2015年3月19日木曜日

『まんがタイムきららMAX』2015年5月号

『まんがタイムきららMAX』2015年5月号、発売されました。表紙は『きんいろモザイク』、忍がひとり、洋装でもって花の野に座り、こちらに手を差し延べている、そんなイラストであります。背景の野は、ハイキー調で淡く被写界深度の向こうに溶けてゆき、光をその背にこちらを見やる忍の姿を浮き上がらせて鮮烈です。風に舞う髪の表現いきいきとして、その表情は穏やかにして優しさともなう素敵なものです。そして表紙にもうひとつ。『わかば*ガール』のアニメ化うけてのカットがありますよ。

いちごの入ったソーダ水』、夏休みが開けて皆が再会してみると、なんだか変わってしまったものがある。それは例えばるなとこひめの距離であり、こひめの大人になった発言などなど意味深。やたらやる気に溢れる先生が挙動不審だったりすれば、なんだか素直さ垣間見せるいいんちょの愛らしさ。けれどなにがすごいっていっても、舎弟ふたりですよ。杏奈があれなのはもう置いておいて、って、すごいやつれてるし! どんだけ猛勉強してんだ、この子! けれど、いやいや、こちらじゃない。咲太郎ですよ、咲太郎。って、お前誰だーっ! ほんと、昔の咲太郎が思い出せない。そんなレベルで変わっちゃってて、いやもう、すごい。コメントに困るレベルの変身です。

『こみっくがーるず』、これも本当に面白かった。学校での皆の様子ですよ。担任の虹野先生。厳しい、怖い、けれど美人。かおすちゃんは怒られながらも喜んでいるという、そうした様子がおかしくて、先生のことイラストにしてみたりしてね、そしてリボンつけてみたりしてね、って本人につけるんだ! 琉姫の爆弾発言素晴しく、けどメインは翼なんですね。授業中、アイマスクつけて堂々寝ている。漫画のこと、先生にいってないんですね。いうべきか黙っておくべきか、悩むんですが、翼の場合、いえない理由がある。少年漫画を描いている、その作家が女子高生というのは伏せておきたいって思惑が編集側にもあるっていうんですね。けれど、授業中の落書き、いや仕事か、下書きか、それが先生に見付かって、なんと呼び出しですよ。しかも体育館裏! それでいったいどうなる? って、先生、この漫画のファンなのかー! って、しかも結構なショタ系好きとお見受けする発言の数々。ああ、翼のこと、同人作家かなにかと思ってるんだ。って、同人活動で寝不足とか、妙に理解あるぞ、この先生! けど、かおすちゃんの進言で、翼が憧れの作家ウィング・Vと知る。もう、見事にメロメロで、この先生の極端なもろもろ、ほんと面白かったです。ほんと、先生、いいキャラでした。あ、先生、ちゃんとリボン、つけてくれてますね。いい先生だわ。

『裏庭には…!』、すみれと桜子、ふたりで買い物にいきますよ。目指すは駅前。バス1本の小旅行。って、おや、あれ? この駅前の風景。もしかして、舞台のモデルは大阪梅田? 観覧車に目を引かれてしまったりしたのですが、面白かったのはこれからで、園芸店でのはしゃぎよう。ふたりとも目を輝かせて、ええ、ほんとに園芸のこと好きなんですね。けどさすがに買いすぎ。数を減らして、それでもたくさんだから、お店に預けて、今度は製菓コーナーにいくんですね。けれど予算の都合でちょっとしか買えない。あのしょぼんとしちゃったふたりの様子が、ね、対照的でよかったですよ。ふたりのね、いろいろをエンジョイしてるところ、見ていてすごく面白くて、それは楽しんでる気持ちが伝わってくるからだと思うんですね。そして桜子が迷子。いや? すみれの方が迷子なの? 焦るすみれをとりなしてくれた着ぐるみの中身が志津香で、そしてインフォメーションからの案内。ものすごく桜子が焦ってて、ああ、すみれが慰める側なのかあ。手を繋いで帰るラストなど、この雰囲気実によく、それだけに雪乃の顛末、預けた荷物の顛末、これがいい落ちになってたと思いました。

『そうだ!ラノベを書こう!』、ゲストです。森日小兎の入った部活はラノベ部。部長の貴町綾子、満面の笑みでもって歓迎してくれてるんですが、小兎は、部室にあったコンピュータを見て、ゲーム部と早合点して入ったっていうんですね。そもそもラノベがなにか知らない。知ったかぶりしながらそれっぽく話をあわせて、そしてもうひとりの部員、レイジュ・ギルティ・ラインハルト、礼寿ってのは本名なのか、コスプレして闇の君としての自分をアピールするんですね。普段は黒髪、眼鏡、そうした姿も魅力的ですのにね。綾子は学園ラブコメ、レイジュはファンタジー小説を書いていて、なるほど、綾子も決して普通の人じゃないのか。こうした仲間と一緒に、ラノベというものを知り、自らも書いていく。そうした小兎の活動は面白いものになりそうに思います。ところで、あのキーボードよりもスマートフォンの方が入力はやい小兎。これ今の若い子らしさ感じさせる描写なんでしょうね。

『つぼみアレンジメント』、ゲストです。ハローズマリー! いい挨拶だ! 主人公柳つぼみは花とおしゃべりできるのか。けど、客観的にはかなり怪しい雰囲気になっていて、それを指摘する藤宮なでしこ。ふたりスキンシップ過剰気味、なのだそうであります。なるほど、華道部なんですね。けれど部員が少なくて、部の存続をはかるため、新入部員を探しにいきます。かくしてつかまったのが木南ふたば。なるほど、ナデシコの幼なじみ。家がとなり同士なんですね。けれどだんだんウザくなってきたナデシコ、その手強さのために距離を置いてたってフタバいうんですが、花と話してるツボミを見て、もっと手強い? いいキャラクターだと思います。フタバ、花粉症なんですね。けれどツボミが植物に花粉を抑えるよう頼んでくれて、症状緩和されて、これで離れていた生け花に、フタバ、戻れるんですね。しかし、ツボミ、ナデシコの手強さ、最後の最後までばっちり描かれまして、ええ、フタバのこれから、ちょっと大変になりそうですよ。

『はなとなでしこ!』、ゲストです。撫子は高校1年生。新しい制服を着て嬉しそうに見えるのだけど、実はこれ、空元気だったんですね。なんと、女の子が苦手なのか。中学の頃はまわりが男子ばかりだった。だから女子の友達がいなくて、その感覚もよくわからなくて、苦手にしてる。そんな撫子を、お姉様、無理矢理女の子ふたりに託してしまいまして、そのふたりというのが鈴村牡丹と羽柴綾乃。慣れないながらも一生懸命話す撫子のこと、可愛いと思う牡丹。かと思えばクモに怯える綾乃を見て、可愛いと衝撃受ける撫子。女の子の可愛さに直面して、新たな世界の扉が開いた、そんな風でもあるんですね。ええ、その扉の向こうに広がっている世界、どのようなものであるのか、楽しみにさせますね。

  • 『まんがタイムきららMAX』第12巻第5号(2015年5月号)

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