうと思い立つ。って、えにちゃんは戻りすぎだ! でもって、帽子ならなんでもこいの撫子、さすがの変態力であります。水菜の新入社員時代、少し描かれまして、ああ、この人、今よりもずっともっと可憐でいたいけだったのだなあ。そして社長の初心! ああ、遺書って! あかん、あかんで! 初心初心といいながら、皆のびのびと自分の好きを押し出していて、そうしたところ、このデパートのよさと感じます。無理に初心を求めずとも、この自然体がとてもいい。というか、歩くと音の出る靴、これは初心関係ないしな! そしてえにちゃんの初心。ああ、むくわれてよかった。ほんと、こういう素直によいと感じられる魅力、それがこの漫画の初心なのかも知れない、なんて思いました。
『うちの秘書さま』ははじめ様がおいたですよ。皆に内緒でゲーム機買いまして、夜中、遅くまで遊んでるっていうんです。けど、さすがの七瀬、慌てて隠したはじめの様子見て、ぐいっと踏み込んでいきますね。と、それをメイドの彼女が誤解する、そこまではもうセットといえる。いや、でも、ほんと、このメイドさん、とんでもなく可愛いな。自分がはじめなら、秘書じゃなくメイドにいきます。翌日、寝不足で調子の出ないはじめ。その様子にメイドがうろたえたり、心配したり、それで緊急会議が開かれる。これ、第298回だそうですが、どれくらいの頻度で開かれてるんだろう……。メイドの心配、その結論が五月病となったのをいいことに、わがまま放題やっちゃうはじめ様、ほんと、この人、絶対調子乗るよね。でもって、その後に酷い結果になるというそのパターン踏襲して、いや、もう、目を伏せているメイドたち、彼女らの閉ざされた目の向こうではどんな惨劇が繰り広げられたものか。描かれぬのが花、といっていいのか、ほんと安定のはじめ様です。
- 『まんがホーム』第30巻第6号(2016年6月号)
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