『まんがタイムきららMAX』2015年5月号、先日の続きです。
『ぱぺっとと栞のラペル』、ゲスト後編。よいですね。すっかり沙奈と一緒に人形劇部に入るつもりの栞ですが、沙奈はちょっと抵抗してるんですね。沙奈の入部はほとりも後押し。あの、のしのし押してる様子、すごく面白かった。うん、かわいい生き物です。今回は先輩ふたりが出てくるんですね。部長の南野和樹。ええと、女の子ですよ。副部長の江崎千冬。凛々しい系の部長におっとりしてそうな副部長。けれど沙奈の見立てでは部長<副部長で、こういう人間関係はかったりするところなどもなんか楽しい。女の子のリアルなのか、あるいは男女の関係なしかな? こうして状況うかがうところに、沙奈という人の息衝くような思いがするのですね。しかし今回、沙奈もそうだし、ほとりもそうだし、皆の個性、キャラクターがしっかりと描かれて、その関係して生じるところも活き活きと、すごく魅力的でありました。ほんと、人形劇部、これはすごく楽しい部活風景が期待されそうですよ。
『ディアー・レプリカ』も魅力的。人形のレプリカ。これまでは人形の店クオリアから外に出られずにいたのですが、前回知り合った子供たち、ルカたちと遊びたい、外にいきたいと、もうそうした気持ちをおさえられそうにないんですね。あのわがままいってるレプリカの表情、すごくいいですよね。そしてレプリカ、パパに、店主のディアーさんに外出を許してもらうんです。約束は五つ、人形だと知られてはいけない。人前で人形を動かしてはいけない。友達は大切にする。そして手洗いうがいと好き嫌いしないこと。フロームの心の中でのつっこみ、これがいかしてました。外出するレプリカを尾行するよう、変装までさせられたフローム。あれ、街の人が彼女のことどう思ってるかが垣間見えて、おかしかった。そうか、あやしいんだ……。そしてレプリカ、ルカたちと再会できて、思うことたくさん。人形が人々に笑顔を届けるということも知って、自分のことを思って、ええ、こうした内省、とてもいい。で、さっそく約束のひとつを破ってしまうわけですが、さあどうなる。これはほんと、どういう決着が見られるのだろう。
『ハナイロ』は、沙里の誕生日を皆で祝おうっていうんですね。といっても、人間の世界で暮らすために考えた、仮の誕生日なんですけどね。いち子がすごくやる気でして、皆にエプロン着せて、そしてケーキを作ろうっていうんです。でも唯一料理のできる茉乃花抜きというハードモードで、うるみ、いち子、陽、それぞれの性格の違いがシンプルに伝えられるあの一コマ、あれ、素晴しかったと思う。ええ、うまくいかんわけですよ。その失敗を見事にリカバーしてくれる茉乃花先生。あの茉乃花に頼んでる3人も素晴しい。そして茉乃花の食パンを使ったアレンジが、見た目にもプレゼントボックスになるなどね、これ、ほんとチャーミングだわ。ほんと、このアレンジ力、このデザイン性、すごく素敵だと思った。いち子のプレゼント、約束のゴスロリ服。沙里と茉乃花が着替えさせられて、いや、これ、素敵よ、素敵。茉乃花のプレゼント、クッションを喜ぶ沙里の大げささもおかしくて、しかしね、ほんと、今回は茉乃花が光った。本当の誕生日ではないけれど、生まれてくれてありがとうと伝える、そんな日にしたらいいと思う。ああー、なんだろう、この素敵のちりばめられたエピソード。本当、面白くて、きらきらしてて、そして最後の落ちは陽のプレゼント! まさかそんな落ちがくるとは、ほんと、意外な変化球にやられましたよ。
『スクール・アーキテクト』、めちゃくちゃ面白いなあ。というか、本当、この漫画は変なやつしかいない。今回は骨好きの壺田シロがクローズアップされますよ。骨が好き。骨スマホケース、骨ストラップ、骨アクセサリー、骨ブックカバー、とにかく、あれもこれも骨。骨。骨。骨折したという三ツ越くんに、あれこれ聞く内容が酷い。一応ロマンなんでしょう。うん、確かにロマンなんだと思う。でも、なんというか、変な性癖、フェティシズムとしか感じられない、そんな感触が全面で、いやあ、可愛い子なのになあ、なんでこうも残念になるのだろう。この漫画、ほんと、残念美少女図鑑だと思う。今回の白眉は、いろんな骨が好きなシロ。人以外のものも好きで、あれも好き、これも好き、けど全然詳しくない。ただただ骨が好きなだけで、決して詳しくないというのね、いや、これでいいんですよ。ほんと、シンプルな好き、ただただ無性に好きというものを見せられた、そんな爽快感がありました。ああ、そうそう、落ちね、ええ、やっぱり残念ですよね。残念です。
- 『まんがタイムきららMAX』第12巻第5号(2015年5月号)
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