『まんがホーム』2015年4月号、一昨日の続きです。
『天国のススメ!』、なかなかの怪奇案件、飛び込んできましたよ。なんと夜な夜なしゃべる壷、なんだそうです。古くからある料亭の壷がしゃべる。さすがの太一も怖いというので、天狗の二男、琥珀についてきてもらうっていうんです。問題の壷は、先代の残したものなんですね。料理一筋の人だった。だから、なにかの思い残しがあるんじゃないか、伝え忘れた料理でも、なんて女将はいうんです。けれど実際は違って、なるほど、確かに先代の思い残し。けれどそれは料理ではなく、隠していた唯一の趣味。俳句、作ってたんですね。先代というと料理一筋、趣味もなく打ち込んできた、そう思われていた、そのことが重荷になって、言い出せなくなってしまっていたんですね。その思いがただただ残されて、成仏できずにいた。読んで欲しい、そんな気持ちもうらはらに、隠さねば、そう思ってしまっていた。けど、その思い残しが太一のこの俳句好きだという一言で晴れるんですね。ええ、切ない話、けれど素敵な話でありました。
『200年の夜と孤独 — おひとりさま吸血鬼』は前回のバレンタインデーを受けてホワイトデーの話題であります。コンビニバイトの彼が、なにかお返ししないとと、いろいろ思い悩む話なんですね。月夜野さんは吸血鬼、だから血と短絡するも、さすがにそれは……。そもそもが慣れないプレゼントとそのお返し、どうしたものか、どうしよう。全然その気のない月夜野さんが面白く、そして最後に決めたのが、マシュマロなんですね。普通の人とは違うというなら、一番普通っぽいマシュマロがいいんじゃないか。その心遣い、いいじゃありませんか。そしてマシュマロ、猫のかたちが可愛くて、月夜野さん、それで食べられないのか! 可愛い人だな! つくづくそう思いましたよ。
『うちの秘書さま』、はじめくん、花粉症なんだ。それを口実に学校休めないかと思ってみたり、それで七瀬に怒られてみたりと、いやほんと、いつもどおりなんだけど、楽しそうでありますよ。メイドさん、いいですよね。ぼっちゃんの気持ちも知らずになんという失態。思い詰めちゃって、山へ参ります。なるほど、杉かなんかわからんけど、花粉について知ろうというのか。学校で話題になる、いいティッシュ、あれ面白かったなあ。そうかあ、みんな花粉症で苦しんでるんだなあ。職場の人も、自分専用にいいティッシュを持ってきてますよ。それじゃないと鼻が酷いことになるっていいますよね。メイド連に、七瀬も、はじめの花粉症をどうにかしようと考えてくれるんですけど、メイドの発案は雨乞い。七瀬の発案は乾布摩擦にジョギングといったスパルタ体質改善。いずれにしてもはじめ大変そうで、いや、雨乞いで大変なのは七瀬か。あの、雨乞いから逃げようと必死の七瀬、ほんとこの人には珍しい表情だったと思いましたよ。
『マチ姉さんの妄想アワー』、この家の御雛様、酷いな! 赤と青の付箋って! 想像を超える簡略化にしびれました。『眠れる森の美女』の魔女、あのシリーズ、面白かった。祝いの席に呼ばれなかったことで怒って呪いをかけた。酷い魔女なのか? と思いきや、なんだよー、めちゃくちゃいいやつじゃんよー。ほんと、ずっと楽しみにしてたんだ。祝う気満々だったんだ。そして王様の後悔。ワシはなんてことを — 。ほんと、的確、ほんと最高でした。シンデレラの姉ーズも面白ければ、フックとウェンディ、これもたまらんな。「公式(原作)です」の註釈がなおも面白さ増さしめて、完璧だと思いました。そして『ヘンゼルとグレーテル』、まさかの続編だーっ! もう最高だと思う。ヘンゼルの勉強の成果。叫ぶグレーテル。そしてなんとなく仲良くなってる魔女とグレーテル。もうしびれる面白さでした。
- 『まんがホーム』第29巻第4号(2015年4月号)
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