2016年2月9日火曜日

『まんがタイムきらら』2016年3月号

『まんがタイムきらら』2016年3月号、発売されました。表紙は『棺担ぎのクロ。』、おお、なんだろう、和風の衣装、けれどどこか影のさす、そんなところが感じられて、いつもの服に着物を羽織ったクロを真ん中に、着物着て鞠を抱いてるニジュク、サンジュというこのイラストから感じられる、和モチーフの、ただ明るいわけでなく、だからといって暗いわけでもないという、曖昧な夕暮れ時に似たほの明るさ、ほの暗さ。なんともいえない味わいある、そんなイラストが素敵です。

今日はゲスト感想です。

『ちっくだいばー』、ダイビングものですね。伊豆のダイビングショップで働いている川上奈恵。彼女の働く店にやってきた、オーナーの孫、稲野梓美にですね、海の魅力、ダイビングの魅力を伝えていこうというこの構図、とてもよいと思いましたよ。梓美、まず泳げない。海は苦手。水がとかじゃなくて、フナムシが怖いのか。ともあれ、そんな彼女に海の魅力力説して、ちょっと強引にでも海を体験してもらうっていうのがね、ダイビングを知らない読者にも、その魅力を少しずつ知らせていく、そういう狙いになってるようで、ええ、なんだかわくわくさせられるものありました。知らない世界を知る、というのを四コマ漫画に期待するのも変かも知れないけれど、そういう楽しみ、面白さ、確かにありますよね。

『ふたりごこち』、これはなんか面白い家族ものですね。女の子ふたり暮らし。家族に先立たれた柳葉結月を引き取った白鮫海里。どちらも普通の家族というものをよく知らないようで、高校2年生と中学2年生のふたり暮らしの、いちから築きあげていく関係を描いていくようなところが面白い。これが普通なのかな? ふたりともがそれぞれ戸惑ったり迷ったりしましてね、けどこのふたりは、このふたり独自の関係性を作り上げていくんだろうなあ、なんて感触であります。ふたりともに学校での様子も描かれて、結月の周辺、友達いっぱい、そこでの話も面白くって、そこで膨らませたものが、帰宅してふたりになった結月、海里で決着する。そんな雰囲気ありますよ。ええ、だんだんに打ち解けていくだろうふたりの様子、その変化していくだろうところ、楽しみでありますね。

『がくどうハイスクール』、高校生はお金が足りません。ライブにいって使い果たした。なので前借りを、というんだけど、お母さん、がんとして譲りません。かわりにバイトを紹介される。身内がやってる学童の手伝いだから見つかる心配はない、って、学校に許可とるとかそういう話にならないの、なんかいいな! お母さんの姿勢、いいな! かくして学童の手伝いすることになった志々木彩華、子供は苦手、金が目当て、友人の優莉も学童の手伝いしてると聞いて、全部おっかぶせようとする、とかちょっと酷いよ! なんだけど、学童の子、七宮さなと久野栞、タイプの全然違うふたりに、くじけそうになりながらもうまく打ち解けていって、子供嫌いだなんだいってたくせにね、すっかりほだされちゃってという、そうしたところね、チョロいなって、けどそれがいいなって思ったんですね。元気いっぱいのさな、本好きな栞。思い出の本が最初のとっかかりになったりするところとか、そういうのもね、よかったんですね。

『びんかんガール!』、なるほど、ちょっと個性的な女の子たち、の話ですよ。超冷え性の冬木ゆきこ、暑がりの夏木うみ、このふたりだけかなと思ったら、酷い花粉症の春野はな、打たれ弱い秋野こころも加わって、この四人で健康くら部を創部、一緒にいろいろ問題を克服していこうというんですね。けど、あんまり無理しても、みたいに思ったんですけど、いやほんと、実際いきなり乾布摩擦。頑張りはわかるが、はたしてこれ、花粉症とか打たれ弱さに効くのかい!? なんて感じで、ちょっと実効性の不明な活動通しながら、皆の結束描いていくの、よいと思いました。それぞれのキャラクター、体質とからめることで、わかりやすくなってるのもよいと思います。

『くるみらいふ*』、これ、いい感じ。妹くるみの世話をする姉なごみ。それはいいんだけど、この妹、ハードモードだなあ。結構やんちゃというか、かなりやんちゃというか、目が離せない感じでいろいろやらかしてくれるんですね。毛虫を触りにいったり、壁に落書きしたり。油断すると、とびかかってきたり、蹴りいれられたりと、いや、ほんと、ある種リアルな子供像かな、なんて思ったりもしたんですが、うん、子供、大変だ。なごみが、全然しっかりしてないのがいいですね。妹に口で負けてるじゃん。そんな様子もおかしくて、そして妹の世話、友人ことねとゆずかに任せて楽しようとする。ゆずかですよ。子供好き。その見た目、雰囲気からも、子供相手にするの得意なのかな? とか思ってたら、これが駄目! むしろ子供のこと苦手そうにしてることねの方がしっかりしてて、まあ、一番しっかりしてないの、姉のなごみなんですけどね。お姉さん3人の、それぞれ違った個性に、くるみのアグレッシブさが作用して、いろいろ見せてくれる展開、それが面白かったなって思いました。

  • 『まんがタイムきらら』第14巻第3号(2016年3月号)

0 件のコメント: