『まんがタイムきらら』2016年3月号、昨日の続きです。
『神様とクインテット』、もう全然違う方向にドキドキ☆ビジュアル。のっけから猫がヤバいし、ずっとヤバいし、おしっこやら鼻水やら、他にもいろいろヤバそうなものやら、ドバドバ、ドバドバ、おおう、これものすごいな。ほんと、コマ、枠を超えて飛び散るいろいろ。そうした見た目のヤバさに翻弄されるみたいにして読んで、けれどメインの流れはどこかいい話? ベタではあるんですけどね、でも、これ、それっぽいいい話を提示して、そこにヤバい見た目を盛り込んで、ギャップでもって見せようって腹なんじゃないの!? ほんと、どんどんあらわになる異様なノリ。これ、癖になるんだよなあ。
『スロウスタート』、花名、ずいぶん苦しんでいるみたいですね。浪人しているという、その秘密を明かせないでいることに。夢に見たりする。ああ、口にしたらこんなに楽になるんだ。重苦しく考えすぎる必要なかったんだ……。つらいね、起きてからがつらいね。なにも変わってない現実が、大きな落差を持って突き付けられるんだからね。ほんと、この子にしあわせと安息が訪れますように! さて、遅刻しそうになって学校に急ぐ花名ですよ。なんか違う。皆に挨拶。なんか違う。すごい大声で、元気な花名って珍しい! なに、これ、夢の効果? うしろめたさを吹き飛ばそうと、元気ふりしぼってる? 違いました。あー、耳栓してたのかー。けど、そんな花名も可愛くてよかったと思いますよ。恥ずかしいっていいますけど、そんな花名も素敵ですよ。友達もそういってるじゃありませんか。学校終わってその帰り、ちょっと元気を出してみた花名の挨拶。ああ、この子、ちょっとずつ前に進んでますね。なんか嬉しくなりましたよ。
『オリーブ! — Believe, “Olieve”?』、夏の海、皆でダイビングしたり、夜には花火を見たりといった、日常っぽい一コマですよ。これね、ダイビングしてる情景、面白くって、あおばがですね、スズに不思議なシュノーケルを貸してくれたりしましてね、これ、スズが魔法を信じないようになっている、それをいいことに、ばんばん面白アイテム貸しまくりですよね。魚とお話して、なんだか打ち解けちゃってという、メルヘン、ファンタジー色の強い描写があったかと思うと、こちらの世界の花火を見てその構造の云々のと先生と話しているちゑとかもね面白かった。そしてあおばに誕生日おめでとう。こうした果てに、卒業を思ったりね、その過ぎていく時間思わせるところね、ちょっと切なさなんてのもありました。
『チェリーブロッサム!』、おおおお、清火に迫られる大咲! これは大変なことになっちゃう!? なりませんでした。いや、違う、なったんですよ。なった。けど、そっち方面じゃなかった。そっち方面ってどっち方面? ゆうさん、ひふみんにばっちり喝をいれましたね。母のいうとおり、流されるままでいいのか。清火さん、この人もいろいろ限界だったのかもなあ。夫に先立たれて、そして祖母から疎まれる娘の姿を見て、その心に鬱屈していったろういろいろが、娘に誤ったかたちで注がれた。愛情ではあるのだろう。それはわかる。けれど、あまりにひとりよがりのものとなってしまっていて、けれどそれは自身が守られることがなく、けれど娘を守らねばと思う、その気持ちのアンバランスがあってのものなのだろうか。などなど、そりゃひーちゃんからしたら母のやろうとしていることは理不尽で、ゆうからしても、大咲からしても、そりゃもうとんでもなく理不尽なわけだけれど、この母は母で、長く、その理不尽を一身に受け続けてきた、その果てが今の状況なのかと思うと、簡単には責められない、そんな風に思うんですね。さて、娘と母の再戦ですよ。次こそは娘が自分の思いを押し通せるのか。そうあって欲しいと願うばかりですよ。
- 『まんがタイムきらら』第14巻第3号(2016年3月号)
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