『まんがタイムジャンボ』2016年3月号、昨日の続きです。
『おやすみモーニング』、ばぁちゃん食堂、これがまた自由で、なんかいいですね。ナースの杉野エリカ。落ち込んでしまっていたところをばぁちゃんに元気づけてもらって、というか、趣味の燻製、そいつを一緒に食べようって話になるんですね。この親身な感じ、とてもいい。でもってベーコン、ソーセージ、そしてスモークチーズと、どれもこれもおいしそうで、この燻製の上手にできるようになるまでのこと、紆余曲折に試行錯誤、それがエリカを元気づけて、ばぁちゃんにその気があったのかどうかは最後まで謎だけれど、そうした無理しない感じ、それがこの店主さんの、ひいてはこの漫画の魅力なんだろうなって思います。しかし、燻製朝食、赤字かあ。ソーセージ、別料金にするといいんかな?
『寄席ばいいのに』、落語家新橋と出会って以来、落語に興味の出てきた銀子。この子に落語友達ができましたよ、っていうんですけど、出会った場所がトイレ。しかも個室でご飯食べてる。ああ、これ、便所飯ってやつなのか。やだなあ! と思ったら、なんかどうも違うみたい。なんと、落語『味噌豆』をより実感しようと、実際にトイレで昼を食べてみて、って、この人、相当な落語バカだな。上野小路。かくして進学クラスの優等生と見るからにギャルの銀子が出会って、友達になって。小路、友達がいないわけではないといいはってるけど、どうも確かにいないみたい? そんな彼女に友達ができて、銀子の踏み込んでいく様、落語という共通の興味。ええ、眼鏡が曇るのもいたしかたなし、でありますよね。
『シコふんじゃえば?』、なんか、ゲスト掲載時より、ずっとよくなってない? 相撲部屋の娘の話。けれど杏子は家のことを秘密にしていたくて、それは過去のいまわしい記憶、あだ名がミス相撲だったということを思い出させる、その二の轍は踏まないと必死、なんですね。しかし、友達の舞、この子が相当な相撲ファンで、部屋には相撲グッズが山盛り。トイレにいけば、力士の尻写真が大量に貼られていて、きっと杏子の家のこと、話せば興味を持ってもらえるに違いない。違いないのだけれど、それゆえに秘密にせねばならないと、さらに必死になる杏子の様子がほんとおかしいんですね。度を過ぎたマニアと相撲部屋の娘。いつか真実腹を割って話せる日がくるといいですね。
『江戸の蔦屋さん』、ゲスト2回目なんですけど、これ、面白いですね。江戸時代の本屋の話。この時代の書店は、売るだけでなく、出版も手掛けていた。出版社であり編集者、といってますね。その主人、蔦屋重三郎に、大成する人に憑くツキモノが見えるという能力設定して、駆け出しの喜多川歌麿、まだ芽も出てないこの人の後見をさせるという、そうしたギミックが面白い。今回は山東京伝の『江戸生艶気樺焼』、それが出るまでのもろもろ描いて、まさかそのモデルが歌麿で、あえてイケてない人に着目しましょう。絵解きもの、みたいな風でもあるこの漫画。こういうのも悪くないなあって、読んでみてしみじみ思います。
- 『まんがタイムジャンボ』第22巻第3号(2016年3月号)
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