『まんがタイムきららフォワード』2016年4月号、発売されました。表紙は『双角カンケイ』、一緒の写真に収まろうとして、ちさきにぐいっと身を寄せているあいり、であります。あいりでいいんですよね? 穏やかに微笑むちさき、対してちょっと躊躇するような様子を見せるあいり。これは、はたしてどういう心情でありもしょうか。いろいろ思わされるものある表紙でありますよ。そして『がっこうぐらし!』、『あんハピ♪』、『はるかなレシーブ』のカットがございます。
『はるかなレシーブ』、巻頭カラーで登場です。いや、しかし、ほんと、カラーになると威力すごいな。さて、はるか、かなた組とエミリ、クレア組の試合が続いておりますよ。最初、あまり乗り気でなかったクレアが、やけにやる気出してきて、いったいなんぞや、これはなんか理由あるな! ええ、かなたに伝えたいものがあるんですよ。なにか。ポーキー。ポーキーって何ですか!! うん、ここで躊躇なく質問くりだしてくれるはるか、すごくありがたいです! なるほど、スパイクに固執しているかなたに、変化球、フェイントを織り交ぜるべきではないか。けれど、かなたはあくまでスパイクに拘泥して、なぜなのか。その気持ちの根っこにあったもの。そしてその気持ちの縛りを打ち破ってくれたはるかのポーキー。ああ、これいいですね。かなた、気持ちをリセットすることができた。初心を、かつての自分の気持ちを取り戻すことができた。本当、これ、いい青春ものであります。そうそう、レシーブ、その意味するところも語られましたね。
『はためきしんぱしー』、ゲストです。川井マコトのコマ割り漫画。これは、と期待して読んだらば、いや、もう、これ、面白いな。一人前の死神を目指す女の子、松田若葉。これ、人間世界で使ってる名前。死神の試験で、人間の世界に暮らすというんですが、どうもこの若葉さん、クールであろうとしてるけどクールになりきれてない嫌いがある。平カンナ。若葉の友達。人間を観察、研究するためのうんたらかんたらといってるけど、それ、なんかさ、言い訳にしか聞こえないんだよ! 多分、それで正解です。ほんと、若葉がカンナを選んだの、面倒臭くない人間だから、っていうんだけど、ちょっとずつその面倒臭さ発揮してるの、むしろ若葉の方で、嫉妬したり自分の気持ち隠したり、もうね、まったくもって、君、自分のゆうとった面倒臭さ、ばっちり体現しちゃってるじゃん! ちーちゃんの出現に揺れる若葉の心。その苦しさから逃げ出そうとして、感情の深みにはまる若葉。あの、お昼の会話のシーンですよ。圧倒的。横に4段、同構図、若葉の目から見たカンナの表情を中央に、会話でもって進んでいく、その数ページ。この作者は、自分の強み、よくわかってるなあ! そう思わないではおられない。カンナの表情が、ものすごく物語るわけよ。でもって、カンナの若葉に投げた言葉が効果的に響く! うわあ、すごいな、これ、釣り込まれて笑っちまうもんな! そこからラストに向けての数ページも、もうね、微笑ましいやら、可愛らしいやら、でもって、やっぱり笑っちまうのよ! カンナ、すごく楽しそう! そして若葉、おおう、その表情! 君、めちゃくちゃチョロいな! ほんと、これ、かなり読ませる、そして笑わせてくれる、しあわせ、そうした読み切り。素敵でしたよ。
『メイデンスオーダー』、おおう、美しき女騎士イルカがオークの群に追い詰められて、うわー、なんてことに、クッ、殺せ!! って、えらいのきたなあと思ったら、おおう、なんかすごいことになったよ。それ、君の同人誌か! 女騎士もの、そのパターンが流行する以前からやってる古参であったか! この漫画、主人公、結城悠久の特性、好きなこととなると周囲がまったく見えなくなって、ひとり、語りすぎてしまう! っていうのがね、ああ、痛ましい……。自分はこうはならないように気をつけよう、反省したりなんかして、しかしこの漫画、オタクの趣味にかける情熱、みたいなのでいくのかと思ったら、ええーっ! 異世界にいっちゃう系なのか! 紆余曲折であるな! これね、異世界で彼が遭遇するの、鬼っ娘とかエルフ耳女騎士とか妄想させといて、やってきたのは実はオーク。しかし良く見ればいい男じゃねーか。すぐ殺すには惜しいで、グヘヘヘ。からの、クッ殺せ!! 展開か! と期待したら、違った! 違うんか! これ、彼の妄想世界がかたちになったみたいですね。大きなクモに襲われる女騎士、イルスフィカ・アンブレイ。彼女の危機に介入して、展開を自分好みに変えてしまう。そんな彼の能力に、悠久はまあいいかと受け入れて、騎士イルカはなんだこいつと困惑して……。しかし、有明ではイベント会場ごと消失しているという今回のラスト。ああ、彼ひとりが彼の心の世界にいっちゃったとかじゃないのか。全員がそれぞれの世界にいっちゃってたりするのかな?
『ソシャゲ廃人同好会』。うわー、これヤバい! 沼にはまる話だ! 白井初乃は、好きな漫画がソシャゲ展開したというので、その世界に踏み込んでしまった一般人。ちまちま遊んでいたのだけれど、どうしても勝てなくなってしまって、番外編が読めない! それで、ソシャゲ廃人同好会に助けを求めるっていうんですね。って、待て、待て待て、それ学校にあるんだ。というか、普通の人にはお薦めできないんだ! ソシャゲにはまってしまってる同好会の皆さんと普通の人との感覚のギャップ、そうしたものが描かれて、いやほんと、これは駄目だよ。課金を強いるゲームデザインに、同好会の強者どもも引いてしまう。でも、ここで諦めない初乃に、皆が課金ガチャをカンパする! って、あかん! あかんから! なんか、皆が私のカードでガチャを引いて! って、感動の展開みたいになってるけど、これ、感動したら駄目なシチュエーションだよ! ほんと、初乃、課金の沼に踏み込んでますから!
- 『まんがタイムきららフォワード』第10巻第4号(2016年4月号)
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